レビュー

Win/Mac/Linux/BSDに対応。オープンソースの分散型フォルダー同期ツール「Syncthing」

プライベートなデータを複数デバイスで共有したい場合に

「Syncthing」v0.12.22

 「Syncthing」は、オープンソースの分散型フォルダー同期ツール。ライセンスはMPL 2.0。Windows/Mac/Linux/FreeBSD/OpenBSD/Solarisなどに対応するクロスプラットロームアプリで、本ソフトの公式サイトから無償でダウンロード可能。

 本ソフトは、指定したローカルフォルダーをインターネットを介して他の端末のローカルフォルダーと同期できるツール。第三者の管理する中央サーバーを介さずに済むため、プライベートなデータを共有したい場合に向いている。通信が完全に暗号化されている点や、開発がオープンソースで行われている点なども安心できる要素と言えるだろう。

 本ソフトはコマンドラインツールと管理用のWebインターフェイスから成っている。利用するにはまず、ダウンロードした書庫を適当なフォルダーへ展開し、“syncthing.exe”を実行する。すると、「コマンドプロンプト」とともに管理ページがWebブラウザーで表示される。この管理ページは“http://localhost:8384/”でアクセスすることも可能。他の端末でも同様にして、“syncthing.exe”を起動しておこう。

本ソフトはコマンドラインツールと管理用のWebインターフェイスから成る
管理ページは“http://localhost:8384/”でアクセスすることも可能

 初期状態では“default”という名前で“C:\Users\(ユーザー名)\Sync”フォルダーが同期される設定になっている。本稿では、例としてこのフォルダーを他の端末と同期してみることにしよう。

 他の端末と同期するには、まず管理画面の[Add Remote Devices]ボタンを押して、リモート端末を登録する。端末を登録するには“デバイスID”が必要となるが、これは管理画面右上のメニューで[IDを表示]コマンドを選択すれば取得可能。“デバイスID”は非常に複雑で長いので、メールなどで送信しておくとよいだろう。あとは適当に“デバイス名”を入力し、“このデバイスと共有するフォルダー”を指定してから[保存]ボタンを押せば設定は完了。

まず管理画面の[Add Remote Devices]ボタンを押して、リモート端末を登録
“デバイスID”は管理画面右上のメニューで[IDを表示]コマンドを選択すれば取得可能

 続いて、この手順をすべてのデバイスで行い、互いに互いを登録しておこう。登録処理が完了すると、それぞれの端末の“default”フォルダーの内容が同期される。

 本ソフトはクロスプラットフォーム対応で、WindowsのほかにもMacやLinux、BSD系列のOSで利用できる。また、サードパーティ製のアプリケーションとして、Android版がラインナップされている。

ソフトウェア情報

「Syncthing」
【著作権者】
The Syncthing Authors
【対応OS】
Windows/Mac/Linux/FreeBSD/OpenBSD/Solaris(編集部にてWindows 10で動作確認)
【ソフト種別】
フリーソフト(寄付歓迎)
【バージョン】
0.12.22(16/04/13)

(樽井 秀人)