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複数端末のフォルダーを同期する「Syncthing」がv2.0.0に ~約6年半ぶりのメジャー更新
Windows、macOS、Linux、FreeBSD、OpenBSDなど対応のオープンソースツール
2025年8月28日 15:30
分散型フォルダー同期ツール「Syncthing」が8月20日(日本時間)、v2.0.0へとアップデートされた。2019年1月以来、約6年半ぶりのメジャーバージョンアップとなる。
「Syncthing」は、複数端末のローカルフォルダーをネットワーク越しに同期するツール。「OneDrive」や「Google ドライブ」、「Dropbox」といったクラウドストレージとは異なり、それぞれのデバイスで立ち上げた「Syncthing」がサーバーかつクライアントの役割を果たす仕組みになっており、中央サーバーを持たないのが最大の特徴。クラウドストレージ事業者にファイルが検閲されたりする心配がなく、 プライバシー を保つことができる。
また、ローカルフォルダーの同期はLANやインターネットを介して行われるが、すべての通信は暗号化され、明示的に許可したデバイスのみがアクセスできる仕組みになっている。運用に注意すべき点はあるが、おおむね セキュア と言えるだろう。実装にはオープンなプロトコルを用い、「Syncthing」の開発自体も オープンソース で行われているのも安心できる要素だ。ライセンスは「MPL-2.0」。
対応OSはWindows、macOS、Linux、FreeBSD、OpenBSDなど(そのほかにも、サードパーティー製のAndroidアプリがある)。バイナリは公式サイト「syncthing.net」などから無償でダウンロードできる。執筆時現在の最新版は、22日付けで公開されたv2.0.3。
メジャーバージョンアップとなるv2.0.0では、ファイルデータベースのバックエンドが「LevelDB」から「SQLite」となった。メンテナンスが容易になるとのことで、不具合の削減や将来の拡張性などに期待がかかる。ただし、初回起動時には移行作業に時間を要することがある。
また、ログのフォーマットを構造化してわかりやすくしたり、ログの採取レベルを指定したりといった改善も行われた。コマンドラインオプションの解析もモダナイズされ、古いシングルダッシュの長いオプションがサブコマンドやダブルダッシュコマンドに整理された。詳しくは『syncthing --help』や『syncthing serve --help』コマンドで参照のこと。
一方で、削除アイテムがデータベースに永久保存されなくなる(デフォルトでは6カ月後に削除)などの仕様変更もあるので注意。
ソフトウェア情報
- 「Syncthing」
- 【著作権者】
- The Syncthing Project
- 【対応OS】
- Windows/Mac/Linux/FreeBSD/OpenBSDなど(編集部にてWindows 11で動作確認)
- 【ソフト種別】
- フリーソフト(寄付歓迎)
- 【バージョン】
- 2.0.3(25/08/22)