「Visual Studio Code」に多数の新機能、AIエージェント群を管理する指揮所「Agent HQ」も追加、2025年10月更新

「Visual Studio Code」の2025年10月アップデート（v1.106）

　米Microsoftは11月12日（日本時間）、「Visual Studio Code」の2025年10月アップデート（v1.106）を正式公開した。今月も多くの新機能と改善が行われている。

　なかでも注目は、AIエージェントを管理する指揮所 「Agent HQ」 コンセプトの実装だ。画面左端のナビゲーションバーに［Agent Sessions］ビューが追加され、ローカル・クラウドを問わず、さまざまなAIエージェントのセッションを一元管理できるようになった。既定ではAIエージェントごとにカテゴリーわけされているが、すべてをフラットに一覧できるシングルビューに切り替えることもできる。

ローカル・クラウドを問わず、さまざまなAIエージェントのセッションを一元管理できる［Agent Sessions］ビュー

　なお、［Agent Sessions］ビューとの親和性などを狙い、「Copilot」コーディングエージェントの統合が「GitHub Pull Request」拡張機能から「Visual Studio Code」AI機能の中核を担う「GitHub Copilot Chat」拡張機能に引き継がれた。「GitHub Copilot CLI」を統合する取り組みも開始されており、チャットエディターや統合ターミナルで新規セッションを作成したり、既存セッションを再開できるようになっている。

　そのほかの主な変更は、以下の通り。

• AIエージェントにコーディングさせる前にその計画を練ることができる「プランエージェント」（Plan agent）が統合
  
  

  「プランエージェント」（Plan agent）が統合
• AIエージェントにタスクを任せられる「/delegate」コマンド
• チャットモードをカスタムエージェントに改称。他の環境で使用される用語と統一
• 差分エディターで削除されたコードが選択可能に
• インライン提案がオープンソースに。「Visual Studio Code」のAI機能を「GitHub Copilot Chat」拡張機能としてオープンソースにしていく取り組みの一環
• インライン提案をガター（行番号を表示する部分）アイコンから直接スヌーズできるように。不要であれば提案を一時停止できる
  
  

  インライン提案を一時停止（スヌーズ）
• ［行に移動］コマンド（［Ctrl］＋［G］キー）にいくつかの機能強化。「::（数字、負数も指定可能）」構文で指定した文字数目の位置へ移動できる。負の列番号を指定して行末からの移動も
• 「codicon」アイコンセットを刷新。モダンでフレンドリーに
  
  

  「codicon」アイコンセットを刷新
• Linuxポリシーのサポート。IT管理者は複数のLinuxマシンに指定した設定を展開できる
• 複数ファイルの差分エディターでファイル間移動をサポート
• 診断ホバーテキスト（エラー、警告、情報、ヒント）のコピー
  
  

  診断ホバーテキストのコピー
• 詳細設定の概念を導入。上級ユーザー向けの設定をまとめており、既定では非表示になっている
• 「/savePrompt」コマンドでチャットの会話を再利用可能なプロンプトとして保存
• AIチャットの最初に表示されるウェルカムプロンプトを編集
• AIの推論を表示する機能（実験的）の対応モデルを拡充。現時点で、「GPT-5-Codex」、「GPT-5」、「GPT-5 mini」、「Gemini 2.5 Pro」が対応
• インラインチャットを近代化するための取り組み（v2）を強化（プレビュー）
• チャットビューを強化。ドロップダウンメニューで新規エディター・ウィンドウを表示したり、ツールとMCPサーバーアクションをモデルピッカーのすぐ隣に移動したり、数式を右クリックして数式ソースをコピーしたりといった改善を実施
  
  

  チャットビューを強化
• 一年半前から実験的・プレビュー機能として提供していたターミナルの「IntelliSense」機能を安定版としてすべてのユーザーへ段階的にロールアウト
  
  

  ターミナルの「IntelliSense」機能
• 「GitHub Copilot Chat」で利用可能なすべての言語モデルを一覧できる言語モデルエディター（プレビュー）
• macOS 11.0のサポートを終了。本リリースが「macOS Big Sur」をサポートする最後のリリースとなる

　「Visual Studio Code」は、Windows/macOS/Linuxで動作する高機能なコードエディター。現在、本ソフトの公式サイトや「ストア」アプリ（Microsoft Store）から無償でダウンロード可能。すでに利用している場合は、アプリの自動更新機能を用いてアップデートすることもできる。