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「Visual Studio Code」のAIインラインサジェストがオープンソースに

「GitHub Copilot」拡張機能は2026年初頭までに非推奨、「GitHub Copilot Chat」拡張機能に一本化

「GitHub Copilot」拡張機能のインラインサジェストが「GitHub Copilot Chat」拡張機能に統合、オープンソース化に

 日本時間11月12日にリリースされた「Visual Studio Code」の2025年10月アップデート(v1.106)では、コードの入力中にAIがその続きを提案する「インラインサジェスト」(inline suggestions)機能がオープンソース化された。これは2025年5月より進められている「Visual Studio Code」を“オープンソースのAIエディター”にする計画の一環だという。

 「Visual Studio Code」のAI機能は数年来、歴史的な事情で以下の2つの拡張機能を組み合わせて実現されていた。

  • GitHub Copilot:エディターで入力する際に、インラインサジェストによるゴーストテキスト(灰色の提案テキスト)を表示
  • GitHub Copilot Chat:対話型のAI支援機能(チャットパネルなど)を提供

 しかし、両方がそろっていないと機能しない要素があるのは問題だ。また、それぞれにネットワークアクセスやキャッシュを管理するのは無駄が多い。双方で用語が統一されていない点も問題だ。そこで、両者の統合が進められていた。

 この統合は、AI機能すべてをオープンソースにするという開発チームの方針とも合致している。今年6月には「GitHub Copilot Chat」拡張機能がオープンソース化されているが、インラインサジェストがクローズドソースの「GitHub Copilot」拡張機能から移植されれば、世界中の開発者がインラインサジェストの実装コードにもアクセスできるようになる。

 「GitHub Copilot Chat」拡張機能のオープンソース化が“オープンソースのAIエディター”計画第1のマイルストーン(中間目標)だとすれば、今回のインラインサジェスト機能の移植は第2のマイルストーンといえるだろう。

 「GitHub Copilot Chat」と「GitHub Copilot」の両拡張機能が統合された結果、キャッシュの再利用が改善され、ネットワークレイテンシが減り、ゴーストテキストの表示が早くなる。また、品質の検証が容易になり、不具合の削減も期待できる。 「GitHub Copilot」拡張機能は不要となるため2026年初頭までに非推奨 となり、「Visual Studio Marketplace」からも削除される。

 なお、拡張機能の統合は水面下で行われており、ユーザーエクスペリエンスには影響が出ないとみられている。もし問題が発生したときも、試験フラグで統合を無効化できる。

試験フラグで統合を無効化

ソフトウェア情報

「Visual Studio Code」Windows向け安定版
【著作権者】
Microsoft Corporation
【対応OS】
64bit版を含むWindows 10/11
【ソフト種別】
フリーソフト
【バージョン】
1.106(25/11/12)