杜のAndroid研究室

独自エンジン搭載の高機能Webブラウザー「Opera Mobile」

ベータ版ながら“スピードダイアル”“Opera Turbo”“Opera Link”などを搭載

(10/11/10)

「Opera Mobile」「Opera Mobile」

 スマートフォン向けOS“Android”用アプリのライブラリサービス“Androidマーケット”(以下、“マーケット”)には、日々すばらしいアプリが次々と登場している。しかし現在のマーケットは人気アプリや定番アプリにたどり着くための仕組みが弱く、大量のアプリを前に途方にくれてしまう場面も多い。そこで『杜のAndroid研究室』では、さまざまなテーマに沿って窓の杜スタッフが厳選したアプリを紹介していく。今回は、9日にOpera Software ASAから公開された新しいWebブラウザー「Opera Mobile」のベータ版に焦点を当て、その使い方と機能を紹介する。

レンダリングエンジンに独自の“Opera Presto”を採用したWebブラウザー

 「Opera Mobile」は、WindowsやMacなどで広く使われているWebブラウザー「Opera」のAndroid版。多くのAndroid用WebブラウザーがレンダリングエンジンにAndroid標準のWebブラウザーと同じ“WebKit”を採用しているのに対し、「Opera Mobile」では独自の“Opera Presto”エンジンを採用しているのが特徴。

 また、すでに公開されている同社製のAndroid用Webブラウザー「Opera Mini」が同社のサーバーでレンダリングを行うのに対し、「Opera Mobile」はローカルでレンダリングが行われるため、より柔軟にWebページを表示できる。

おなじみの“スピードダイアル”なども搭載された使いやすいUI

タップした位置を拡大タップした位置を拡大

 画面はAndroidの狭い画面でも使いやすいように作られており、画面下部に戻る・進むボタンなどの操作ボタンが並んだツールバーが表示され、上部のタイトルバーの下へアドレスバーとWeb検索欄が表示される。アドレスバーと検索欄はWebページを下へスクロールすると隠れる仕組みで、メニューボタンを押すことでいつでも再表示可能。

 また、Webページを表示した際は横スクロールしなくても閲覧できるように全体が縮小表示され、タップした位置が拡大される。拡大された状態でダブルタップをすると縮小表示へ戻ることが可能。もちろん、マルチタッチに対応した端末ではピンチイン・アウトによる拡大・縮小も可能だ。

 さらに、設定によりPC向けの横に広いWebページを縦スクロールだけで閲覧できるよう画像や文章といった要素を1列にレイアウトする“携帯表示”機能や、タイトルバーとツールバー、Androidの通知バーを非表示にしてWeb表示部を最大限に確保するフルスクリーン表示も可能。フルスクリーン表示時はメニューボタンを押すことでツールバーとアドレスバー・検索欄を表示できる。

“携帯表示”機能“携帯表示”機能

フルスクリーン表示フルスクリーン表示

タブ切り替えタブ切り替え

 また、タブ切り替えにも対応している。タブを切り替える際はWebページのサムネイル画像が「iTunes」の“カバーフロー”のように一部重なって表示される仕組みで、タップするとサムネイル画像が前面に表示されるとともに、表示されるWebページが切り替わる。

 もちろん、WindowsやMac版の「Opera」でおなじみの、ホーム画面に登録したWebページのサムネイル画像が並ぶ“スピードダイアル”も搭載されている。

 そのほか、Webページ上のリンクなどを長押しするとメニューが表示され、リンク先のWebページを新規タブで開く、テキストを選択してコピーする、画像を保存するといった操作を行える。

“スピードダイアル”“スピードダイアル”

長押しで表示されるメニュー長押しで表示されるメニュー

“Opera Turbo”“Opera Link”機能などで快適なWebブラウジングが可能

 “Opera Link”機能を使えばWindows版などの「Opera」とブックマークや検索欄で使う検索エンジン、“スピードダイアル”に登録したWebページを同期できる。さらに、表示中のWebページを画像などを含めてローカルへ保存する機能を備えており、地下鉄など電波の届かない場所へ行く前に読みたいWebページを保存し、あとで読むことが可能。

 また、“Opera Turbo”機能を利用すると、Webページにある画像の画質を低くするなど、いったん同社の中継サーバーでデータを圧縮してから受信してWebページを表示することが可能。これにより、回線速度が遅い状態で画像の多いWebページを表示する際などに高速化が期待できる。ただし、編集部にて試用したところ3G回線が問題なく使える状態では効果を感じられなかった。

設定画面で“Opera Link”や“Opera Turbo”をON/OFF可能設定画面で“Opera Link”や“Opera Turbo”をON/OFF可能

表示中のWebページをローカルへ保存表示中のWebページをローカルへ保存

ベータ版ながら常用できるレベル

 本アプリは現状ベータ版という位置付けながら、編集部で試用した限りでは大きな不具合もなく、既定のWebブラウザーとして常用に耐えうるという印象だった。とくに、“携帯表示”機能はスマートフォン向けのページが用意されていないニュースサイトなどでも快適に記事を閲覧できるのがうれしい。また、フルスクリーン表示もAndroid標準搭載のWebブラウザーにない機能で、便利に利用できた。

【著作権者】
Opera Software ASA
【ソフト種別】
フリーソフト
【バージョン】
10.1.1011081433

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(長谷川 正太郎)