【第27回】
イラスト専門SNS“pixiv”公式ビューワー「pixiv」
新バージョンで大幅機能UP! お気に入りユーザーや小説など新着を効率よく閲覧
(10/11/17)
スマートフォン向けOS“Android(アンドロイド)”用アプリのライブラリサービス“Androidマーケット”(以下、“マーケット”)には、日々すばらしいアプリが次々と登場している。しかし現在のマーケットは人気アプリや定番アプリにたどり着くための仕組みが弱く、大量のアプリを前に途方にくれてしまう場面も多い。そこで『杜のAndroid研究室』では、さまざまなテーマに沿って窓の杜スタッフが厳選したアプリを紹介していく。今回は、イラスト専門SNS“pixiv”の公式クライアントアプリ「pixiv」を紹介する。
公式クライアントが大幅に機能アップして再登場
「pixiv」は、イラストの投稿を通してユーザー同士のコミュニケーションを楽しめるSNS“pixiv”の公式ビューワーアプリ。従来のバージョンはモバイル版ページにログインするためのランチャー的な内容でアプリならではの魅力に乏しかったが、10月末に公開されたバージョン2では、フル機能版ともいうべき大幅な機能アップがなされた。
従来から利用できた“みんなの新着作品”や“デイリーランキング”の閲覧機能に加えて、“お気に入りユーザーの新着作品”や“マイピク新着作品”、ウィークリー、マンスリーの各ランキング、“企画目録”などを快適に閲覧できるようになった。アプリ上でのキャプションやタグの閲覧、各イラストの評価やコメントの投稿、画像の保存なども可能となっている。今年の7月にpixivへ実装されたばかりの小説機能にも対応しており、電子ブックビューワー風の機能を搭載しているのも特徴だ。
そのほか、“みんなの新着作品”や各種ランキングなど、アカウント情報に依存しない機能については、アカウント不要で利用できる点にも注目したい。
スライドショーや画像保存もできるイラスト表示機能
本アプリのメイン機能となる各種イラストの表示機能では、コーナー名の一覧から“お気に入りユーザーの新着作品”や“デイリーランキング”などを選択することで、サムネイル画像の一覧が表示される。本アプリは画面回転に対応しており、縦画面ではサムネイルのみを表示。横画面では画面上段へサムネイルが横一列に表示され、左右のフリックでスクロールして表示イラストを切り替え可能。その下には画面中央にあるイラストのタイトルや投稿ユーザー名、キャプション、評価、コメント回数といった詳細情報が表示される仕組みだ。
一覧からサムネイル画像をタップすると、選択したイラストのフルスクリーン表示に切り替わる。この画面では、タイトルと投稿ユーザー名に加え、画面左右に大きな三角形のボタンが表示されており、これをタップすることでサムネイル一覧に戻ることなく前後のイラストへ移動できる。また画面内をタップすることで、各種情報やボタンの表示・非表示を切り替えてイラストを楽むことが可能だ。マルチタッチやダブルタップによるイラストの拡大表示にも対応しているが、本アプリはpixivのWebページ上に表示される標準サイズの画像を使用している模様で、投稿時の元サイズ画像を表示できるわけではない。拡大してもブロックノイズが目立つだけで、イラストの細部を堪能するとまではいかない点は残念なところだ。
さらにこの画面では、Androidのメニューから、詳細情報の表示や公開・非公開でのブックマーク、評価やコメントの追加、後述する“スタックフィード”への投稿やTwitterへのツイート、画像の保存などに加え、スライドショーまで行える点も見逃せないポイントだ。また、漫画投稿機能を利用して投稿された作品の場合、フルスクリーン表示上に専用のボタンが表示され、それをタップすることで作品に含まれる画像の一覧を表示し、そこから漫画内の各ページを表示する仕組みとなっている。各イラストの表示中は前述の三角形のボタンを利用したページめくりにも対応する。
各ユーザーのホーム画面の参照も
フルスクリーン表示から呼び出した詳細情報画面では、ユーザー名やタグの横に矢印マークがついており、マークのついた項目をタップすることで各ユーザーのホーム画面や、各タグの検索結果一覧にジャンプすることが可能だ。
各ユーザーのホーム画面では、投稿したイラストやお気に入りユーザー、マイピク、ブックマーク、スタックフィード、プロフィールといった各種情報を参照できるほか、自分のお気に入りユーザーとして登録することもできる。もちろん、お気に入りユーザーへの登録時にはブックマーク時と同様、公開と非公開の選択に対応する。
投稿小説の閲覧も可能
本アプリは、pixivの新機能である投稿小説の表示にも対応している。小説表示機能ではイラストのサムネイル一覧に相当する画面で、各投稿作品の表紙画像やタイトル、ユーザー名、ページ数、タグ情報が一覧表示される。
イラストのフルスクリーン表示に相当する画面では、画面全体を使って小説の内容を横書き表示で閲覧できる。画面を上下にドラッグすることで、文章を前後にスクロール表示させることが可能だ。また、複数ページ(pixiv上での単位であり、Android端末上での表示画面数とは異なる)に及ぶ作品の場合、三角形のボタンでページめくり操作が行えるほか、Androidのメニューより[章]項目を利用することで各ページ冒頭にジャンプしたり、[あとで読む]項目を利用してしおりを挟むこともできる。
もちろん、イラスト作品と同様に、各作品の詳細情報の表示やブックマーク、評価、コメントの追加、ツイートの投稿にも対応する。
検索やスタックフィードにも対応
このほかにも、タグ、タイトルとキャプション、小説の本文、ユーザー名に対応した検索機能や、各種SNSのタイムラインに相当する“スタックフィード”の表示にも対応する。スタックフィード機能では、“みんなのスタック”“すべてのスタック”“お気に入りユーザーのスタック”“マイピクのスタック”“あなたのスタック”の表示に対応しており、“ひとこと”の投稿も可能だ。
モバイル環境での新着チェックに最適
冒頭でも簡単に紹介したが、前バージョンは非常に機能が限定されており、同じ公式アプリでもiPhone版に比べてしまうとかなり見劣りする内容となっていたが、最新版では完全に追いついた格好だ。
このように非常に力の入ったアプリだが、iPhone版と同様に投稿時の元サイズの画像を表示する機能はないため、詳細に描き込まれた作品の細部を拡大して楽しんだり、元サイズ画像を保存するといった利用に対応していない点は残念なところだ。
しかし、モバイル環境で新着をチェックしてブックマークに追加していき、自宅に帰ってからPCでじっくりと楽しむといった用途であれば、十二分に威力を発揮してくれることだろう。
- 【著作権者】
- ピクシブ(株)
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