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【Excel】セルの結合は避けるべき?それでも複数セルの中央に文字列を表示させるエクセルのテクニック

便利だけど意外と厄介?エクセルでセルを結合しないほうがいい理由

 Excelで表を作成する際に、複数のセルを結合して1つのセルのように扱うことはよくありますよね。表のタイプによっては、複数のセルをくっつけて1つのセルとして扱えるのは便利ですよね。

 この「セルの結合」は、使い方によってはとても利便性に優れる機能ですが、一方で厄介な点もあります。皆さんの周りでも、セルの結合は行うべきではないと考えている人は、案外多いのではないでしょうか。

 セルの結合をよくないとする理由の1つとして、コピー&ペーストがうまくいかなくなるということがあります。また、ショートカットキーを使って、結合されたセルの含まれる列や行を選択しようとすると、思ったとおりに選択されず、操作性に劣ると考える人もいるでしょう。

 実は、こういった場面で使えるセルの結合機能に代わる方法があります。それは、「選択範囲内で中央に揃える」というやり方です。この方法を使えば、先に述べたような不便を解消できます。

 今回は、入力した文字列を「選択範囲内で中央に揃える」方法について解説します。その前に、まずは「セルの結合」では何が不便なのかを確かめてみましょう。

「セルの結合」で感じる不便なこと

 セルを結合した時に不便に感じることがいくつかあります。まず1つは、コピー&ペーストがうまくできなくなることです。

 例えば、3つのセルが結合されたセルA9(①)に、セル範囲A3:B3(②)をコピー&ペーストしようとすると、エラーメッセージ(③)が表示されます。結合したセルと同じサイズのセルでないと、コピー&ペーストすることができないからです。

 また、「セルの結合」で不便に感じるもう1つの点として、ショートカットキーを使って、結合されたセルの含まれる列や行を選択しようとすると、思ったとおりに操作できないということがあります。

 実際にやってみましょう。まず試しに、結合されたセルがない表で、ショートカットキーを使って列を選択してみます。[Ctrl]+[Space]キーを押すと、選択しているセル(ここではセルB2)(④)を含む列全体を選択できます。

 実際に[Ctrl]+[Space]キーを押してみます。すると、B列全体(⑤)が選択されます。

 今度は、結合されたセルが含まれる表で、同じようにやってみます。この表の⑥の範囲のセルが結合されています。

 セルB3(⑦)が選択された状態で[Ctrl]+[Space]キーを押します。

 すると、B列だけではなくB~D列が選択されました(⑧)。ショートカットキーではB列だけを選択できません。B列だけでなくB~D列が選択されるのは不都合な場面もあるでしょう。

 このほかにも、使いづらくなってしまう点が多々あります。

選択範囲内で中央に揃える

 先に述べたような不便さを解消する方法として、「選択範囲内で中央に揃える」というやり方を試してみましょう。

 先ほどと同じ「売上表」の例を使って説明します。

 まず、文字列を中央に表示させたいセル範囲を選択します。ここでは、セル範囲B2:D2(①)を選択します。[ホーム]タブ(②)の[配置]にある矢印ボタン(③)をクリックします。

 [セルの書式設定]ダイアログボックスが表示されます。[配置]タブ(④)が表示されているのを確認し、[横位置]欄のドロップダウンリストから[選択範囲内で中央](⑤)を選択します。

 [OK](⑥)をクリックしてダイアログボックスを閉じます。

 選択したセル範囲(B2:D2)内で、文字列が中央に表示されましたね(⑦)。

 見かけ上は、セルを結合した時と何ら変わりませんよね。この方法なら、セルを結合せずに文字列を中央に表示できます。セルを結合しているわけではないので、さまざまな操作に影響を与えることはありません。

 ちなみに、選択範囲内で中央に表示された状態を解除したい時は、文字列の入力されたセル(ここではセルB2)(⑧)を選択して、[左揃え][中央揃え][右揃え](⑨)のいずれかのボタンをクリックすると解除できます。ここでは、[左揃え](⑩)をクリックします。

 文字列の表示が元に戻り、セルB2内で左揃えになりました(⑪)。

「セルの結合」より「選択範囲内で中央」を使おう

 今回は、入力した文字列を「選択範囲内で中央に揃える」方法について解説しました。見かけ上は、「セルの結合」と変わらないうえ、セルを結合した時に生じる不便は感じません。ぜひ一度、試してみてくださいね。

 この記事では、横方向に文字列を表示する場合について解説しましたが、この方法は、縦方向に応用することはできません。この場合は、セルの結合で対応する必要があります。

 用途に応じて、使いやすいほうを選んでみてくださいね。

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