いまさら聞けないExcelの使い方講座

【Excel】毎回行うお決まりの操作はボタン1つで瞬時に完了!エクセルのシートにボタンを作成して操作を自動化するテク

毎回決まって行う操作を自動化してボタンに登録する

 Excelを使った日常業務で、毎回必ず行っているお決まりの操作ってありますよね。例えば、文書に今日の日付を入力したり、フッターにページ番号を入力したりといった操作は、どんな文書に対しても行うことが多いのではないでしょうか。

 以前の記事で、このようなお決まりの操作をマクロに記録して、一連の操作を自動化する方法について解説しました。「マクロの記録」という機能を使えば、自分が実際に行った操作をExcelが記録してくれるので、簡単に自動化できるということがわかりましたね。

 ただし、マクロの数が増えてきてマクロを実行する機会も多くなってくると、いちいちリボンのメニューから操作するのが面倒になってくると思います。『この処理はどのマクロだったっけ?』などと目的のマクロを探すことも多くなるでしょう。

 また、Excelに不慣れな同僚に対して『マクロ作ったから実行しておいて』などと伝えても、マクロという言葉を聞いただけで尻込みしてしまう人も少なくないのではないでしょうか。

 そこで今回は、作成したマクロをボタンに登録し、ボタン1つで操作を自動化する方法を解説します。ボタンをクリックするだけでマクロを実行できるようになり、とても効率的です。またマクロに不慣れなユーザーに配布する際も、視覚的でわかりやすいので、使ってもらいやすいドキュメントになります。

[開発]タブを表示させる

 マクロの記録と実行は、[表示]タブから実行できましたが、マクロを登録するボタンを作成するには、[開発]タブのメニューを使う必要があります。[開発]タブは、既定では表示されていないので、表示する手順を説明します。

 まず、[ファイル]タブの[オプション]をクリックして[Excelのオプション]画面を表示させます。

 [リボンのユーザー設定](①)→[開発](②)をクリックしてチェックマークを付けます。

 [OK](③)をクリックして[Excelのオプション]画面を閉じます。

 シートに戻ると[開発]タブ(④)が表示されていますね。

作成したマクロをボタンに登録する

 例として、見積書や納品書などを作成する際に、シート右上のヘッダーのエリアに会社のロゴマークを入れているという業務の例を考えてみましょう。この操作(会社のロゴマークを挿入する操作)をマクロに記録する方法は、以前の記事で解説していますのでここでは省略します。今回は、シートにボタンを作成して、ボタン1つでこの操作を行えるようにしてみましょう。

 はじめに、ロゴマークの挿入を確認しやすくするために、ページレイアウトビュー(①)にしておきます。

 [開発]タブ(②)→[挿入](③)→[ボタン](④)をクリックします。

 マウスポインターの形が変わる(⑤)ので、ボタンを作成する範囲をドラッグ(⑥)します。

 ドラッグしてからマウスを離すと、[マクロの登録]ダイアログボックスが表示されます。[PERSONAL.XLSB!会社ロゴ入力](⑦)を選択して[OK](⑧)をクリックします(ここでは、「個人用マクロブック」にマクロが記録されているものとします)。

 ボタンが作成されましたね(⑨)。

 ボタンの名前を「ロゴ入力」(⑩)に書き直します。

 他のセルをクリックすると、ボタンの選択が解除されます(⑪)。これで設定は完了です。

 では早速実行してみましょう。マウスを[ロゴ入力]ボタン(⑫)の上に乗せると、マウスポインターの形が変わりますね。このままクリックしてみます。

 すると、自動的にヘッダーの右側のエリアに会社のロゴが挿入されました(⑬)。

ボタンを選択するには

 ボタンの名前を変更したい場合が出てくると思います。そのままボタンをクリックしてしまうと、マクロが実行されてしまうので、[Ctrl]キーを押しながらクリックします(①)。すると、ボタンが選択された状態になります(②)。

 新しい名前を入力できるようになるので、「ロゴの挿入」(③)に修正します。

 また、ボタンが選択された状態で、マウスポインターをボタンの上に乗せると形が変わり、そのままドラッグするとボタンを別の場所に移動したり(④)、ボタンの大きさを調整したりできます。

 ボタンを削除したい場合もあるかもしれません、その時は、ボタンが選択された状態で[Delete]キーを押します。

ボタンを印刷するには

 作成したボタンはこのままでは印刷されません(①)。

 このほうが都合がよいという場合もあるかもしれませんが、ボタンも印刷したい場合は、そのように設定を変更できます。

 ボタンを右クリックして表示されるメニューから[コントロールの書式設定](②)を選択します。

 [コントロールの書式設定]ダイアログボックスが表示されるので、[プロパティ]タブ(③)の[オブジェクトを印刷する](④)をクリックしてチェックマークを付けます。

 [OK](⑤)をクリックして、ダイアログボックスを閉じます。

 今度は印刷プレビューにも[ロゴ入力]ボタンが表示され(⑥)、印字もされるようになります。

毎回決まって行う操作を自動化してボタンに登録しよう

 今回は、毎回決まって行う操作をマクロに記録して、そのマクロをボタン1つで実行する方法を紹介しました。ボタンをクリックするだけで操作を完了できるので効率的です。また、マクロに不慣れなユーザーにも使いやすいという利点もあります。

 今回は、「個人用マクロブック」に記録されているマクロをボタンに登録する例を解説しました。ボタンに登録されたマクロを他人に配布する場合は、個人用マクロブックではなく作業中のブックにマクロを記録して、かつ「マクロ有効ブック(拡張子は「*.xlsm」)」として保存する必要があります(なお、今回扱ったのはローカルコンピューターに保存されているロゴ画像を挿入する例でした。ほかのパソコンで実行する場合には、画像の保存先をそのパソコンに併せて書き換える必要があります)。

 ボタン1つで面倒なルーチンワークが完了すると、気分もすっきりしますよ。ぜひトライしてみてくださいね。

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