杜のVR部

第72回

“キャンクラ”のクリエイターが作るVR釣りゲーム「Bait!」

Gear VRでのんびりと釣りを楽しめるカジュアルゲーム

 3月末、スマートフォンを装着して使用するモバイルVRヘッドマウントディスプレイGear VR向けにひとつの注目ゲームがリリースされた。その名は「Bait!」。VRの中でのんびりと釣りをするというゲームだ。銃などを撃ったりする激しいゲームと比べて、リラックスしながらゆったりとゲームを楽しめるようになっている。

「Bait!」プロモーションムービー

 開発を行ったResolution Games社のCEOはトミー・パルム氏。かつてKing社で世界的に人気となったスマホゲーム「キャンディークラッシュ」シリーズを初期から作ってきたクリエイターである。そんな彼がVRに魅了され、King社を退職して立ち上げたのがResolution Games。VRで誰もが楽しめるゲームを作りたいということで開発を続けている。「Bait!」は2作目だ。

 「Bait!」は無料でリリースされ、ゲーム中にはほんのわずかながら課金要素がある。公開5日で15万ダウンロードを記録している。

 プレイしていると感じられるのは、のんびりと遊べるということ。さっそくどのようなゲームなのか紹介していこう。

狙いを定めて竿を振るい、魚が食いついたら釣る、ただその繰り返し

 ゲームの内容は、とある島を訪れたプレイヤーが釣りをしながら、住民の依頼をクリアしていくというもの。ある種類の魚を何匹釣ったら依頼クリアというようにクエスト型のゲームになっている。用意されている釣り場は4種類で、クエストをクリアするにつれて徐々に開放されていく。また、店に並ぶ釣り竿や餌などもゲームを進めるにつれて購入できるようになるという仕組みだ。

マップで釣り場と店を行ったり来たりする。釣った魚の一覧を見ることも可能

 ストーリーのイントロで電話を聴いた後に、さっそく釣りが始まる。操作としては、頭を動かして餌を投げ込みたい地点を選び、Gear VR側面のタッチパッドをタップすると竿を振ることができる。

頭を動かし、魚が溜まっている所をめがけて竿を振る

 ウキが水面に浮かび始めてものの数秒もしないうちに魚の影が近付くのが見え、食いつくと魚との駆け引きが開始。竿を引くには、タッチパッドに指を当て続けるだけ。ただし魚が暴れすぎて、魚の上に表示されるバーが一番右に到達してしまうと失敗となり魚が逃げてしまうので、バーをよく見て、ときおり指を一瞬離して調整しよう。

魚が食いついたところ

 そして魚を釣り上げると、魚の種類と大きさが表示され、その内容に応じてお金をもらえる。このお金を貯めて店で釣具をアップグレードしていくことになる。

釣り上げた魚。コインが手に入る
店では釣具のアップグレードが可能

のんびりとした雰囲気と魚との駆け引きのメリハリ

 操作自体は非常に簡単なので、サクサクと魚を釣ってはクエストをクリアし、テンポ良くプレイしていける。そして、このゲームの最大の特徴は、釣り場に到着したときのなんとものどかな雰囲気だ。敵に襲われるわけでもなく、自然の中で深く深呼吸をしてから、釣り竿を投げる。そんな落ち着いた気持ちでプレイができるVRゲームはあまりない。

釣り場は非常にのんびりとした雰囲気だ。ついつい目を閉じて寝たくもなる
沼地の釣り場も
釣り場によって雰囲気がまったく違う

 かといってずっとのんびりしているかというとそうではない。一度魚が餌に食いつけば、竿を引くときの駆け引きはかなり激しい。ただ側面のタッチパッドを触っているだけなのに、実際に竿を引っ張る感覚になってくるところが不思議だ。

 のんびりした雰囲気と魚との駆け引き。そのテンポの良さを楽しめるゲームに仕上がっている。なお、餌に付けるオプションで課金アイテムが存在するが、特に課金に頼らずともプレイできる。

 忙しいゲームに疲れた時に、少しこの「Bait!」を起動して釣りを楽しむのもいいかもしれない。

ソフトウェア情報

「Bait!」
【メーカー】
Resolution Games
【対応ハードウェア】
Gear VR
【ソフト種別】
フリーソフト(ゲーム内課金あり)
【バージョン】
1.1.964

(もぐらゲームス:すんくぼ)