杜のVR部

第73回

Google製のVRお絵描きソフト「Tilt Brush」で遊んでみた!実況解説動画付き

空中がキャンバスに、リアルで動き回って奥行きのある絵を描ける

 PC向けのハイエンドなVRヘッドマウントディスプレイ、HTC ViveやOculus Riftが発売されて1カ月以上が経過した。VRコンテンツの面白さや、プレイしている様子をどう伝えるか、従来のスクリーンショットだけでは非常に伝わりづらく悩ましかったが、ついに準備が整った。VRヘッドマウントディスプレイを装着している人と、その人が見ている内容を同時に表示することで、少しでもどういう状況なのか伝わるようになったのではないかと思う。

 今後は、HTC Vive、Oculus Rift製品版のコンテンツ紹介を本格的に進めていきたい。その記念すべき最初のコンテンツとして紹介したいのは、VRが魅せる可能性のひとつをわかりやすく端的に教えてくれるHTC Vive向けアプリ「Tilt Brush」だ。

Google製のVR版「ペイント」

 この「Tilt Brush」はGoogleがHTC Vive向けにSteamで配信している有料アプリだ。2,980円と少しお高めだが、筆者からするとこの2,980円は非常に安く感じられる。それほどまでにこのアプリで可能な体験はこれまでとまったく異なる、VRならではの体験なのだ。なお、HTC Viveの予約購入者には同梱されてくるので、多くのユーザーは無料で楽しむことができる。

 「Tilt Brush」は一言で言ってしまうと、VR版「ペイント」。Windowsに必ず入ってくるあのソフトのようなシンプルなアプリになる。

 「Tilt Brush」では、HTC Viveの特性を活かし、両手にそれぞれ持ったコントローラーを手で動かし、実際に動き回りながら空間へ奥行きのある絵を描くことができる。右手のコントローラーはペン、そして左手のコントローラーはパレットになっている。右手を空間にかざし、人差し指が引っかかっているコントローラー裏のトリガーボタンを押すと、空間に線が現れる。そのまま右手を動かすことで絵を描くことができるというわけだ。

右手は筆。立体的に線を描くことができる

 そして左手に持ったコントローラーの親指が当たっているスライドパッドを動かすと、左手にパレットが現れる。パレットでは、20種類以上ある線の種類や色を自由に変えたり、消しゴムを選んだりといった操作を行うことができる。操作方法も難しいことは一切なく、まるで絵の具のパレットで色を選ぶように右手に持ったコントローラーで突っついてタッチするだけだ。

左手はパレット
さまざまなエフェクト付きの絵を描くことができる

マウスとキーボードよりも直感的に絵を描くことが可能に

 他にもまっすぐ線を描くための定規の機能や、マネキンや雪だるまなどコンセプトに沿った絵を描くことができるシーンチェンジなど、絵を描くのがさらに楽しくなる機能がしっかりと盛り込まれている。特に線種に関しては、星や炎、虹など、線と言うよりはもはやド派手なエフェクトに近いものも多く、ただ手を動かしているだけでも楽しい。

 そしてVRならではの極めつけの機能が、スクリーンショットを撮影できる機能だ。右手のコントローラーがカメラになり、自分の好きなアングルから描いた作品を記録することができる。極めて直感的でシンプルな動作だ。

スクリーンショットを撮る様子

 「Tilt Brush」は、ペイントと同じくシンプルでありながら、ペンタブを使って絵を描くような、かといって2次元ではなく空間に絵を描いてしまうという、まさに現実と等しい空間を創りだすVRならではの唯一無二な“お絵描き”を実現している。

 HTC Viveを持っている人はもちろんのこと、持っていない人にもぜひ体験してみてほしいアプリだ。

「Tilt Brush」実況解説動画
筆者が「Tilt Brush」をプレイする様子と視界を合わせて動画化した

ソフトウェア情報

「Tilt Brush」
【メーカー】
Google
【対応OS】
Windows 7/8.1/10
【対応ハードウェア】
HTC Vive
【ソフト種別】
シェアウェア 2,980円
【バージョン】
1.3(16/04/20)

評価PCスペック(参考)

マウスコンピューター G-Tune NEXTGEAR-NOTE i71000SA2
【CPU】
インテル Core i7-6700K プロセッサー(4コア/4.00GHz/TB時最大4.20GHz/8MBスマートキャッシュ/HT対応)
【メモリ】
16GB (8GB×2/デュアルチャネル)
【グラフィックボード】
GeForce GTX 980(8GB)
【fps】
90fps

(もぐらゲームス:すんくぼ)