週末ゲーム
第639回
“働かない”ことに全力を尽くす!ニートな経営SLG「好きで働くのがキライな訳じゃない」
働かずに儲ける仕組みを作る面白さに加え、現実の会計用語も登場
2016年6月10日 11:00
『週末ゲーム』では、インターネット上でたくさん公開されているゲームの中から、編集部がピックアップした作品を毎週紹介していく。今回は、いかにして“働かない”か知恵を絞る異色の経営シミュレーションゲーム「好きで働くのがキライな訳じゃない」を紹介しよう。
本作は、現実の企業経営における会計業務で使用される“財務諸表”が登場することも特徴となっているが、作中でも言われるように、これらの書類を読解する必要はない。そのため会計知識のないプレイヤーでも、リアルな経営の雰囲気を楽しみながら遊べる作品となっている。
実家を追い出された青年の“ニートな経営奮闘記”
本作の主人公は、鍛冶屋として働く父を持つ青年“ハイエク”。文官採用試験に失敗した彼は、実家でぐうたらと過ごしていた。そんなある日、ハイエクがあまりにも働かないことに業を煮やした父と喧嘩になり、家から出て商売をするように言われ、家から追い出されてしまう。
そしてふとしたきっかけにより、隣に住む魔法屋の使い魔で、ハイエクのニート仲間でもあるネコの“コタロウ”とともに武器を売る会社を経営することになる。父からハイエクに言い渡された会社経営の期間は3年間。果たしてハイエクとコタロウは、その間に商売を軌道に乗せることができるだろうか……?
本作の特徴的なゲームシステムは、ハイエクに設定されている“労働意欲”というパラメーターだ。ゲームスタート時には365日分(1年分)の労働意欲があるが、1日働くごとに1日分減っていく。つまり、ハイエクが真面目に働こうとすると、3年間のうち1年間しか働けないのだ。
このパラメータのため、自分が一切働かなくても、会社の従業員に働いてもらうことで上手く商売が回るような仕組みを作り上げることが、本作において最も重要な要素となってくる。自分が働かなくても仕事が回るようになってきたら、特定の期間をまったく仕事せず過ごす“休む”コマンドを使い、他人が働いている間を寝て過ごし、お金が入ってくるのを眺めていよう。
働かなくてもお金が稼げる組織を作り上げろ!
ハイエクたちの経営する会社の事業は、武器を仕入れ、販売すること。そのため基本的には、取引先から武器を購入し、ハイエクたちの店で売るという流れとなる。取引先の街はいくつか存在し、それぞれの場所で購入できる商品や値段が違う。その土地でよく作られる武器であれば値段が安く購入できるので、どこから何を仕入れて売るかを考えることが重要だ。
とはいえ、街から街への往復だけでも数十日の時間が必要なため、ハイエク自身が各地を歩き回り商品を仕入れると、あっという間に労働意欲を使い果たしてしまう。そこで、ハイエクの代わりに働いてくれる会社の従業員である“荷役”を雇うのだ。荷役は、ハイエクの代わりに各地を駆け回り、武器の購入などを行なってくれる。荷役ごとに街から街へ移動する速度や、一度に持てる商品の数が決められており、能力に応じて毎月給料を払うことになる。
このように、ゲーム攻略には欠かせない存在の荷役ではあるが、ゲーム序盤ではお金が少ないため、荷役を雇いすぎると給料の支払いですぐに会社が破産してしまうので気を付けよう。
ゲームを進めると、店を街中に複数開くことができるようになる。どんな武器に“需要”があるか、また“売価”はいくらになるかは出店する場所によって変わってくるため、店ごとの特徴を掴んで仕入れる武器を選ぶことが大事だ。
仕入れる商品は少なすぎても売る機会を逃してしまうが、逆に仕入れすぎても、店からあふれた分の商品の管理費用を払わなければいけない。こちらもゲームの序盤に注意すべきポイントのひとつだ。
また、武器を単純に仕入れて売るだけではなく、鉱物を加工したり、武器に魔法をかけたりすることで特殊武器にして売ることができる。こういった特殊武器は場所によっては高い需要が存在するので、お金が増えてきたら、通常の武器から特殊武器に商品を入れ替えることも必要だ。
鉱物の加工や、魔法の付与も荷役に任せることができる。ハイエクが行なえる作業はほとんど任せることができるので、適切な指示を出し、自分がまったく働かなくても良いように仕組みを作り上げよう。寝ているだけでお金を稼げるまで商売が回るようになったときは、感動の一言だ。
ソフトウェア情報
- 「好きで働くのがキライな訳じゃない」
- 【著作権者】
- マヤの小洒落た雑貨屋さん
- 【対応OS】
- Windows
- 【ソフト種別】
- フリーソフト
- 【バージョン】
- 1.05(16/05/18)