週末ゲーム

全方位型シューティングゲーム「シルフドラグーン ゼロ」

自機のカスタマイズや会話も楽しい充実の2Dシューティング

(10/05/14)

タイトル画面

 『週末ゲーム』では、インターネット上でたくさん公開されているゲームのなかから、選び抜いた良作を毎週紹介していく。今回は、マルチエンディングのシナリオも楽しい全方位型のシューティングゲーム「シルフドラグーン ゼロ」を紹介しよう。

主人公は人類を守る航宙戦闘機“ドラグーン”のパイロット

全方位から敵が出現する2Dシューティングゲーム全方位から敵が出現する2Dシューティングゲーム

真面目でちょっと天然ボケのオペレーター“ヘレン=マイヤー”との会話も楽しみの1つ真面目でちょっと天然ボケのオペレーター“ヘレン=マイヤー”との会話も楽しみの1つ

 「シルフドラグーン ゼロ」は、マウスとキーボードを駆使したFPS的な操作方法を採用し、全方位から迫り来る敵を撃ち落としていくステージクリア型の2Dシューティングゲーム。複数の機体や武器をステージごとに選べるなど、さまざまな戦略が立てられるのが特長だ。また、戦闘が中心となる殺伐とした世界観ながらテンポのいい会話で楽しませるストーリー、プレイ内容によって変化するエンディングもポイントで、何度もプレイしたくなる魅力を備えている。

 舞台は西暦2422年の未来。外星系から流れ着いた“MIDASナノマシン”により地球が灰色の機体に埋め尽くされる星へと変貌してから100年。人類は外星系に安寧の地を探し求めるニューフロンティア派と、MIDASからの地球奪還を目指すマザーアース派に分かれた。本作はマザーアース派の補給艦“アトランティス号”と共に作戦を行うパイロットの戦いの記録となっている。

 プレイヤーが操作するのは、対MIDAS戦に最適な性能を備えながら、適性が必要なため乗り手が極めて少ない航宙戦闘機“ドラグーン”。機体の種類は、移動速度は遅いが耐久力の高い初心者向けの“ギガント”、移動速度は速いが耐久力が低い中級者向けの“ラプター”、移動方法が特殊で上級者向けの“エストック”という3種類が用意されており、ゲーム開始時はギガントを利用可能。ステージを勧めることによって使用可能な機体が増えていき、ステージごとに好きな機体を選んで出撃できる。

機体や武器のカスタマイズが充実、自分だけの機体に仕上げよう

3種類の機体と複数の武器から好みの組み合わせで出撃できるのが醍醐味3種類の機体と複数の武器から好みの組み合わせで出撃できるのが醍醐味

ギガントは初心者向けの機体で移動は遅いが耐久力は非常に高いギガントは初心者向けの機体で移動は遅いが耐久力は非常に高い

 ステージ開始前のセットアップ画面で機体を強化したり、メイン・サブの武器を選択できるのも本作の楽しいところ。機体の強化や新しい武器の開発にはステージクリアで入手できるクレジットを消費する。

 強化可能な機体パラーメーターは、機体の耐久度を表すHP、敵弾からのダメージをカットする“シールド”の回復速度に関連する“エネルギー”、移動速度の3種類。HPをアップさせると移動速度が遅くなるなど性能強化によって別の性能がダウンする場合もあり、カスタマイズを模索する楽しみがある。

 またメインの武器は、威力は低めだが攻撃範囲が広くあらゆる敵に対応しやすい“拡散砲”や、威力が高く広範囲に攻撃できるがすばやく動く敵には当てにくい“熱核砲”など4種類があり、好みの戦闘スタイルが選べる。サブ武器は機体によって選べるものが変化するが、近接戦闘用の“エネルギークロー”、瞬間的に移動スピードを向上させる“ハイブースター”、HPを消費してメイン武器の威力を一時的に5倍にする“リミットブレーカー”などが用意されている。

 さらに、メイン武器の性能もクレジットを消費して強化できるなどカスタマイズ性は非常に高い。なお、機体やメイン武器の強化を取り消してクレジットに戻すこともできるので、ステージをこなしながらさまざまなカスタマイズを模索していこう。

 各ステージは最後まで到達できればクリアで、HPがゼロになるとミスとなる。コンティニューに制限はなく、セットアップ画面またはステージ途中のチェックポイントからやり直しが可能。またセーブ機能があるため、ゲームを終了してもセーブしたステージから再プレイが可能だ。

 基本的な操作方法は、[W][S][A][D]キーをカーソルキーに見立てて前後左右へ移動(カーソルキー自体も利用可能)、マウスで照準、マウスの左クリックでメイン武器の発射、右クリックでサブ武器の発射となっている。また、[E]キーまたはマウスホイールのクリックで、メイン武器の発射を自動で行うモードへの切り替えが可能だ。

 戦闘において重要となるのは、武器の特性を掴むことだ。すばやい敵にも当てやすい武器は攻撃力が低く、威力の高い武器は攻撃を当てにくいケースがほとんど。それに加え、強力な武器はシールドが一時的ではあるが大幅に減少するというリスクがある。敵弾を避ける技術を磨くまでは、あえてシールドが減る武器を使わないというのもアリだ。

 また、敵はかなり正確に主人公の機体を狙ってくるが、敵弾のスピードはそれほど速くはないので、発射後にちょっと機体を動かせば簡単に回避できる。敵の数が多い場合は少々難しくなるが、円を描くように動けば当たりにくいので、うまく機体をコントロールできるようになっておこう。

エストックは移動の基準がマウスカーソルとの相対位置になる特殊機体エストックは移動の基準がマウスカーソルとの相対位置になる特殊機体

 ちなみに、上級者向け機体のエストックは、上下左右の移動の基準が画面に対してではなくマウスカーソルに対する相対位置となる特殊な機体。そのため、たとえばマウスカーソルを画面の中心に置いて左右に移動した場合は円を描くように移動が可能と、操作に慣れれば戦術をグッと広げられるのが面白い。さらにハイブースターを標準で備え、[Shift]キーまたはスペースキーで発動できるというアドバンテージもある。

 このほか全機体に共通する要素として、シールドは満タンの状態ならば、敵弾の威力を97%もカットできるのも重要なポイント。つまり、単発ならば当たってもほとんどHPは減らない。連続して当たらなければすぐにHPがゼロになることはないので、大量の敵が出現しても焦らないことが大切だ。

分岐が発生するストーリーにも注目

ステージの途中では戦闘続行の有無を決める選択肢が登場することもステージの途中では戦闘続行の有無を決める選択肢が登場することも

 ステージをクリアするための戦略をいろいろと練られるのが本作の面白いところではあるが、一方でストーリー展開も大きな見所だ。主人公をサポートするオペレーターの女の子“ヘレン=マイヤー”や母艦アトランティス号の艦長“ハヤト=ムラサメ”との通信は、基本的にミッションの内容を伝えるものだが、ときに冗談を交えるなどテンポのよい会話が楽しめる。

 さらにステージの途中には、敵への攻撃を続けるのか、それとも帰還するかの選択肢も登場。このとき、自機のHPが少ないと強制的に帰還となってしまう。帰還してもステージクリアにはなるが、本作はプレイ内容によってエンディングが変化する。可能であればできるだけ戦いを続けるとよいだろう。

 1回クリアするまでのプレイ時間はスムーズにいけば2時間かからないが、エンディングが変化するほか、複数の機体や数々の武器によって何度でも遊べるゲームに仕上がっている。ステージクリア時に残りHPや敵の撃破数など複数の項目でランクがつけられるのも熱くさせる要素の1つで、すべての項目で最高のSランクを取りたいと思ってしまう人も多いはず。戦略性のあるシューティングゲームを求めているならば、ぜひプレイしてほしい1本だ。

後半のステージでは耐久力の高い大型の敵が主人公の行く手を阻む後半のステージでは耐久力の高い大型の敵が主人公の行く手を阻む

ステージクリア後には複数の項目でランク付けが行われる。S評価が最高だステージクリア後には複数の項目でランク付けが行われる。S評価が最高だ

【著作権者】
SmokingWOLF 氏
【対応OS】
Windows 2000/XP/Vista/7
【ソフト種別】
フリーソフト
【バージョン】
1.06(10/04/26)
【ファイルサイズ】
26.1MB

(芹澤 正芳)