【第422回】
同人シューティングゲーム「ALLTYNEX Second」「GIGANTIC ARMY」体験版
3Dグラフィックがド派手なゲームと男臭さ爆発の硬派なゲームの2本を紹介
(10/07/30)
インターネット上でたくさん公開されているゲームのなかから、選び抜いた良作を毎週紹介している『週末ゲーム』。今回はオリジナルの同人シューティングゲームから、国内最大規模の同人誌即売会“コミックマーケット”で今夏に発表される新作1本と、現在開発中の作品1本の体験版を紹介する。
遠距離攻撃と近距離攻撃の使い分けが楽しい「ALLTYNEX Second」
まず1本目は、遠距離攻撃用のショットと近距離攻撃用のブレードを使い分けて戦うシューティングゲーム「ALLTYNEX Second」を紹介しよう。完成版は、8月14日にコミックマーケットにて頒布予定となっているほか、同人ショップでの委託販売も行われる予定だ。サークルのサイトにて、2面までプレイできる体験版が公開されている。
西暦2192年、恒星系級汎用管理コンピューター“ALLTYNEX(アルティネクス)”が暴走事件を起こし、人類はわずか72時間で総人口の約85%を失った。それから40年後、西暦2232年の世界が本作の舞台。ALLTYNEXから逃れるため地球圏を離脱していた人類だが、劣悪な生活環境に適応できず、人口は減少の一途を辿っていた。そのため、人類は残存するすべての勢力をかけて、地球奪還作戦を決行する……というのがメインのストーリーだ。
ゲーム自体は見下ろし型の2D縦スクロールシューティングとなっているが、グラフィックは3Dで描かれており、ボスの出現時などにはカメラアングルが切り替わるなど、凝った演出が入るのが見どころ。自機や敵機の攻撃やエフェクトは非常に派手で、敵を撃ち倒していく爽快感があるのも大きな魅力だ。
操作はカーソルキーで移動、[Z]キーで遠距離攻撃用のショット、[X]キーで近距離攻撃用および弾消しが可能なブレード、[C]キーまたは[Z]+[X]キーで特殊攻撃となる。特殊攻撃はショット使用直後に発動すると敵機を自動的に追尾する“誘導レーザー”となり、ブレード使用直後では威力が高く敵弾も消す“バスターライフル”に変化するのが大きな特徴だ。ただし、特殊攻撃には画面左下に表示されるエネルギーゲージが必要となる。このゲージは時間の経過や、敵機を倒したり敵弾をブレードで切ると出現するエネルギーチップの回収で回復する。
また、敵や敵弾に触れても1回だけはミスにならず、もう一度攻撃を食らうとミスとなって残機が減る。残機がゼロの状態でミスをするとゲームオーバーだ。コンティニューは3回まで可能で、その場から再開が可能だ。
本ゲーム最大のポイントは、4つの武器の使い分けだ。ショットは威力こそ弱いが攻撃範囲が広いためザコ敵を倒すのに便利で、ブレードは攻撃範囲が自機の周りに限られるが、威力が非常に高いため耐久力の高い大型の敵に有効となる。ブレードはレーザー系以外の敵弾を消せるので、バリア代わりに使えるのもポイントだ。また、特殊攻撃の誘導レーザーは威力は弱いが画面中を攻撃できるので、ザコ敵を一掃したいときに便利。一方のバスターライフルは一点集中型の攻撃なので、大型の敵やボス戦のときに活躍する。
なお、自機はそれぞれの攻撃を出すと自機の形態も変化し、ショット攻撃ではファイター形態、ブレード攻撃ではアーマー形態となる。ファイター形態とアーマー形態では移動速度に違いがあるほか、敵を倒して出現するエネルギーチップはファイター形態時のみ自動回収される。ブレードばかりに頼っているとゲージの回復が遅れてしまうため、敵の撃破以外にも2つの形態をうまく使い分けることがクリアには重要だ。最初はどちらの武器が有効か瞬時に判断できず戸惑うこともあるが、慣れてくると銃と剣を同時に使っている気分になり、かなりの爽快感を得られる。そこが本ゲーム一番の醍醐味ではないだろうか。
難易度は低すぎず高すぎずのバランスで、2ステージの後半からゆるやかに難易度がアップしていくためプレイしやすいように感じた。3Dグラフィックを活かした演出やエフェクトは見た目にも面白く、シューティングゲームに慣れていないユーザーでも取っつきやすいだろう。派手な縦スクロールシューティングを求めているならピッタリとはまるハズだ。
- 【著作権者】
- じるるん 氏、SITER SKAIN
- 【対応OS】
- Windows 2000/XP/Vista/7
- 【ソフト種別】
- 体験版
- 【バージョン】
- 1.00(10/07/20)
- 【ファイルサイズ】
- 63.4MB
自分で武器の組み合わせを選べる「GIGANTIC ARMY」
2本目は、人型ロボットで戦場を駆け抜ける、男臭さ爆発のアクションシューティングゲーム「GIGANTIC ARMY」を紹介しよう。現在開発中で、完成版は今年の秋に頒布予定だ。サークルのサイトにて、2面までプレイできる体験版が公開されている。
21世紀初頭、ワープ航法の発達により地球人は外宇宙へ進出を始め、西暦2009年には異星人“ラムロン人”との間で戦争が勃発。プレイヤーは、ラムロン星系の制宙権を確保することに成功した地球防衛軍宇宙艦隊の兵士となり、頑強なラムロン地上軍が待ち受ける降下作戦に参加することとなる。
ゲーム内容は2Dサイドビューの横スクロールアクションシューティングとなっており、プレイヤーは有人戦闘ロボット“GMR-34 サラディン”を操作して敵を倒していく。荒廃した戦場を描いた背景グラフィックと重厚な動きをするロボットによって、硬派な雰囲気を醸し出しているのが大きな特徴。ザコ敵の数は多く、ステージの最後に登場するボスの攻撃は激しいなど、難易度はちょっと高めだ。
操作はカーソルキーの左右で移動、[Z]キーで通常攻撃、[X]キーでジャンプ、[C]キーで前方からの敵弾を防ぐシールドの構え、[V]キーで攻撃力の高い特殊攻撃となっている。また、カーソルキーの左右はすばやく2回押すとダッシュとなり、短距離ではあるが高速移動が可能だ。攻撃は基本的に射撃武器だが、敵との密着時は威力の高い近接戦闘用のパイルバンカーを繰り出す。さらに、カーソルキーの上下で通常攻撃と特殊攻撃を発射する角度、およびシールドを構える角度を調整可能。
本ゲーム最大の特徴と言えるのが、通常攻撃、特殊攻撃ともに、ゲーム開始時に装備する武器を選べること。通常攻撃の武器によって自機に搭載できる特殊攻撃の使用回数が変わるのもポイントだ。通常攻撃は、攻撃範囲は一方向だけで威力も低いが特殊攻撃を多く搭載できる“アサルトライフル”、幅広く攻撃でき、特殊攻撃もそこそこ搭載できるバランス型の“ライオットガン”、威力が高く着弾時の爆風で周りの敵も倒せるが特殊攻撃をほとんど搭載できない“グレネードガン”の3種類を用意。一方の特殊攻撃は、広範囲に攻撃できる“クラスターボム”、敵を自動的に追尾する“ミサイルポッド”、威力は高いが狙いを定めるのが難しい“ビームキャノン”の3種類がある。使う武器によって戦い方がかなり変わるため、2ステージのみの体験版でも繰り返し楽しめる。
プレイする上で重要となるのが、画面左下にある3つのゲージだ。上からゼロになるとゲームオーバーとなる“HP”、シールドの耐久度を示す“SHIELD”、ジャンプ時にゲージがゼロとなるまで上昇できる“VERNEIA”となっている。ジャンプは着地後に硬直が発生し、VERNEIAゲージが足りないと続けてジャンプできないこともある。そこで、すばやく出せるシールドの活用が非常に重要だ。SHIELDゲージがゼロになると使えなくなってしまうので、残りゲージを見ながら的確に使っていきたい。なお、VERNEIAゲージは時間の経過で自動的に回復する。
このほか、ステージには時間制限があり、残り時間がゼロになると自機のHPが減っていく。ザコ敵ばかりを相手にしていると残り時間が厳しくなることもあるので、ときにはザコ敵を無視して先に進むことも大切だ。このほか、ステージ内のアイテムボックスを破壊すると、攻撃力アップ、HPや残り時間の回復といった効果をもつアイテムを入手できる。
丁寧に描き込まれた2Dのグラフィックにより、ロボットの重厚感のある動きと戦場の雰囲気をうまく醸し出しているのが魅力。兵士の手記で展開するストーリーも興味深く、完成版で戦争がどのように終結していくのか楽しみだ。
- 【著作権者】
- ASTRO PORT
- 【対応OS】
- Windows 2000/XP
- 【ソフト種別】
- 体験版
- 【バージョン】
- -(10/07/28)
- 【ファイルサイズ】
- 32.4MB