週末ゲーム

同人ゲーム体験版特集 2011冬

“冬コミ”出展サークルの作品から体験版を6本紹介

(11/12/16)

 インターネット上で公開されているゲームのなかから、編集部がピックアップした作品を毎週紹介している『週末ゲーム』。今回は、12月29日から31日にかけて開催が予定されている国内最大規模の同人誌即売会“コミックマーケット(コミケ)”を目前に控え、“同人ゲーム”をテーマとした特集をお届けする。

 同人ゲームは、フリーゲームなどと同様に個人や趣味のサークルによって制作されているが、発表の場は全国各地で開催される即売会や、専門ショップでの委託販売が中心となっている。また最近では、ダウンロード販売される例も増えつつある。

 今回は、通称“冬コミ”と呼ばれる次回のコミケに出展するサークルの作品のなかから、Webで体験版が公開されている作品6本を紹介する。冬コミでの出展内容は、完成版やより新しい体験版などサークルによって異なる。また、価格や委託の有無などもサークルによって異なるので、詳細はサークルのWebサイトで確認してほしい。

アクションゲーム編

デバッカー少女たちの戦いを描く横スクロールアクション「エース・オブ・ワンド」

「エース・オブ・ワンド」「エース・オブ・ワンド」

ショットとジャンプを駆使して戦う横スクロールアクションゲームショットとジャンプを駆使して戦う横スクロールアクションゲーム

コマンド入力で近接攻撃も繰り出せるコマンド入力で近接攻撃も繰り出せる

 「エース・オブ・ワンド」は、ショットとジャンプを駆使して戦う横スクロール型2Dアクションゲーム。冬コミでは完成版が頒布予定で、体験版では1面をプレイできる、

 都市全体に散布されたナノマシンによって、通信インフラに加えて環境の制御まで行う巨大ネットワークM.A.N.A.(マナ)。プレイヤーはM.A.N.A.上のバグである“ミュートレス”を処理する“デバッガー”となり、敵を倒しながらステージを進んで最後に待ち構えるボスを倒すのがゲームの目的だ。

 主人公の少女“奈緒”はショートカットの活発そうな学生で、サポート役となる“あまび”はクールな印象の女の子。ステージ中に挿入される2人のやり取りはときにコミカルだが、アクションゲームとしては硬派な作りだ。アイテムとして取得できる補助プログラムによって多彩な攻撃を繰り出したり、操作の組み合わせでさまざまなアクションが可能となっている。

 キーボードでの操作はカーソルキーで移動、[Z]キーでショット、[X]キーでジャンプとなっている。ショットはカーソルキーとの同時押しで8方向に撃ち分け可能だ。また、カーソルキーの上と[X]キーでより高く飛べるハイジャンプとなり、下と[X]キーでスライディングとなる。このほか、前方→下→前方の順序でカーソルキーを入力して[Z]キーで近接攻撃を出すことができ、これはショットを弾くシールドを装備した敵などにも有効。

 なお、敵や敵弾に触れると“SHIELD”ゲージが減り、これがゼロになるかステージごとの制限時間を過ぎてしまうとゲームオーバーだ。

 本ゲームの楽しいところは、ステージ内に点在する補助プログラムによって一時的に攻撃が変化する点。補助プログラムは連射が可能となるラピッド、攻撃範囲が広がるワイド、敵を自動的に追尾してくれるホーミング、自分の周囲に敵を倒すフィールドを展開するプロテクションなど実にさまざま。補助プログラムを使用すると“M.A.N.A.”ゲージが消費される。M.A.N.A.ゲージは、時間経過または敵を倒すと出現する宝石を取ることで回復する仕組みだ。

 敵を撃破しながら進んでいくというオーソドックスなアクションゲームだが、多彩な攻撃やキャラクター同士のやり取りに加え、一定地域の敵を一気に殲滅する特殊攻撃“フォーマッター”の使用時などにアニメーションが挿入される演出も楽しい。大量の敵をショットで撃ち落としていくのはなかなか爽快で、描き込まれたドット絵によるグラフィックなども丁寧に作り込まれており、完成版が楽しみな作品だ。

補助プログラムによりさまざまな攻撃を使えるのが楽しい補助プログラムによりさまざまな攻撃を使えるのが楽しい

大技“フォーマッター”の使用時などにはアニメーションが挿入される大技“フォーマッター”の使用時などにはアニメーションが挿入される

【著作権者】
JUNO SOFT
【対応OS】
Windows XP以降(編集部にてWindows 7で動作確認)
【ソフト種別】
体験版
【バージョン】
1.01(11/12/15)

魔法少女が大活躍! パズル要素もあるアクションゲーム「不思議な月の夜のとばり」

「不思議な月の夜のとばり」「不思議な月の夜のとばり」

敵から魔法を引き出して使いこなすのが楽しい横スクロールアクションゲーム敵から魔法を引き出して使いこなすのが楽しい横スクロールアクションゲーム

特定の魔法を使わないと行けない場所があるなど、パズル的な要素も特定の魔法を使わないと行けない場所があるなど、パズル的な要素も

 「不思議な月の夜のとばり」は、魔法の杖を駆使して敵を倒し、ゴールを目指す横スクロール型2Dアクションゲーム。冬コミでは完成版を頒布予定で、同人ショップでの委託販売も予定されている。体験版では全6ワールド+エキストラワールドのうち、2ワールドをプレイ可能。1つのワールドは複数のステージで構成されている。

 主人公で学園の風紀委員長の少女“天羽とばり”は、空が突然夕方のようなあかね色に染まってしまった不思議な現象に親友の少女“鳴風陽菜”が関わっていることを知り、いなくなってしまった陽菜を追いかけて冒険に出ることに。

 とばりは“鍵の杖”を使って敵の魔法を引き出し、自分のものにしてしまうのが得意。コミカルに動くとばりのアクションは可愛く、敵もぬいぐるみのような愛嬌のあるキャラクターばかりと、ほんわかした雰囲気だ。とはいえゲームとしては本格派で、敵から引き出した魔法を使い分けたり、コインを集めてお店で魔法を購入できるほか、ステージには隠し要素や仕掛けが満載となっている。

 キーボードによる主な操作はカーソルキーで移動、[Z]キーで攻撃、[X]キーでジャンプ、[C]キーでゆっくりとした動きになる歩き移動となっている。また、特定の敵を攻撃すると魔法のメダルが飛び出し、これを取ることで魔法を装備可能。魔法は同時に2つまで装備して[B]キーで切り替えることができる。ほかの魔法を装備したい場合は、使わない魔法を[V]キーでリリースすればよい。

 本ゲームの楽しさは、豊富な魔法とアクションにある。敵から入手できる魔法は、炎を飛ばすファイヤー、空から雷を落とすサンダー、剣を振り回すソードなど実にさまざま。サンダーは強力だが天井がある場所では使いにくいなどとそれぞれ特性があり、シーンによって使い分けが重要となる。また、小さくなって狭い場所にも入り込める“ミニマム”など移動を補助する魔法も用意され、特定の魔法を使わないと進めない場所などパズル的な要素もある。

 敵に触れると画面左上のハートが減り、これがゼロになる、または落とし穴に落ちるとミス。残機がゼロのときにミスをするとゲームオーバーだ。とはいえコンティニューが可能なので、ミスを恐れず進んでいこう。このほか、なぜ陽菜は消えてしまったのか、学園のほかの生徒はどう関わっているのかなどストーリーも気になるところ。体験版が気に入ったら、完成版もぜひチェックしてほしい。

魔法はステージ内のショップで購入も可能魔法はステージ内のショップで購入も可能

学園の生徒たちとの会話シーンで、少しずつ謎が明らかになっていく学園の生徒たちとの会話シーンで、少しずつ謎が明らかになっていく

【著作権者】
ですのや☆
【対応OS】
Windows 2000/XP/Vista/7
【ソフト種別】
体験版
【バージョン】
-(11/12/06)

シューティングゲーム編

コマンド入力で敵を撃破するシューティング「∀kashicverse -Malicious Wake-」

「∀kashicverse -Malicious Wake-」「∀kashicverse -Malicious Wake-」

コマンド入力で多彩な攻撃を放てるシューティングゲームコマンド入力で多彩な攻撃を放てるシューティングゲーム

ウイングで敵弾を受けるとメソッドゲージが大きく回復ウイングで敵弾を受けるとメソッドゲージが大きく回復

 「∀kashicverse -Malicious Wake-」は、格闘ゲームのようなコマンド入力で多彩な攻撃を繰り出せるのが面白い縦スクロール型2Dシューティングゲーム。現在公開されている体験版ではステージ2まで遊ぶことが可能で、冬コミでは新しい体験版が頒布予定となっている。

 本作は、SFとファンタジーの両方を感じさせる独特のグラフィックや、自機、敵機とも派手な攻撃エフェクトでプレイヤーを惹きつける。また、コマンド入力でさまざまな“メソッド”(技)を発動できるのが最大の特徴だ。

 操作が複雑なためゲームパッドの使用が推奨だが、キーボードでも操作可能。キーボードの場合はカーソルキーで移動、[Z]キーでショット、[X]キーで一定量の敵弾を防ぐシールドのオン・オフ、左[Shift]キーで自機の低速化とショットの前方収束、[C]キーで自機の超低速化と自機周辺へ“抗体領域”の展開となっている。ポイントはこの抗体領域で、領域に触れた敵弾は動きが遅くなるほか、展開中に特定のコマンドを入力して[Z]キーを押すことでさまざまなメソッドを繰り出せる。

 たとえば、前方に2回カーソルキーを入れて[Z]キーを押せば高威力の斬撃を前方に行う“ドレッドシザース”が発動、右→下→右下(またはその逆)で[Z]キーなら自機前方に囮を発生させ敵弾を引きつける“アトラクタントアザー”が発動といった具合だ。ただし、メソッドを使うには自機の周囲や画面左上に表示される“メソッドゲージ”が必要。初期状態では8ゲージあり、威力の高いメソッドほど消費するゲージ数が増える仕組み。

 メソッドゲージの回復方法は、自機の左右に展開しているウイングで敵弾を受ける、シールドにダメージを受ける、敵機にショットを当てるという3種類が用意されている。この回復方法がプレイスタイルを大きく変化させるポイントだ。メソッドゲージの回復量はウイングによるものが一番多いが、敵弾を防げるシールドの展開中はウイングが格納されて敵弾を受けるのが困難になる。その一方で、シールドをオフにするとウイングが大きく広がりゲージを回復しやすい。メソッドを積極的に使える反面、シールドがないので1回のミスで即ゲームオーバーとなってしまう。ただし、コンティニューに制限はないので、慣れるまでは自分なりのプレイスタイルを模索するのもいいだろう。

 敵弾を避けながらショットを撃ち、抗体領域を展開して、さらに状況に合わせてコマンドを入力……と一瞬で多くの判断が求められ、ボタンも数多く使うため最初は戸惑うことも多い。とはいえ、かなり詳しく解説してくれる実践型のチュートリアルが用意されている上、メソッドはどれも派手なので発動させる楽しさがある。慣れてくると効率よく敵機を倒す方法も見えてくるので、ミスをしながらでもじっくりとプレイするのがいいだろう。完成版は全5ステージ予定とされており、今後の開発が楽しみだ。

ステージの最後には巨大なボスが待ち構えているステージの最後には巨大なボスが待ち構えている

少々複雑なシステムだが親切なチュートリアルがあるので安心だ少々複雑なシステムだが親切なチュートリアルがあるので安心だ

【著作権者】
エンドレスシラフ
【対応OS】
Windows XP/Vista/7
【ソフト種別】
体験版
【バージョン】
web体験版ver.02(11/11/14)

武器の組み合わせを考えるのが楽しいシューティング「電工STG2」

「電工STG2」「電工STG2」

多くの武装を自由に組み合わせられるのが楽しいシューティングゲーム多くの武装を自由に組み合わせられるのが楽しいシューティングゲーム

CAPを支払うことで、約30種類もの武装を購入できるCAPを支払うことで、約30種類もの武装を購入できる

 「電工STG2」は、さまざまな武器を組み合わせて自機をカスタマイズするのが楽しいシューティングゲーム。現在公開されている体験版では、2面までをプレイすることができる。なお、Radeonシリーズのビデオカードには現状非対応とのこと。

 ゲームの進行は2D縦スクロール型ながら、自機や敵機、背景などは3Dグラフィックで描かれており、上空からビル群の中へ降りていくなど、3Dならではの演出も盛り込まれている。

 主な操作はカーソルキーで移動、[Z]キーでメイン武装による攻撃、[X]キーでメイン武装の切り替え、[C]キーで特殊武装、[Shift]キーでダッシュとなっている。メイン武装は遠距離向けの“GUN”タイプと近距離向けの“ARM”タイプを切り替える仕組み。ARMを選択中は、カーソルキーの左右どちらかを押しながらすばやく2回[Shift]キーを押すことで回転攻撃も繰り出せる。また、特殊武装は使用すると画面右上の特殊武装ゲージが減っていく。ゲージは敵機を破壊すると出現するチップを取ると回復する仕組みだ。

 本ゲーム最大の特徴と言えるのが、GUN、ARM、特殊武装をステージの開始前に選べること。お金にあたる“CAP”を消費してさまざまな武装を購入し、自由に選択可能だ。CAPは敵機破壊時のチップ取得で増やすことができる。

 武装は、GUNなら単発でしか発射できないが貫通力に優れる“貫通光弾”、ARMなら一定時間キーを押し続けてパワーを溜めることで高い威力を発揮する“螺子式射突ブレード”、特殊武装なら機体性能を向上させる“強化1”など、多彩な特性をもったものが30種類近く用意されている。初期状態でCAPは10,000ポイントあるので、いくつかの武装を購入可能。連射を重視するか威力を重視するかなど、あれこれ試してみるのもいいだろう。

 敵機や敵弾に触れると自機の耐久力が減っていき、ゼロになるとミスで残機が1つ減る。残機が1のときにミスをすると撤退となり、今度はクレジットが1つ減って武装選択からやり直しとなる。ここで面白いのが、敵機を倒して溜めたCAPは撤退しても残ること。クレジットが残っている限り、ステージをクリアできなくても溜めたCAPで強力な武装を購入し、再チャレンジが可能だ。それぞれの武装の使い心地を知るためにも繰り返しプレイしたくなる。

 また、ステージの特定箇所まで残機を1機も減らさずに進むと強力な敵機が乱入し、それを倒すと敵機が持っていた武装を入手できるなど、やり込み要素も用意されている。体験版は2面までだが、サークルの公式ブログによると開発は4面まで進んでいるとのこと。今後の展開にも期待したい。

ダッシュとARMの組み合わせで強力な回転攻撃を繰り出すことが可能ダッシュとARMの組み合わせで強力な回転攻撃を繰り出すことが可能

残機を1機も減らさずに進むと強力な敵機が強襲。倒すと敵機の武装を獲得できる残機を1機も減らさずに進むと強力な敵機が強襲。倒すと敵機の武装を獲得できる

【著作権者】
成蹊電工研
【対応OS】
(編集部にてWindows 7で動作確認)
【ソフト種別】
体験版
【バージョン】
-(11/12/15)

ノベルゲーム編

ユーモアミステリー「未来探偵ソラとピヨちゃん エピソード・ホーンテッド」

「未来探偵ソラとピヨちゃん エピソード・ホーンテッド」「未来探偵ソラとピヨちゃん エピソード・ホーンテッド」

アイス屋のPRのため1日店長に呼ばれたバイト探偵のソラ。しかし呼ばれた理由はそれだけではないようで……アイス屋のPRのため1日店長に呼ばれたバイト探偵のソラ。しかし呼ばれた理由はそれだけではないようで……

立体映像の広告が立ち並ぶ未来の新宿立体映像の広告が立ち並ぶ未来の新宿

 「未来探偵ソラとピヨちゃん エピソード・ホーンテッド」は、未来の東京を舞台にしたユーモアミステリー。冬コミでは完成版を頒布予定で、体験版では収録予定のいくつかのエピソードのうち『ふたごのアイス事件』の問題編を読むことができる。作者によるとこの問題編で謎を解くための手がかりはすべて出揃っているとのことで、サークルのWebサイトでは期間限定で、プレイヤーからの推理を受け付ける推理大会も開催されている。

 家電製品がネットワークに接続され、社会インフラがネットへ依存するようになった時代。とある事情で田舎から上京してきた少女“ウグイスザワ・ソラ”は、心をもつケータイのAIでひよこの姿をしている“ピヨちゃん”と出会ったことから、ピヨちゃんが代表ケータイをつとめる探偵事務所のバイトとして働くことに。『ふたごのアイス事件』では、アイス屋での1日店長という探偵らしからぬ依頼が、スパイ疑惑の捜査へ発展していく。

 ストーリーはテンポよく展開し、キャラクター同士の掛け合いも軽妙で楽しい。とくに屁理屈やハッタリで他人を煙に巻くピヨちゃんはAIでありながら人間より人間くさく、なかなか憎めないキャラクターだ。

 キャラクターのイラストはディテールを省いたタッチで、シンプルながら可愛らしく描かれている。一方で街の風景といった背景はデザインフォントを多用したスタイリッシュなもので、テクノ調のBGMと相まって独特の未来感を演出している。

 なお、本作はシリーズ2作目で、今年の夏に1作目がリリースされているが、各エピソードは基本的に独立しており本作から読んでも楽しめる。とはいえメインキャラクターは共通しているので、体験版が気に入ったら前作も要チェックだ。前作は委託販売やダウンロード販売も行われている。

【著作権者】
フワフワソ
【対応OS】
(編集部にてWindows 7で動作確認)
【ソフト種別】
体験版
【バージョン】
1.0(11/12/11)

RPGのような世界になった未来の日本が舞台のオムニバスノベル「PNOS」

「PNOS」「PNOS」

新宿のバー“ギルド”は冒険者達の拠点となる店。さまざまな登場人物達がここで交差する新宿のバー“ギルド”は冒険者達の拠点となる店。さまざまな登場人物達がここで交差する

“迷宮”では常に生死と隣り合わせの戦いが繰り広げられる“迷宮”では常に生死と隣り合わせの戦いが繰り広げられる

 「PNOS」は、語り手の異なる複数のエピソードの連なりにより、夜な夜な街の一部が“迷宮”と化すようになった東京で戦う冒険者達の姿を描いていくオムニバスノベルゲーム。冬コミでは12のエピソードからなる完成版がリリースされる予定で、体験版ではそのうち3つのエピソードを読むことができる。

 物語の舞台となるのは、“滅びの風”と呼ばれる災厄により、人口のほとんどを失ってしまった100年後の世界。災厄を乗り越えた日本も、その影響により鬼や竜といった、伝奇やファンタジー上の存在が現実となっていた。そして東京では、特殊な能力をもつ者や腕自慢達が冒険者となり、金のため、あるいは信念のため、迷宮に挑んでいった……。

 本作の見どころは、幻想的ながら作り込まれた設定によってリアリティを与えられた世界観と、多くの魅力的なキャラクター達だ。新宿のバー“ギルド”に集まる冒険者達を中心に、性格も戦闘スタイルもクセのある登場人物たちの戦いや交流が描かれる。また戦闘シーンでは、目まぐるしく変化する戦況やパーティメンバーの連携が描写され、さながらRPGのボス戦が現実になったかのような臨場感と迫力のあるアクションを堪能できる。

 さらに、あるエピソードでは別のエピソードと同じ場面が別の視点で描かれたり、ある登場人物の背景が別のエピソードで語られるなど、読み進めるうちにキャラクターへの理解が深まっていくのも醍醐味。また、なぜ世界は滅びたのか?“迷宮”とは一体何なのか?など世界の謎に対する疑問が提示され、少しずつ謎が明かされていくのも楽しみのひとつだ。

 画面は全体にテキストが表示されるノベルタイプで、キャラクターの立ち絵などはなく背景は写真を加工したもの。キレのよい文章や死と隣り合わせの世界観とも相まって、全体的にハードボイルドな雰囲気を醸し出している。一方で各エピソードのタイトル画面では登場キャラクターを描いたイラストが表示され、読者の想像を手助けしてくれる。

体験版には3つのエピソードを収録体験版には3つのエピソードを収録

言の葉使いの能力で木刀に力を篭めて戦う“鋼一郎”と、鬼の力をもつ“デルタ”言の葉使いの能力で木刀に力を篭めて戦う“鋼一郎”と、鬼の力をもつ“デルタ”

【著作権者】
雲上回廊
【対応OS】
Windows 98/Me/2000/XP/Vista/7
【ソフト種別】
体験版
【バージョン】
1.00

(アクション・シューティングゲーム編 芹澤 正芳、ノベルゲーム編 中村 友次郎)