週末ゲーム

第四回“WOLF RPGエディター コンテスト”お勧め作品ピックアップ

窓の杜編集長が趣味で選んだ8作品を紹介

(12/09/14)

第四回“WOLF RPGエディター コンテスト”結果発表ページ第四回“WOLF RPGエディター コンテスト”結果発表ページ

 フリーのRPG制作ソフト「WOLF RPGエディター」で制作したゲームのコンテスト“WOLF RPGエディターコンテスト(ウディコン)”。第四回となる今年は規約変更により完成品のみ応募可能となったにも関わらず前回を上回る70作品以上が集まり、一般投票の参加者も361人から851人へ大幅増加と、大盛況のもと幕を閉じた。

 コンテストの参加作品は、現在でもダウンロード可能。総合グランプリのほか、斬新さや物語性といった部門別のランキングも掲載されている。さらに、すべての作品にプレイヤーから寄せられたコメントが掲載されているので、コンテスト期間中にはプレイする暇がなかった、という人もこれらを参考に、自分好みの作品を探してみてはいかがだろうか。

 かく言う筆者は、個人的に本コンテストを楽しみにしていたこともあり、1プレイヤーとして全作品をプレイし、一般投票を行った。その経験をもとに今回の『週末ゲーム』では、コンテストの順位とは関係なく筆者が趣味でピックアップした8作品をご紹介する。あくまで1プレイヤーの主観によるピックアップだが、作品選びのひとつの参考になれば幸いだ。

RPG

SFマインドにあふれたRPG「CAPTCHA」

「CAPTCHA」

「CAPTCHA」「CAPTCHA」

 荒廃した星を舞台にしたSF RPG。犯罪組織“シンカー”を率いる男“リックス・フリント”を倒す使命を帯びた主人公の宇宙船が、リックスが潜伏しているという星に不時着するところから物語は始まる。約2時間ほどの短編で、ワールドマップはコンパクトにまとまっており、サクサク進めることができる。

 本作の一番の魅力は、ゲーム全編にわたって感じられるサイバーパンクらしさだ。英語と中国語のネオンサインが入り交じった街の風景や、うち捨てられたバイオ研究所などが描かれ、退廃した未来世界の雰囲気を醸し出している。また、物語を進めるにつれて、人とロボットのあり方が大きなテーマとなっていくのもSF的な見所だ。

 戦闘は「WOLF RPGエディター」標準のコマンド戦闘だが、銃と剣による特性の違いや、装備によって変化するスキルなどの要素があり、スピード感がありつつ適度な戦略性を楽しめる。そのほか、不時着時に故障した宇宙船の修理といったイベントもあり、短いプレイ時間のなかで、SFらしさを存分に感じることができる良作だ。

サイバーパンクものらしい雰囲気が漂う街の風景サイバーパンクものらしい雰囲気が漂う街の風景

荒野にうち捨てられた少女のロボットは何を意味するのか……荒野にうち捨てられた少女のロボットは何を意味するのか……

【著作権者】
岡田 透 氏
【対応OS】
(編集部にてWindows 7で動作確認)
【ソフト種別】
フリーソフト
【バージョン】
1.0.2

カードバトルRPG「ファミリア」

「ファミリア」

「ファミリア」「ファミリア」

 戦闘が独自のカードバトルとなっている短編RPG。物語は、勇者が魔王を倒し、凱旋するところから始まる。最初は国を挙げての歓待を受けた勇者だが、数日もすれば“過去の人”扱い。ふて腐れていた勇者は、悪漢に襲われていた隣村の村娘を助け、隣村まで送り届けることになる。ラーメン屋に転職した魔王とその娘も成り行きで仲間に加わり、ちょっとした冒険が賑やかに進行していく。

 カードバトルといっても、いわゆるTCGのような複雑なルールがあるのではなく、RPGの攻撃、防御、回復というコマンドがカード化されており、これをキャラクターごとに“装備”することで戦闘中に各キャラクターのコマンドとして使えるようになる仕組み。操作もシンプルで気軽にプレイできる。カードは倒した敵から奪ったり、ダンジョンで拾ったり、お店で買うことで増やしてゆき、組み合わせによる戦略を生み出していく。

 戦闘では、敵、味方ともにターンの開始時に、最大8枚まで装備したカードから3枚がランダムに配られ、ここから1枚を選んでコマンドを決定。このとき、カードに書かれた数字が各アクションの威力となる。また次のターンでは、装備しているすべてのカードから再度3枚のカードが配られる仕組み。

 ポイントは攻撃カードの“属性”と、カードの“重ね”だ。攻撃カードには地水火風の4属性があるほか、敵・味方のキャラクターにも属性があり、キャラクターの弱点をつく属性で攻撃をすると大ダメージ。また、複数のキャラクターが同じ敵を攻撃ターゲットにするとカードの“重ね”となり、重ねた枚数に応じて数字にボーナスがつく上、最後に重ねたカードの属性で攻撃ができる。逆に相性が悪いと与えられるダメージが減るので、敵の属性に応じてどうカードを重ねるかが考えどころ。

 また、4人のキャラクターはそれぞれ装備可能なカードの種類・属性が異なるほか、勇者なら火の攻撃、村娘なら回復など、数字が非常に高い“固有カード”を1枚だけ装備できる。敵も属性や重ねを駆使して戦ってくるため防御や回復もバランスよく行う必要があり、キャラクターごとの役割分担が重要だ。

 本編はクリアまで1時間程度だが、より強い敵が登場するダンジョンもあり、歯ごたえのある戦闘を存分に堪能できる。ストーリーも一発ネタ系かと思いきや、意外にもしっかりとした芯があり、一見情けない勇者が熱くも優しいヒーローっぷりを見せてくれるのも好印象。クリア後にはちょっと心が暖まる一作だ。

【著作権者】
しちやん 氏
【対応OS】
(編集部にてWindows 7で動作確認)
【ソフト種別】
フリーソフト
【バージョン】
-

近未来ロボットRPG「アーマードエンフォーサーズ」

「アーマードエンフォーサーズ」

「アーマードエンフォーサーズ」「アーマードエンフォーサーズ」

 近未来、“ウォーカー”と呼ばれる歩行式有人機械が普及した日本が舞台のロボットRPG。“猛虎特警隊”の二つ名で知られる警視庁ウォーカー犯罪対策部隊のウォーカー乗り達が、犯罪者を相手に戦いを繰り広げていく。プレイ時間は2時間程度。

 本作の一番の特徴は、豊富な武装やパーツによる機体のカスタマイズだ。ウォーカーは手持ちと肩装備の2タイプの武器や、補助コンピューターなどのオプション装備、表面装甲を変更可能。武器には無人機に強い電磁属性、ウォーカーに強いロケット属性などの属性があるほか、熱暴走や腕部・脚部破損といったメカならではの状態異常を起こせる武器もあり、さまざまな組み合わせを楽しめる。

 ゲームはアニメのように話数単位で進行し、1話は事件発生→ブリーフィング→現場突入→ボス戦闘までが数分程度とテンポ良く展開。武装やパーツは購入価格と同じ価格で売れるので、戦う相手に応じて有効な機体にセットアップするのが勝利の鍵だ。そのほか機体改造による基本性能の底上げも可能で、お金が足りない場合は“バトルアリーナ”で賞金稼ぎをすることもできる。

 凶悪で無鉄砲な犯罪者達と、その犯罪者からも恐れられる猛虎特警隊の戦いでは流血シーンも避けられない上、癖のある登場人物達によるB級アクション映画のようなハチャメチャな会話は、人によっては不謹慎に感じることもあるかもしれない。とはいえ1話のノリに付いていくことができるなら、最後まで楽しめること請け合いだ。

さまざまな特性をもつ武装で機体をカスタマイズさまざまな特性をもつ武装で機体をカスタマイズ

シナリオは結構はっちゃけ気味シナリオは結構はっちゃけ気味

【著作権者】
雪見大介 氏
【対応OS】
(編集部にてWindows 7で動作確認)
【ソフト種別】
フリーソフト
【バージョン】
1.3(12/09/02)

 なおRPGに関しては、今回紹介した作品以外に筆者が大ハマリして数十時間プレイした作品があるのだが(ヒント:小生)、こちらは最終バージョンアップが予定されているため、最終版のリリース後、2周目をプレイしてから『週末ゲーム』で紹介する予定だ。

アクション・シューティングゲーム

とにかくすごい勢いを感じるシューティングゲーム「Darkness_Wyvern」

「Darkness_Wyvern」「Darkness_Wyvern」

負けた自分は用済みだと言う敵にキザな台詞をかける、主人公のノーム負けた自分は用済みだと言う敵にキザな台詞をかける、主人公のノーム

 ボス戦オンリーのステージクリア型シューティングゲーム。敵・味方ともにライフ制で、ボスのライフを0にすればステージクリアだ。

 2120年の地球。宇宙からの侵略者“スペーエイン”に支配され始めた人類は、これに立ち向かうも敗北。スペースエインは全国(原文ママ)へと勢力を広めていった。そこで人類は、ずば抜けた才能をもつ戦士“ノーム”に最後の希望を託した……。

 敵は宇宙からの侵略者という設定だが、姿は普通の人間と同じで、パワードスーツを着た戦士のほかは魔法使い、剣士、忍者などとなぜかファンタジー風。生身に武器ひとつで宇宙に出るノームともども、独特の世界観を作り上げている。これらの設定は敵の攻撃にも活かされており、当たると即死の岩が突然現れる魔法攻撃や、当たると食い込むように留まり連続ダメージを受ける投剣など、ボスごとにさまざまな趣向が凝らされている。

 戦闘前後の会話シーンは、敵も味方も威勢がよいもののどこか力の抜ける、独特の台詞回しが新感覚。『また無謀物が来たよ…』『!!空生気を破壊された!』など、わかるようなわからないような台詞の数々が癖になる。さらに、終盤では敵の大ボスによって、主人公の出生にまつわる重大な秘密が突然明かされるなどの超展開も。短い会話シーンのなかでもやたらとキャラが立っている。そのほか、ストーリーが進行すると追加の武器が3つ登場し、そのうち1つを選んで利用できるが、このとき選んだ武器によってプレイスタイルががらっと変わるのも面白い。

 台詞は誤字が多く、ステージ2の開始時にはBGMの読み込みエラーが発生するなど(BGMは再生されないがゲームの進行に支障はない)荒削りな部分もあるが、そんなところも含めて謎の勢いを感じる作品だ。

勝手に剣で挑んできて、負けると逆ギレ勝手に剣で挑んできて、負けると逆ギレ

『忍者は銃なんて使わない』。疑問を挟む余地のない謎の説得力『忍者は銃なんて使わない』。疑問を挟む余地のない謎の説得力

【著作権者】
漆黒の竜
【対応OS】
(編集部にてWindows 7で動作確認)
【ソフト種別】
フリーソフト
【バージョン】
-

見た目によらず歯ごたえのあるモグラ叩きゲーム「夕一もどきたたき」

「夕一もどきたたき」「夕一もどきたたき」

 「WOLF RPGエディター」のサンプルゲームに登場するニワトリのキャラクター“夕一(ゆういち)”に似た(色違いの)キャラクターを叩くモグラ叩きゲーム。一見よくあるゲームだが、本作ではマウスなどを使って“夕一もどき”を叩くのではなく、9つの穴が、キーボード[Q]~[E]、[A]~[D]、[Z]~[C]の3列に対応しているのが特徴。“夕一もどき”が顔を出した穴に対応するキーを押すことで、叩くことができる。

 一匹でも“夕一もどき”を逃すとミスとなってしまうが、ゲームを進めて“LEVEL”が上がると、同時にほとんどの穴から“夕一もどき”が出てくるなど、明らかにキーボードの同時押しを前提とした難易度となり、なかなかスリリング。しかも、もどきではない“夕一”(トサカが赤い)や、それ以外のキャラクターを叩いてしまってもミスになるため結構シビアだ。

 一方、ドット絵によるグラフィックは可愛らしく、「WOLF RPGエディター」のマスコットキャラクター“ウルファール”がレアキャラとして登場することも。SEも小気味よく、ちょっとした息抜きにぴったりだが、プレイするとついつい熱くなってしまう一作だ。

【著作権者】
kinokaze 氏
【対応OS】
(編集部にてWindows 7で動作確認)
【ソフト種別】
フリーソフト
【バージョン】
1.00b

パズル・ミニゲーム

新米勇者を導き、魔王を倒せ!「クリッククエスト」

「クリッククエスト」「クリッククエスト」

 新米勇者を画面の左上から右下の魔王城まで導いて魔王を倒す、固定画面・マップ見下ろし型のパズルゲーム。

 画面上のどこかをクリックするたびに、勇者は一歩ずつ移動する。このとき、勇者はモンスターや森といった障害をなるべく避けるように移動する仕組みのため、これらの障害をあらかじめ取り除いたり、ときには障害を作り出したりして、勇者の移動方向を制御するのがプレイヤーの役目だ。

 たとえば、モンスターはクリックして弱体化させたり、倒すことができる。また、森はクリックすると消して平地にできるほか、逆に平地をクリックして森を出現させることも。こういった作業にはお金(GOLD)がかかり、GOLDが0になるとゲームオーバーになってしまう。また、勇者はモンスターとぶつかるとHPが減り、HPが0になってもゲームオーバーだ。

 このため、なるべくGOLDを温存しつつ、勇者のために安全なルートを作るのがポイント。またマップ上には、勇者のレベルが上がってモンスターにやられにくくなる宝箱や、何らかのイベントが起こる洞窟、GOLDを消費するがHPが回復する街なども配置されている。1プレイは5分程度と気軽に遊べるゲームだが、ちょっとしたRPGをプレイしている気分になれるのも楽しいところだ。

 難易度は3段階、ステージはランダム自動生成でほぼ無限にプレイできる。そのほか、ステージエディット機能も搭載しており、標準では作者の用意した歯ごたえのあるステージが登録されているので、こちらにチャレンジするのも面白い。

【著作権者】
ばりあん 氏
【対応OS】
Windows 2000/XP/Vista/7
【ソフト種別】
フリーソフト
【バージョン】
1.04(12/08/04)

布団を重ねて月まで。「マイグラフトン」

「マイグラフトン」「マイグラフトン」

 布団を塔のように積み重ねて月へと登っていくという、メルヘンチックな雰囲気のミニゲーム。夢をモチーフにしたほのかに切ないストーリーや、水彩で描かれたような背景、シンプルでゆったりとしたBGMにより、おとぎ話のような独特の世界を作り出している。

 ゲームの内容はシンプルで、マウスのドラッグで押し入れから布団を持ち上げ、すでに積まれている布団の上に落としてどんどん積み上げていくというもの。布団は高いところから落とすほど高いスコアを得られるが、積み重ねる際に前の布団から位置がずれると、布団の塔がグラグラと揺れて、最後には倒れてしまう。慎重に、かつ大胆に積み上げていくのがハイスコアの秘訣だ。

 とはいえ制限時間はないので、雰囲気を楽しみながらゆるゆるプレイするのもあり。大自然や大空をバックに布団が積み上がるシュールな光景を眺めながらポチポチとマウスを動かしていくのが心地いい、ちょっとしたリフレッシュにもぴったりのミニゲームだ。

【著作権者】
lllからす 氏
【対応OS】
(編集部にてWindows 7で動作確認)
【ソフト種別】
フリーソフト
【バージョン】
1.01(12/09/09)

何を書いてもネタバレ「戦友(ともだち)100人できるかな?」

「戦友(ともだち)100人できるかな?」「戦友(ともだち)100人できるかな?」

 “斬新さ部門”堂々一位の作品。5分あればプレイできるので、未プレイの方はできれば作者による説明すら読まず、とにかくプレイしてみてほしい。

【著作権者】
しちやん 氏
【対応OS】
(編集部にてWindows 7で動作確認)
【ソフト種別】
フリーソフト
【バージョン】
-

(中村 友次郎)