いまさら聞けないWindows 10のTips

第93回

なぜ最強のバックアップソフトを使わないのか? ファイル履歴を設定する

 度重なるアップデートによって、次第に使いやすさを向上させつつある「Windows 10」。普段、何気なく使っているかもしれないが、いつのまにか追加された新機能や知らずに過ごしていた便利な機能、隠れた機能なども存在する。本連載では、そんな知っておくと便利なWindows 10のTipsを紹介する。

Windows 10で最強の一角にあるバックアップ機能を使うには

 フリーソフトや市販製品など、世の中にはたくさんのバックアップソフトがありますが、その中でも、無料で使えて、高速かつ負荷が低く、データを確実に守れ、復元も手軽にできるものを挙げるとしたら、あなたは何を選ぶでしょうか?

 いろいろな意見があるかもしれませんが、Windows 10の「ファイル履歴」は確実にその一角に食い込む機能です。

 標準では無効になっているので、使っていない人も少なくないかもしれませんが、バックアップ先のハードディスクなどを用意する必要はありますが、わずか数クリックで設定できるうえ、Windowsの標準サービスとして動作するため負荷もあまりかからず、最短で10分おきに複数の履歴を保存できるうえ、ファイルのプロパティや専用画面など使い慣れたWindowsの画面からファイルを復元することができます。

 バックアップは、今やPCの故障やファイルの消失などのためだけに利用するものではありません。

 昨今、世間をにぎわせたランサムウェアによる被害も、きちんとデータがバックアップされていれば、身代金の要求に屈することなく、被害を最小限にとどめることができます。

 せっかく、優秀なバックアップ機能がWindows 10に搭載されているのですから、これを使わない手はないでしょう。

あらかじめバックアップ用のUSBハードディスクなどを接続した状態で、「設定」の[更新とセキュリティ]で[バックアップ]を選択。[ファイル履歴を使用してバックアップ]で[ドライブの追加]をクリック。表示された候補からバックアップ先として使うHDDを選択する
ファイル履歴が有効になると、[オン]と表示され、初回のバックアップが自動的に実行される
[その他オプション]をクリックすると、バックアップの詳細設定が可能。標準でデータが保存されているフォルダーがほぼ選択済みだが、追加でフォルダーを指定することも可能。また、標準では1時間おきにバックアップが実行されるが、最短で10分に設定可能
バックアップしたデータは、[ファイル履歴でファイルを復元]を利用して復元可能。画面下の左右ボタンをクリックすると、履歴を遡ったり、勧めたりできる
ファイルを右クリックして[以前のバージョン]タブからもファイルを復元できる。過去の履歴を遡れるので、ランサムウェアで暗号化されてしまった場合でも、暗号化されていない最新のファイルを選択して復元できる