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無料の3D CG統合環境「Blender」v5.2が公開 ~新しい物理演算機能の追加など多数の新機能

XPBDソルバーの採用やレンダーのパフォーマンス改善なども

「Blender」v5.2のスプラッシュ画像。

 蘭Blender Foundationは7月14日(現地時間)、「Blender 5.2 LTS」を公開した。本バージョンは長期間バグ修正などの保守が行われる「LTS(Long Term Support: 長期サポート)」リリースであり、前リリースのv5.1に比べ、新アルゴリズムを採用した改善が多い印象だ。

ジオメトリノードによる物理演算処理

 本バージョンで一番の大きな変更点は、形状を手続き的に変形する「ジオメトリノード」に、[ヘアー]と[クロス]の物理演算機能が追加されたことだろう。既存の同機能とは違い、これらは「ノード」と「ジオメトリノードモディファイアー」の両方で提供される。

[ヘアー]の物理演算(提供:Blender Foundation)
[クロス]の物理演算(提供:Blender Foundation)

 新しい髪の毛、布、および粒子の物理シミュレーションシステム「XPBDソルバー」を採用。[クロス]はまだ実験段階で、一部は未実装ではあるものの、従来にはなかった『引き裂き』のような新機能があり、他のノードとの組み合わせによる応用も期待できる。

新しい[クロス力学(実験的)]モディファイアーの[引き裂き]機能

EEVEEの大幅なオーバーホール

 「Blender」のリアルタイムレンダーのEEVEEでは、レイトレーシング関連のオーバーホールが行われ、一部のシーンで見た目が変わる場合があるものの、[スクリーンスペースレイトレーシング]や[アンビエントオクルージョン]の精度が改善した。

 また新オプションの[裏面]([スクリーントレーシング]サブパネル内)で、以前は暗くなっていた部分も正しく照らされるように調整できる。

同じシーンをv5.1とv5.2+[裏面]オプションでレンダリングした比較。奥へ続く通路の明るさが異なる

Cyclesのテクスチャキャッシュ

 一方、レイトレースレンダーであるCyclesには、テクスチャ画像のキャッシュが付き、パフォーマンスが大幅に向上した。

 テクスチャ画像を専用のtxファイルに変換、同じテクスチャ画像が他の場所でも使用されていると、元の画像ファイルを読み込まず、対応する『tx』ファイルを使用することで、効率よくレンダリングできる。

 また、EEVEEとCycles共通の機能として、プリンシプルBSDFノードに、[薄い壁]オプションが追加された。これは『葉』のような両面が同じ材質の、薄い板状のオブジェクトの作成に適している。

[薄い壁]オプションのOFFとONの比較

他にも新機能や改善が多数

 上記以外にも、グリースペンシルではフィルの塗りつぶしに新アルゴリズムが採用され、アセット機能は公式[エッセンシャル]アセットへのオンラインアセットの追加に加え、アセットブラウザーもオンラインに対応。VFXを行うコンポジターにはノイズを加える新アセットが登場、インターフェイスもドラッグ&ドロップの端での挙動や解像度のXY反転など、今回も細かな改善が積み重ねられている。

 詳しくは公式リリースノート、またはリリースノート日本語版(制作中)を参照していただきたい。

 注目の機能や重要な変更点に関しては『Blender ウォッチング』連載で取り上げる予定だ。

 「Blender」は、オープンソースで開発されている2D/3Dコンテンツ制作ツール。ライセンスは「GNU General Public License」(GPL)で、誰でも無償で利用できる。対応プラットフォームはWindows、Mac、Linuxなどで、現在「blender.org」からダウンロード可能。Windows版のインストーラーは窓の杜ライブラリからもダウンロードできる。

Blender 5.2 LTS - Showcase Reel

ソフトウェア情報

「Blender」Windows版
【著作権者】
Stichting Blender Foundation
【対応OS】
64bit版のWindows 8.1/10/11
【ソフト種別】
フリーソフト(寄付歓迎)
【バージョン】
5.2(26/7/14)