レビュー

純日本製、手軽にインターネット経由のリモートデスクトップ接続「Avalon remote」

「Brynhildr」の作者が手掛ける。ベータ版は全機能が無償

「Avalon remote」

 「Avalon remote」(アヴァロンリモート)は、国産リモートデスクトップ接続アプリ「Brynhildr 3」(ブリュンヒルデ)のクラウド版と位置付けられているツール。「Brynhildr 3」は閉域網での利用をおもに想定しており、インターネット経由で利用するにはVPNや固定IP、ファイアウォールの準備、ルーターの設定といったネットワーク側の下準備が欠かせなかったが、「Avalon remote」なら比較的簡単に使い始めることができる。

 「Avalon remote」の特徴は、大きく2つ挙げられる。

  • クラウド型で、インターネットに接続されていればどこからでもつながる
  • ホスト(操作される側)端末側のファイアウォールの設定が不要

 ホスト端末とクライアント(操作する側)端末の中継は、日本のクラウド事業者が国内に設けたリージョンで稼働する「 Avalon remote Cloud 」が担う。中継処理の負荷が高まったり、接続数が過剰になったりすると自動的に接続を分散させる仕組みになっており、現状でも理論上は約8,000万台まで接続可能だという。「Avalon remote」が“純国産”を名乗る所以でもある。

 通信はエンドツーエンドで暗号化され、中継サーバーでも復号されず、暗号化されたまま受け渡される。

セットアップ

 「Avalon remote」はWindows 10/11に対応しており、現在、公式サイトから無償でダウンロード可能。今年3月から、ベータ版として無償で提供されている。

 ホスト端末でリモート接続の受け入れを行うには、まず「Avalon remote」をダウンロードし、実行する。本ソフトはセットアップ不要のポータブルアプリとなっており、USBメモリなどに入れて持ち運ぶこともできるが、初回利用時のみ端末を識別するための「端末SID」をクラウドへ登録する必要がある。動作モードを[インストール]に切り替え、案内に従って「端末SID」の登録処理を済ませよう。

動作モードを[インストール]に切り替える
「端末SID」をクラウドに登録する。メールアドレスとライセンスIDを入力(ベータテスト中は無償のため、ライセンスIDは不要)
セットアップが完了。ホスト側だけでなく、クライアント側でも同じことを行う

 「端末SID」の登録が済んだら、動作モードを[ホストモード]に切り替えて、[OK]ボタンを押すとリモート操作の受け入れ態勢は準備完了だ。タスクトレイに「Avalon remote」のアイコンが追加される。

 なお、インターネット経由で利用するということもあり、「Brynhildr 3」と異なりパスワードの設定が必須である点には注意したい。また、OSの起動時に自動実行したい場合は、システムへの登録が必要になる。

 クライアント端末から接続する場合は、ホスト端末と同じように「Avalon remote」をダウンロードして実行し、「端末SID」を登録する。あとは動作モードを[クライアントモード]に切り替え、ホスト(接続先)端末の「端末SID」、パスワードを入力すればよい。ホスト端末には「接続先名称」(ニックネーム)を付けられるので、わかりやすい名前を付けておくと、次回以降接続する際に便利だ(ただし、利用できるのは半角英数字記号のみ)。

「Brynhildr 3」との違い

 「Avalon remote」は「Brynhildr 3」とほぼ同じだが、細かな違いもある。

  • 「サーバーモード」の名称変更:「ホストモード」に
  • パスワード必須:端末ごとに初回起動時にSIDの登録も必要
  • 接続先名機能:接続先を記録しておける(前述)
  • スクロールモード(等倍表示):「Brynhildr 3」の「ActualScale」(実寸モード)が、「Brynhildr 2」で実装されていたスクロールモードに置き換わった
  • オーバーレイフィルター機能:クライアント側で有効にすると、ホスト側の画面が黒いフィルターで覆われる。クライアント側は黒くならないため、パスワードの入力や管理者としての操作を隠せる

 なお、オーバーレイフィルターは一部隠せない要素もあるとのことで、過信は禁物だ。

 「Brynhildr 3」と比べるとパフォーマンスは控えめに設定されている(最大解像度は4,800×2,700ドット、最大画質はRGB32、フレームレートは1,920×1,080ドット時で最大60FPS)とのことだが、インターネット経由で利用することを考えると十分だろう。ホストのMac対応と、クライアントのiOS/Android対応も開発中とのことなので期待したい。

ソフトウェア情報

「Avalon remote」
【著作権者】
(株)バロン
【対応OS】
Windows 10/11
【ソフト種別】
フリーソフト(β版につき無償)
【バージョン】
0.8.7(26/07/22)