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AIエージェント「Hermes Agent」の大規模アップデート「The Herald Release」が公開

自然な対話でタスクを依頼、デスクトップアプリ・CLIも大きく強化

「Hermes Agent」v0.20.0

 米Nous Researchは8月3日(現地時間)、オープンソースのAIエージェント「Hermes Agent」の最新版v0.20.0を公開した。「The Herald Release」と名付けられた大規模アップデートとなっている。



 「Hermes Agent 0.20.0」における改善は音声、エージェント、デスクトップアプリ、CLIツール、パフォーマンス、セキュリティなど、多岐にわたる。

“留守番電話のやり取り”から卒業した音声対話

 従来の音声モードは、“話しかけたら応答がすべて生成されるまで待ち、生成された音声ファイルを聞く”というスタイルだった。本バージョンでは、この体験を刷新。応答は生成されるそばから読み上げられるようになり、しかもユーザーがそれに割り込む(バージイン)こともできるようになった。ユーザーが会話を遮ると、「Hermes Agent」は話すのをやめ、聞き役に回る。無音検出も改善され、こちらの声にかぶせて話すこともなくなった。

 以下の改善も実施されている。

  • ウェイクワードに対応。オンデバイスで任意のフレーズを検知し、「Hermes Agent」を声で操作できる
  • 音声メッセージを利用できるプラットフォームを拡充。「WhatsApp」「LINE」などから送った音声を文字起こしして回答できる
  • 音声認識(STT)/音声合成(TTS)の強化:設定や言語判定を改善。OpenAIの「GPT-Transcribe」にも対応

調査能力の強化、他エージェントとの相互運用

 AIエージェントに調査を依頼するうえで問題となるのが、入力や外部知識に整合しない“もっともらしい”内容を生成してしまう大規模言語モデル(LLM)の「ハルシネーション」(幻覚)だ。これを見抜くには、LLMに根拠を示してもらい(グラウンディング)、自らの目でチェックする必要がある。

 そこで、新しいスキル「 grounded-citations 」が追加された。すべての主張に検証可能な出典を付けるもので、引用は実際のページ本文と照合される。また、ファクトチェック(Fact-check)モードも新たに導入された。渡した文書や主張について、裏が取れたもの・取れなかったもの・検証できなかったものを示してくれる。

 また、「Agent-to-Agent」(A2A)プロトコルv1.0が実装され、「Hermes」が他のエージェントを見つけたり、通信・連携したりしやすくなった。「Outbound Webhooks」では、セッションの動作状況やターンの完了、ツールイベントなどを、登録した任意のHTTPエンドポイントへ署名付きで送信できる。CIやホームオートメーション、ダッシュボード連携などに活用できる。

デスクトップアプリは“作業台”へ

 デスクトップアプリには、以下の機能が導入された。

  • Artifacts:生成物を右ペインで安全にライブプレビュー
  • Plugin SDK:「Kanban」などのプラグインを開発可能
  • Quick-entry:OSのどこからでもグローバルホットキーで思いつきを書き留められる

 フローティングペインの配置変更や複数ウィンドウにも対応し、単なるチャットインターフェイスからさまざまな作業を行うワークベンチへと進化を遂げている。

フローティングペインの配置変更や複数ウィンドウにも対応
生成物を右ペインで安全にライブプレビューできる「アーティファクト」(Artifacts)

CLIにもパワーユーザー向けコマンド

 CLIには、以下のようなコマンドが追加された。

  • [!]シェルモード:モデルのターンを消費せずに、シェルコマンドをその場で実行
  • /init:プロジェクトをスキャンして「AGENTS.md」を生成・更新
  • /diff:ステージ済み・全体・セッションの変更を表示
  • /context:コンテキストウィンドウを占めているものの内訳表示
  • /focus:出力を絞った表示に切り替え(隠れた行は復元可能)
  • hermes import-agent:「Claude Code」や「Codex CLI」の設定をHermesへ移行

 このほか、作業中に修正を入力すると進行中のターンをやり直さずに軌道修正できる『リダイレクト』、ツール自身が失敗から回復する仕組み、ツール呼び出しの反復上限の引き上げ(90回から500回へ)、長い会話でも破綻しにくくなったコンテキスト圧縮など、多くの改善が施されている。

 「Hermes Agent」は、同社が2026年2月にリリースしたオープンソースの自律AIエージェント(ライセンスは「MIT」)。Windows 10/11、macOS、Linux(WSL2を含む)に対応している。自分のデバイスへインストールするセルフホスト型で、「Telegram」「Discord」「Slack」などのチャットツールからの呼び出しも可能。エージェントのセッションをまたいでユーザーの好みやプロジェクトに関する知識が記憶されるほか、難しい課題を解決すると再利用可能なスキルを自動作成できるなど、“毎日賢くなるエージェント”を謳っている。