Inkscape独習ナビ!特別出張版
無料ドローツールでクマのイラストを描く! 第2回(全5回):イラストのパーツを描こう
シンプルな図形を組み合わせてイラストを作る
2016年11月8日 06:00
この集中連載は、無料で使える人気ベクターグラフィックソフト「Inkscape」の便利さと素晴らしさをより多くの人に知っていただくことを目的に始めました。ステップバイステップで見栄えのする作品を描いているうちに、自然と「Inkscape」の基本が習得できるようになります。具体的には、使いこなし方を解説する書籍『できるクリエイター Inkscape独習ナビ Windows&Mac対応』の入門セクションから抜粋し、再編集した原稿を短期集中連載として、日替わりでみなさまにお届けします。なお、Windowsでの操作を前提に解説していますが、たとえばショートカットキーなどでMacの場合の操作を括弧書きで併記していますので、Macでも同じ要領で読み進められます。
クマのイラストの制作の流れ(全5回)
●サンプルファイルについて
『できるクリエイター Inkscape独習ナビ Windows&Mac対応』の公式サイトを開いて[ダウンロード]項目にある[Dekicre_inkscape.zip]をクリックしてダウンロードし、ファイルを展開しておきましょう。レッスン1で使用するデータは、展開後の[Dekicre_inkscape]-[Lesson]-[Lesson1]-[sozai]フォルダーにあります。なお、ダウンロードしたファイルに含まれているすべてのサンプルファイルは、記事を利用して「Inkscape」の操作を学習する目的以外の用途には、使用することができませんのでご注意ください。
第2回(全5回):イラストのパーツを描こう
Inkscapeでは万能の[ペンツール]だけであらゆるパーツを描けるのですが、ここでは初めての人でも使いやすい[円/弧ツール]などのシェイプ系ツールで大まかな形を作っていきます。後から変形して目的の形に仕上げます。
1. 楕円でパーツを作る
下絵をなぞって各部を描いていきます。小さくて作業しにくいときは、[ズームツール]で拡大しましょう。
❶[ツールボックス]の[円/ 弧ツール]を選択します。
❷外側の左耳と同じくらいの円を描きます。
❸[カラーパレット]の[×]をクリックし[フィル]の塗りをなしにします。
❹[Shift]キーを押したまま、黒をクリックし[ストローク]の塗りを変更します。
❺[ストローク]の値を右クリックし[6]をクリックします。
❻オブジェクトのスタイルが変更され、黒い塗りなしの円になりました。
❼[ツールボックス]の[選択ツール]を選択します。
❽[ツールコントロールバー]の[オブジェクトの拡大縮小時にストローク幅も同じ比率で拡大縮小]をクリックして無効にします。
これでオブジェクトを拡大・縮小したときに、ストロークの幅が変わらないようになります。
❾円をドラッグして移動させたり、周りにある矢印をドラッグして拡大・縮小したりして、耳の大きさに合わせます。
❿同様にして、左耳の内側、顔、口周りを[円/弧ツール]で描いて[選択ツール]で大きさを調整します。
【H i n t】ズーム機能を活用しよう
特に小さな部分を描きたいときは、ズームすると描きやすくなります。[ツールボックス]の[ズームツール]を使いましょう。または、[Ctrl]([control])キーを押したままマウスホイールを回転させてもズームすることができます。描画エリアを左右に動かしたい場合は、[Shift]キーを押したままマウスホイールを回転します。
2. 楕円を変形して鼻を作る
❶[円/弧ツール]で鼻のおおよその形を描きます。
❷[選択ツール]で描いた円を選択し、[パス]メニューの[オブジェクトをパスへ]をクリックします。
パスにすることで円の特別な機能(扇型や弧への変形)は利用できなくなりますが、ノードツールで自由に変形できるようになります。
❸[ツールボックス]の[ノードツール]を選択します。
❹下のノードをクリックし、[Ctrl]([control])キーを押したまま下に少しドラッグします。
[Ctrl]([control])キーを押したままドラッグすると、ノードの移動を水平/垂直方向に制限できます。
【ショートカットキー】[ノードツール]
[F2]または[N]
3. 楕円を変形して体を作る
❶鼻と同様に、体の部分は[円/弧ツール]でおおよその大きさの楕円を描きます。
[パス]メニューの[オブジェクトをパスへ]をクリックします。
❷[ノードツール]で上のノードをクリックし、[Ctrl]([control])キーを押したまま下にドラッグします。
【ショートカットキー】[オブジェクトをパスへ]
[Shift]+[Ctrl]([control])+[C]
4. 楕円を回転して目を作る
斜めに傾いた円は下絵に大きさを合わせて描くのが難しいので、先に下絵のサイズを測り、そのサイズの円を描いてから回転させます。
❶[ツールボックス]の[ものさしツール]を選択します。
❷ドラッグして目の幅をおおよその[幅]を測ります。同様に[高さ]も測ります。
【ショートカットキー】[ものさしツール]
[M]
❸[円/弧ツール]で適当な大きさの円を描きます。
[選択ツール]で円を選択し、[ものさしツール]で測ったサイズを参考にして、❹[幅]を「45」px、❺[高さ]を「35」pxに設定します。
❻[選択ツール]でオブジェクトを再度クリックし、[回転ハンドル]に切り替えます(四隅が曲がった両矢印の状態)。[選択ツール]でオブジェクトをクリックする度に[拡大縮小ハンドル]と[回転ハンドル]が切り替わります。
❼四隅のハンドルのいずれかをドラッグしてオブジェクトを回転し、目の位置を合わせます。
次回予告
本記事“第2回:イラストのパーツを描こう”の続きとして、明日は“第3回:ペンツールを使ってみよう”を掲載しますのでお楽しみに!