特別企画
無償のSEOツールを活用してWebサイトへの訪問者を増やそう
「seoマスターLE」「Sitemap Creator 無料版」「Rank Reporter 無料版」
(2014/6/30 11:00)
毎日コツコツとサイトを更新してコンテンツを充実させているのに訪問者が一向に増えない、などという経験はないだろうか。『別に訪問者を増やすためにサイトを更新しているのではない』という人もいるかもしれないが、やはり見てくれている人が多いことは励みになるし、なにより良質なコンテンツがWebに埋もれてしまうのはもったいない。
訪問者を増やす方策はいくつか考えられる。たとえば広告を打ったり、ほかのサイトにリンクを張ってもらうようにお願いするといったことだ。しかし、まずは検索エンジンへの対策を施すこと(所謂“SEO(Search Engine Optimization)”)から検討してみたい。
サイトを知るキッカケは、今やなんといっても検索エンジンだ。検索エンジンの表示順位が上であればあるほど利用者の目につきやすいし、信頼できるコンテンツだとみなされることも多くなる。もしコンテンツがよいものであれば、検索エンジンからの流入をキッカケに、出典としてリンクを張ってもらう機会も自然と増え、それが広告になっていくだろう。
そこで本稿では、無償で始められるアレグロマーケティング製のSEOツールを3つ紹介する。
- seoマスター SEO対策ソフトのアレグロマーケティング
- http://www.allegro-inc.com/
「seoマスターLE」――サイトの問題点を把握し、検索エンジンにもわかりやすいサイトに
さて、SEOはなぜ必要なのだろうか。それは“人間にとって親しみやすいサイト”と“コンピューターにとって解釈しやすいサイト”は異なるからだ。
“人間にとって親しみやすいサイト”とは、デザインが見やすかったり、文章構成がわかりやすいといったことが肝心だ。
一方、“コンピューターにとって解釈しやすいサイト”では、タグが正しく記述されていてプログラムによって解釈しやすいとか、そのサイトやドキュメント、個々のタグが何を意味するのかといったメタ情報がきちんと書かれていて、プログラムからも意味が読み取れるかどうかといったことが重要になる。
つまり、“人間にとって親しみやすいサイト”であっても、“コンピューターにとって解釈しやすいサイト”であるとは限らない。せっかく人間にとって親しみやすく、内容もすばらしいのに、コンピューターにとって解釈が難しかったり、正しく解釈されないが故に検索エンジンに拾われない。これは非常にもったいない話だ。
「seoマスターLE」は、SEOで重要とされる50以上のチェック項目に従ってサイトを診断し、改善が必要な個所をアドバイスしてくれる無償ツール。利用には「Adobe AIR」が必要だ。
使い方は簡単で、診断対象のURLと、そのサイトを見つけるのに利用者が使いそうな検索キーワードを入力して[解析]ボタンを押すだけでよい。サイトの問題点や、指定したキーワードでの検索順位などをレポートしてくれる。また、マークアップやユーザビリティなど6つの項目でサイトを採点してくれる機能も備える。
視覚や色覚に異常がある場合、読み上げソフトなどのプログラムの助けを借りながらコンテンツに接する人も少なくない。“コンピューターにとって解釈しやすいサイト”を目指すSEOは、読み上げソフトなどに解釈しやすくすることにもなり、こうした利用者への配慮という一面もある。ぜひ一度自分のサイトを見直して、より多くの人にとって親しみやすいサイトにしていただきたい。
なお、「seoマスターLE」は機能限定版として無償提供されており、問題点の指摘は行ってくれるが、修正するにあたっての具体なアドバイスまではしてくれない。もし具体的なアドバイスが必要な場合は、上位版の「seoマスターEXPRESS」(価格はダウンロード版が8,980円(税込み))などの導入を検討しよう。
- 無料のSEO診断ソフト seoマスター LE
- http://www.allegro-inc.com/products/detail.php?product_id=5
「Sitemap Creator 無料版」――検索エンジンにサイトマップを登録し、効率的にクロールしてもらおう
人間にとっても、プログラムにとってもわかりやすいサイトができたとしても、それが検索エンジンに知られなければ、検索結果に掲載されることはない。検索エンジンは“クローラー”と呼ばれるプログラムでリンクをたどってサイトを登録しているが、そのクローラーにサイトを知ってもらわなければならない。
また、適切にクロールしてもらうことも重要。サイトが更新されたのに再クロールしてもらえないと、いつまでたっても古い内容が検索エンジンに登録されたままになってしまう。だからといってクロールの頻度を必要以上に高めると、サイトへの負荷が増加してしまう。更新のないページが何度もクロールされるのも無駄だ。
クローラーにサイトを適切にクロールしてもらうには、“サイトマップ”と呼ばれるファイルを作成する。
サイトマップにはサイト内のページのURLと、そのページがどれぐらいの頻度(Always、Daily、Monthlyなど)で更新されているかが記述されている。クローラーはそれをもとに適切な頻度で、URLを漏れなく取得するというわけだ。
しかし、サイトマップを手動で作成するのは手間がかかる。そこで利用したいのが「Sitemap Creator 無料版」だ。
「Sitemap Creator 無料版」は、指定したサイトをクロールして自動でサイトマップを作成するツール。特定のURLをサイトマップから除外したり、ルールに合致するURLの優先度と更新頻度を指定することも可能。作成したサイトマップをFTPでアップロードする機能や、サイトマップの更新をGoogleやBingへ通知する“Ping”機能も備える。
本ソフトではXML/HTML/CSV形式でのサイトマップ出力に対応しているが、通常はXML形式でよいだろう。サイトマップができたら、それをサイトへアップロードして検索エンジンの“ウェブマスター ツール”に登録しておこう。これで新鮮なページをいち早く検索エンジンに伝えることができる。
- ウェブマスター ツール - ホーム
- https://www.google.com/webmasters/
- Bing - Web マスター ツール
- http://www.bing.com/toolbox/webmaster
そのほかにも、画像検索向けの“画像サイトマップ”、動画検索向けの“動画サイトマップ”、モバイルページ専用の“モバイルサイトマップ”などを作成することも可能。これらのサイトマップはGoogleによる独自拡張となるが、Googleへの露出を増やしたい場合はこれらのサイトマップを利用することも検討したい。
- XMLサイトマップ自動作成・生成ツール Sitemap Creator
- http://www.allegro-inc.com/products/detail.php?product_id=31
なお、無料版「Sitemap Creator」で作成したサイトマップに登録できるページは、50ページまで。また、管理できるプロジェクトは2つまでに制限されている。もしこれでは物足りない場合は、4,000円(税抜き)で販売されている有償版の購入を検討してほしい。スケジュール機能で定期的にサイトマップを自動作成・アップロード・通知する機能も備えており便利だ。
「Rank Reporter 無料版」――検索順位をチェックして効果を確かめよう
検索エンジン対策を施したら、つぎは効果の測定だ。自分のサイトの掲載順位を確認して、本当に効果が出たか確認する必要がある。
しかし、SEOはすぐに効果が出るわけではないし、検索エンジンのアルゴリズムの変更で順位が変更することもある。そこで継続的なモニタリングが必要となるわけだが、毎回手動でチェックするのは面倒だ。検索順位のチェックツール「Rank Reporter」を活用して、無理なくモニタリングを続けたい。
「Rank Reporter」は、指定したサイトの検索順位を複数の検索エンジンで横断的にチェックできるSEO支援ツール。無償版の場合、検索キーワードはプロジェクトあたり10個まで登録が可能だ。“Google.co.jp”“Yahoo! Japan”“Bing Japan”といった日本の検索エンジンのほか、“Yahoo UK”“Bing Australia”といった海外の検索エンジンにも幅広く対応しているのがうれしい。
さらに、ログを保存して順位の変動をグラフ表示したり、競合サイトを登録して比較する機能なども備える。“競合サイト”は、別に商売敵でなくてもよい。たとえば目標にしたいサイトをベンチマークとして、変動を監視するのも一手だ。自分のサイトの順位だけが下がっているならば自分のサイトに問題があると考えるのが自然だが、もし登録した競合サイトも同時に下がっているならば、検索エンジンのアルゴリズムそのものに手が加えられたのかもしれない。掲載順位低下の原因をいち早く突き止めて対策を打つことができれば、競合サイトを出し抜けるかもしれない。
- 更新費用のかからない検索順位チェックツール Rank Reporter無料・製品版
- http://www.allegro-inc.com/products/detail.php?product_id=30
なお、9,800円(税込み)の有償版「Rank Reporter」では検索キーワードの登録数の制限が解除されるほか、3個以上のプロジェクトが作成できるようになる。また、Windows サービスとして動作するスケジュール実行機能や、メールでのサポートなどを利用できるようになる。