特集
Windows 10アップデートの前にシステムをバックアップしておこう!
「EaseUS Todo Backup Free」を使ってバックアップ・リストアを行う手順を徹底解説
(2015/7/29 05:05)
Windows 10がとうとう正式にリリースされた。Windows 7/8.1環境で予約していたユーザーには、“Windows Update”を通じて順次アップグレードが無償で提供される予定だ。しかし、なかにはアップグレードを躊躇しているユーザーもいるのではないだろうか。日頃愛用しているアプリケーションやゲーム、ハードウェアが動作しないと困るというユーザーは少なくないだろう。
とはいえ、せっかく無償でアップグレードが提供されるというのに、そのチャンスをみすみす逃してしまうのも得策ではないだろう。“Windows 10 を入手する”で互換性があると判定されている環境ならば、一度はトライしてみたいものだ。
そこでお勧めしておきたいのが、今自分が利用している環境の“イメージバックアップ”だ。
イメージバックアップとは、パーティションやディスクを単一のファイル(イメージファイル)として保存する手法を言う。OSやアプリケーション、ユーザーデータなどを、設定も含めてまるごとバックアップできるため、万が一新しい環境に不具合があったり、気に入らないところがあったとしても、使い慣れた環境へそっくりそのまま戻すことができる。
イメージバックアップ機能はWindowsにも搭載されているが、バージョンによって機能や手順に差異があり、また若干煩雑でもある。PCの操作に慣れていない人には、シンプルなフリーのツールがお勧めだ。
そこで本稿では、フリーのイメージバックアップツールのなかでも定評のある「EaseUS Todo Backup Free」を使って、Windows 7/8.1環境のイメージバックアップを行う手順をスクリーンショットを中心に紹介する。
「EaseUS Todo Backup Free」のセットアップ
「EaseUS Todo Backup Free」とは、指定したドライブやパーティション、フォルダーやファイルをイメージ化してバックアップできるソフト。定期的にバックアップを行うようにセットアップできるほか、ディスク容量を圧迫しないよう古いバックアップを自動で削除することも可能。ドライブをまるごとコピーするクローン機能も備えており、ディスクの交換を行いたい場合などにも役立つ。
そのほかにも起動ディスク(ブータブルディスク)を作成する機能などを備えており、万が一システムが起動できなくなっても簡単に元の環境を復旧できる。
「EaseUS Todo Backup Free」は開発者のWebサイトのほか、窓の杜ライブラリからも無償でダウンロードできる。利用するには、まず下記リンクからソフトをダウンロードしてインストールを行おう。
- EaseUS Todo Backup - 窓の杜ライブラリ
- http://www.forest.impress.co.jp/library/software/easeustodobu/
ソフトをダウンロードしたら実行し、ウィザードに従ってセットアップを進めよう。
家庭での利用であれば無償で利用可能で、今回紹介する手順の範囲内ならば有償版を購入する必要がない。もちろん、ソフトが気に入れば購入を検討してもよいだろう。有償版ならば、万が一動作しない場合にもサポートが受けられる。
バックアップ
さて、セットアップが済んだら次はバックアップ処理だ。バックアップ処理といっても「EaseUS Todo Backup Free」のそれは非常に簡単で、最短2ステップで行える。
今回は“万が一の場合にシステムドライブを元の状態へ戻せるようにする”のが目的なので、“ディスク/パーティションのバックアップ”でシステムパーティションを含むディスクをまるごとバックアップしよう。
バックアップ先はシステムドライブとは別のドライブであることが望ましい。大容量の外付けHDDドライブを用意しておくのがお勧めだ。
リストア
「EaseUS Todo Backup Free」はリストア(元に戻すこと)も簡単で、作成されたバックアップタスクにある[復元]ボタンを押し、ウィザードに従って操作を進めていくだけでよい。
今回はバックアップの作成で利用したWindows 8.1環境を「Windows 10 Insider Preview」へアップグレードし、「EaseUS Todo Backup Free」のリストア機能を利用して元のWindows 8.1環境へ戻してみた。
ステップ数は多いが、ほとんどは確認処理に過ぎず、特に難しくはないだろう。ただし、復元先のディスクを誤ると取り返しがつかなくなるので注意。自分がバックアップしたディスクがどれか、バックアップの際にメモを取っておくとよい。
アップグレードに失敗して起動しなくなった!? でも大丈夫
さて、前項では正常に起動したWindows 10からWindows 8.1に戻せることを示したが、何らかの理由でWindows 10が起動しないケースも十分考えられる。その場合はブータブルディスクが必要となるので、バックアップのついでに作成しておくとよいだろう。
ブータブルディスクのOSはWinPE(Windowsのインストールや修復に利用する機能限定のWindows)とLinuxが利用できるが、リストアだけが目的であればどちらでもよい(今回は初期値のLinuxを利用)。また、CD/DVD以外にもUSBメモリにイメージファイルを書き込んでブータブルUSBメモリを作成することもできる。
なお、ブータブルディスクは他のPCで作成してもよい。万が一ブータブルディスクのない状態でOSが起動不能になったら、他のPCでブータブルディスクを作成するか、友人にお願いして作ってもらうとよいだろう。
なお、復旧の手順は前項とほぼ同じなので割愛する。ブータブルディスクによる復旧と聞くと黒い画面に白い文字でよくわからない英語の羅列が流れるというイメージがあるが、「EaseUS Todo Backup Free」はデスクトップ版とほとんど同じユーザーインターフェイスなので使いやすく、安心できる。
結び
筆者は「Windows 10 Insider Preview」を試用してきたが、Windows 8/8.1での不満点の多くが取り除かれており、完成度の高いOSに感じられる。アップグレードに不安を感じるのは仕方のない面もあるが、万全の準備をしていれば恐れることはない。本ソフトのようなバックアップツールを活用し、ぜひWindows 10を一度試してみてほしい。