岩場にたたずむマーメイドのイメージ。何を想っているのでしょうね

　今、うちの子どもは、ディズニーアニメのヒロインに憧れて『ピンク色で、くるっと回るとふわっとするドレスがほしい！』なんて言ってます。おとぎ話で描かれるヒロインやお姫様って確かに可憐でかわいくて、私も子どものころ憧れました。多くのおとぎ話でヒロインは幸せになるのですが、ときにはヒロインが哀しい運命を迎えることもあり、そんな物語の方が強く印象に残ったりします。たとえば、ヒロインが海の泡になって消えてしまう悲恋物語“人魚姫”とか……。

　今回ご紹介するのは、“人魚姫”のせつなさが伝わってくる可憐なペーパークラフト「マーメイド」です。完成すると、長い茶色の髪に青い尾びれをもった、高さ15センチほどの人魚のお人形になります。うつむき加減のマーメイドの表情は、見る人によって美しくも哀しくも感じられることでしょう。本作品は、“NAFmaru Paper-works”のトップページで［Down-load］リンクを開き、「マーメイド」のサンプル写真をクリックすれば、PDF形式の型紙をダウンロードできます。

左上から順に、髪、胸、胴体、太もも、足ヒレパーツ。すべて裏返しにした状態です

　パーツは、茶色の髪や肌色の胴体、水色の足ひれなど全部で5つ。折り線の目印が正面にこないよう、印刷面は裏側にします。そのままでは真っ白な人魚になってしまいますので、プリントアウトした紙からパーツを切り出したあと、裏と表が同じ色になるように胴体のパーツは肌色に、足ひれは水色に、髪は茶色に絵の具を塗りましょう。肌色や水色、茶色の色画用紙を用意できれば、それぞれに型紙を印刷して切り出すだけでOK。また3色の紙を用意せずあえて単色で作るのも、影絵のようで味があるかもしれません。

　作り方を簡単にご紹介。まず頭のついてる胴体パーツに、山折りでバストをあらわした胸パーツをつけます。次に、胸パーツと太ももパーツの目盛りを合わせ、その上に、太ももパーツをかまぼこのように丸めてくっつけます。次に、太もも先端の弧の部分に足ヒレパーツを接着。太ももと足ヒレの接着部分は、長さが違います。太ももパーツの尖ってる箇所と、足ヒレパーツの山折りのてっぺんを合わせてください。最後は、髪の毛を頭に接着すれば完成です。作者ページ上のサンプル写真を参考に腕の関節を折り曲げて表情を作り出しましょう。

うっすら見える印を合わせましょう

　なお、本作品には糊しろがありません。任意の紙を小さく短冊状に切って糊をつけ、裏側から部品同士をくっつけるように作られています。そのため接着が難しく感じたら、表面がつるっとしたケント紙などで作るといいでしょう。また、接着用の短冊に半紙や紙テープを使うと、糊の乗りがよくて作りやすいですよ。

　ペンや付箋紙などで散らかり気味のパソコンデスクに飾ると、なんだか少し落ち着いた雰囲気になりました。いつもはペーパークラフトを見ると、『コレで遊びたいからちょうだい！』なんて言い出す子どもも、「マーメイド」はおとなしくじっと鑑賞してました。おとな向けの紙細工、といった雰囲気なのでしょうね。本作品を飾り、子どもの頃に読んだ“人魚姫”の物語にしばし心を馳せてみませんか？

【著作権者】藤尾 なおひと　氏
【ファイル形式】PDF形式
【ファイルサイズ】897KB

□NAFmaru Paper-works
http://www.h5.dion.ne.jp/~nafmaru/
□「マーメイド」のダウンロードページ
http://www.h5.dion.ne.jp/~nafmaru/shop.html

（小松 佳那）