「Windows PE」ベースの復旧メディアを手軽に作成できる「AOMEI PE Builder」

「AOMEI PE Builder」v2.0

　「AOMEI PE Builder」は、「Windows PE」を利用したOSの復旧環境を手軽に作成できるツール。64bit版を含むWindows XP/Vista/7/8/8.1/10およびWindows Server 2003/2008/2008 R2/2012/2012 R2/2016に対応するフリーソフトで、開発元のWebサイトからダウンロードできる。

　「Windows プレインストール環境（Windows PE）」は、フル機能のWindowsをインストール・展開・修復するために利用できる軽量OS。壊れたOSを復旧する“レスキューディスク”などに利用されていることも多く、いざというときのために用意しておくとなにかと便利だが、もともと開発者向けなので作成・利用のハードルがいささか高いのは難点だ。

　今回紹介する「AOMEI PE Builder」は、そうした問題を解決してくれるツール。本ソフトを利用すれば「Windows PE」イメージのダウンロードから起動可能なCD/DVD・USBメモリ・ディスクイメージの作成までをGUIで行うことが可能。イメージの作成に必要な「Windows ADK」も自動で取得できる仕組みになっている上、使い方に習熟する必要がないため、慣れていないユーザーでも簡単に扱える。

　また、「Windows PE」イメージに独自のGUIシェルを追加して、一般向けのWindowsとほぼそっくりの見た目を再現しているのも特徴。メジャーなシステムユーティリティをインストールしておくことも可能で、マウスで操作可能な自分だけのレスキューディスクを簡単に作成することができる。

メジャーなシステムユーティリティをインストールしてマウスで操作可能な自分だけのレスキューディスクを簡単に作成

一般向けのWindowsとほぼそっくりの見た目を再現

サイズの異なる2つのインストーラーが用意されている

　本ソフトには、2つのインストーラーが用意されている。サイズの大きい方（146MB）は同じ開発元が提供しているパーティション管理ツール「AOMEI Partition Assisntant」とバックアップツール「AOMEI Buckupper」を同梱したバージョンで、サイズの小さい方（72.3MB）はそれらが付属していないバージョンだ。ストレージのサイズが許すのであれば、同梱版を選択するとよいだろう。

　「AOMEI PE Builder」をインストールしたら、さっそく起動して「Windows PE」環境の作成にとりかかろう。本ソフトはウィザード形式になっており、3つのステップを踏むだけで簡単にレスキューディスクを作成できる。

　最初のステップは、「Windows PE」イメージのダウンロード設定だ。基本的にチェックボックスはそのまま、アーキテクチャー（32bit/64bit）の選択だけ行って次の画面に進もう。

　2つ目のステップは、「Windows PE」イメージに追加するシステムユーティリティの選択だ。システムユーティリティは“File”“Network”“System”の3つにカテゴライズされており、解凍・圧縮、ファイル検索、ファイルビューワー、テキストエディター、ファイル復旧、システム情報取得といったジャンルのメジャーソフトがおさめられている。もともとの「Windows PE」環境はコマンド操作がメインだが、ここで好みのユーティリティをインストールしておけばGUIでさまざまな操作が行える。また、この画面ではファイルやドライバーの追加も可能だ。

最初のステップは、「Windows PE」イメージのダウンロード設定

2つ目のステップは、「Windows PE」イメージに追加するシステムユーティリティの選択

　3つ目のステップは、作成した「Windows PE」イメージを保存する方法の指定だ。本ソフトではCD/DVDへの焼きこみ、ブータブルUSBメモリの作成、ISOイメージファイルのエクスポートの3つが選択できる。［Next］ボタンを押せば、イメージファイルのダウンロードと作成処理が開始される。

3つ目のステップは、作成した「Windows PE」イメージを保存する方法の指定

イメージファイルのダウンロードと作成処理

　最新版となるv2.0ではブータブルメディアの作成処理がキャンセルできるようになったほか、BIOS/UEFIのデュアルブートがサポートされるなど、いくつかの改善が施されている。Windows 10にもしっかり対応しているので、いざというときのための“転ばぬ先の杖”として役立てたい。