REVIEW(09/07/07)

iPhone向けサイトも利用できるWindows Mobile用Webブラウザー「Iris Browser」

レンダリングエンジンには“WebKit”を採用

「Iris Browser」v1.1.9

 「Iris Browser」は、レンダリングエンジンとして「Safari」「Google Chrome」で利用されていることで知られる“WebKit”を搭載したWindows Mobile向けWebブラウザー。Windows Mobile 5/6に対応するフリーソフトで、編集部にてソフトバンクモバイルのX04HTで動作を確認した。作者のWebサイトからダウンロード可能で、ダウンロードの際は簡単なユーザー登録が必要。

 Windows Mobile搭載スマートフォンのユーザーから見て、“iPhone”の最もうらやましい点は、多くのサイトが“iPhone”専用のデザインを用意していることではないだろうか。そのおかげか、“iPhone”は最新のWindows Mobile端末より画面の解像度で劣るにも関わらず、より快適にWebを閲覧できる場合が多い。とくに日本では、“Yahoo! Japan”が“iPhone”に対応しており、ニュースやオークションといった各種サービスを専用のUIで楽しめるのはうらやましい限り。

 そんなときは、「Iris Browser」を利用しよう。本ソフトは、各種Webサイトを“iPhone”向けデザインで利用できるWebブラウザー。レイアウトエンジンも“iPhone”搭載の「Safari」と同じ“WebKit”を採用しており、“iPhone”で閲覧した場合のデザインや操作をほぼそのまま再現可能。各種サービスへのリンクが大きなアイコン表示になった“Yahoo! Japan”のトップページや、“Yahoo!ニュース”のスライドショーといった“iPhone”専用のサービスを利用できる。

“Yahoo! Japan”のトップページ

“Yahoo!ニュース”のスライドショー

 また、タッチ操作でのWeb閲覧に特化しているのも特長で、上下左右のスクロールも指で行う仕組みになっているほか、画面をダブルタップして画面の拡大・縮小を行う機能などを搭載している。画面の拡大・縮小やスクロールを繰り返していると、自分がWebページのどの部分を閲覧しているのかわからなくなることがあるが、本ソフトでは、現在表示しているエリアを画面隅に半透明で示すガイド機能を搭載しているので安心。一般的なWebブラウザーのようなスクロールバーよりも直感的に、閲覧しているエリアを把握できる。そのほか、複数のWebページを開いて切り替えられるタブ機能も搭載しており、多くのWindows Mobile端末で採用されている「Opera Mobile」と比べても機能に遜色はない。

 さらに、Webページ閲覧中の各種エフェクトが面白いのも特長。たとえば、別のWebページへジャンプする場合は画面がフェードアウトしたり、新規タブが開く場合は新しいタブが上から降ってくるといったエフェクトが用意されている。これらのエフェクトは単に視覚的に楽しいだけでなく、現在行っている動作をユーザーへ示す機能上の意味ももっている。たとえば、ほかのWebブラウザーではリンクをタップしてもそれが正確に選択されたかどうか確認しづらいが、本ソフトではリンクが震えるのでわかりやすい。また、タブや閲覧履歴を、「iTunes」でおなじみの“Cover Flow”表示のように、サムネイルをめくりながら選択する機能も備えている。

現在表示しているエリアを画面隅に半透明で示すガイド機能

タブや閲覧履歴を「iTunes」でおなじみの“Cover Flow”風の表示で選択できる

【著作権者】
Torch Mobile
【対応OS】
Windows Mobile 5/6
【ソフト種別】
フリーソフト
【バージョン】
1.1.9(09/07/06)
 

(柳 英俊)