REVIEW（09/09/03）

　「マインスイーパカオス」は、Windowsに標準で付属する「マインスイーパ」に物理エンジンを搭載し、「マインスイーパ」本来の面白さであるシステマティックな要素を限りなく排除した遊び心あふれるパズルゲーム。Windowsに対応するフリーソフトで、編集部にてWindows Vistaで動作を確認した。作者のWebサイトからダウンロードでき、動作には.NET Framework 2.0以降、XNA Framework 3.0、DirectXの最新版およびDirectX 9.0cとShader Model 1.1に対応したグラフィックボードが必要。

　Windowsに標準で付属する「マインスイーパ」は、シンプルなルールとタイムアタックの要素があいまった非常にシステマティックなゲームだ。それに対して「マインスイーパカオス」は、発見した地雷をマスから取り出して爆発させ、未知のマスを爆風で開けるなど、従来の「マインスイーパ」にはない自由度の高さと遊び心をふんだんに盛り込んでいるのが特徴。

　また、従来の「マインスイーパ」が見下ろし型視点のパズルゲームであるのに対し、本作は地雷の動きなど、ゲーム上のあらゆるギミックに下向きの重力がかかっており、横視点の2Dアクションゲームをプレイしているような感覚に近い。

　見た目や基本的なルールは通常の「マインスイーパ」と同様で、マスに表示される数字をもとに地雷を探していき、地雷のないマスをすべて開けばクリアとなる。ただし本作では、地雷が埋まっていると判断したマスに右クリックで旗を立てたあと、左クリックで埋まっている地雷を取り出すことが可能。

　取り出した地雷は、もとのマスから鎖のようなものでぶら下がり、10秒後に爆発する。地雷はマウスのドラッグで好きな位置へ移動させたり、右クリックで位置を固定でき、爆発した地点の周囲9マスを無条件に開くことが可能。ただし、地雷を取り出そうとしたマスに地雷がなかった場合、その時点でゲームオーバーとなる。

　また、本作では地雷が埋まっていないと判断したマスを開くと、数字の上に被さっていた蓋が取れるようにマスが落下する。落下したマスは、ゲームを進めるにつれてだんだんと画面下側に積み上がっていき、下方にある未知のマスを開けなくしてゲームの進行を妨げてくる。

　さらに、10秒ごとにマスに表示されている数字がランダムに落下し、マスと同様に画面下側へ積み上がっていく。数字が落下したマスには、その数字に対応する色が塗られるが、数字のマスと色の塗られたマスが混在する状況は、慣れるまでに時間を要するだろう。

　落下したマスや数字は、マウスのドラッグにより紐で吊るようにして持ち上げたり、画面の外へ投げ飛ばすことが可能なほか、地雷の爆風で吹き飛ばすこともできる。

　マスや数字が落下する際や、マスを紐で吊り下げて投げ捨てる動作など、ゲーム上のさまざまな動きに物理エンジンが使われており、リアルな動きを楽しめる。吊り下げたマスを振り回して遊ぶなど、本来のゲームとはまったく関係のない遊びができるのも本作の魅力だ。

　こういった本ゲームの特性を最大限に活かして、やりたい放題プレイしてみたいときは、ゲーム中に［F2］キーを押して“無敵モード”に移行してみよう。“無敵モード”では、誤って地雷のマスを開けてしまってもゲームオーバーにならず、地雷が取り出された状態となるため、ルールに縛られることなく動きを楽しむ本作ならではの遊び方を堪能できるはずだ。