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立命館大学白川研、古代の漢字を検索できるシステムを無償公開

常用・人名用漢字約4,400字に対応。「白川フォント」の無償ダウンロードも

「白川フォント」検索システムのWebサイト

 立命館大学白川静記念東洋文字文化研究所(白川研)は7日、12月12日の“漢字の日”に先駆け「白川フォント」の検索システムを無償公開した。本システムは故・白川静名誉教授の没後10年記念事業のひとつで、現代の書体(楷書)から古代に使われていた文字(甲骨文・金文・篆文)へ変換することが可能。

 「白川フォント」は、白川研が作成した古代文字フォント。漢文学者で漢字の字源研究でも知られる白川静博士が著書『漢字類編』、『字通』、『常用字解』などに収録した古代文字をもとに、白川研と立命館大学情報理工学部ディジタル図書館研究室のプロジェクトチームがフォントにしたものだ。このフォントは、白川研のWebサイトなどから無償でダウンロードできる。

 今回公開された検索システムは、この「白川フォント」をPCで簡単に使えるように、現在の字形から手軽に古代文字を検索できるようにしたもので、常用・人名用漢字約4,400字に対応しているという。複数の漢字からなる文字列を一度にさまざまな書体の古代文字へ変換できる“漢字列”検索と、一文字の漢字を検索してその漢字の変遷をたどることができる“一文字検索”という2つの検索方法が用意されており、「白川フォント」を一般的な文書作成ソフトやチラシ、アート、名刺などで活用する際に役立てることができる。今後も収録文字や字体の拡充を予定しているとのことなので期待したい。

 また、検索システムのWebサイトからも「白川フォント」をダウンロード可能。WindowsやMacでのインストール方法も詳しく解説されている。

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