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Windows版「Word」の読み上げが改善、テキストが回り込んだ画像もちゃんと認識
アクセシビリティチェックでフローティング画像が警告されることもなくなる
2025年10月9日 11:05
米Microsoftは10月8日(現地時間)、Windows版「Microsoft Word」のアップデートを発表した。スクリーンリーダーでフローティング画像にアクセスできるようになり、アクセシビリティが向上しているという。
フローティング(floating)とは、周りにテキストが回り込んだ状態で画像が配置されていることを指す。画像にテキストが回り込んでおらず、「行内」に配置されている場合はインライン(inline)と呼ぶ。
これまでの「Word」は、スクリーンリーダーがフローティング画像とテキストの関係を的確に判断できないという問題があり、テキストの特定位置にリンクさせる“アンカー”(固定点)が設定されていれば、フローティング画像は単にアクセス不能のフラグが立てられてしまっていた。つまりスクリーンリーダーからは“見えない”ものとして扱われ、代替テキスト(ALTテキスト)が読み上げられることはない。
一方、インライン画像ではそういった問題は起こらない。そのため、「Word」のアクセシビリティ アシスタントはフローティング画像を検出するとインライン画像へ変更するように警告を出していた。
今回のアップデートでは、アンカーの改善によりスクリーンリーダーがフローティング画像を適切に検出できるようになった。スクリーンリーダーはアンカー位置に応じて画像の存在、ALTテキスト、配置状態を読み上げる。
これに伴い、「画像はインラインでなければならない」というアクセシビリティチェックのルールも不要となった。今後はフローティング画像であっても、アクセシビリティ アシスタントで警告が発せられることはない。
この機能は「バージョン2509」(Build 18227.20000)以降を実行しているWindows版「Word」ユーザーに提供される。