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クライアントサイド暗号化ツール「Cryptomator」を統合した「Cyberduck」v6.0が公開

クラウドへ保存するファイルをローカルで暗号化、アカウントに侵入されても解読不能に

「Cyberduck」v6.0.0

 Windows/Macをサポートする多機能FTPクライアントソフト「Cyberduck」v6.0.0が、9日(グリニッジ標準時)に公開された。寄付歓迎のフリーソフトで、現在本ソフトの公式サイトからダウンロード可能。Windows版は、Windows 7以降をサポート。“Microsoft ストア”から購入することもできる(14日間の試用が可能)。

 「Cyberduck」は、オープンソースで開発されているFTPクライアント。もともとはMacで人気を得たソフトで、v4.0からはWindowsもサポートされている。SFTPやWebDAVといったプロトコルをサポートするほか、“Amazon S3”や“Google Cloud Storage”などのクラウドストレージサービスを幅広くサポートするのが特徴だ。

「Cryptomator」の暗号化保管庫をサポート。[アクション]ボタンから作成可能で、パスワード付きフォルダーのように扱える

 メジャーバージョンアップとなるv6.0の目玉は、クライアントサイド暗号化ツール「Cryptomator」がサポートされたこと。

 「Cryptomator」は、クラウドストレージへファイルをアップロードする際に内容と名前をローカルで暗号化する。そのため、万が一“Dropbox”や“Google Drive”のアカウントが乗っ取られても、ファイルの内容を読み取られることがない。ディレクトリ構造も難読化されるため、どんなデータが保存されていたのかを推測することすら困難だ。オープンソースプロジェクトであるため、バックドアや悪用可能な脆弱性の隠匿を心配する必要もない。

 「Cyberduck」v6.0では、この「Cryptomator」の“Vault(保管庫)”を手軽に作成可能。“Vault”はプロトコルやサービスに依存しないため、書き込みが可能なストレージであればどこでも作成が可能。パスワードのかかったフォルダーのように振舞うため、扱いも簡単。作成した“Vault”は「Cryptomator」のモバイルアプリからもアクセスできる。

“Google Drive”に「Cryptomator」の暗号化保管庫を作成
Webブラウザーから“Google Drive”へアクセスした様子。ディレクトリ構造まで難読化されるため、内容はおろか、何が保存されているのかすら特定は困難だ

ソフトウェア情報

「Cyberduck」Windows版
【著作権者】
iterate GmbH
【対応OS】
Windows 7以降(編集部にてWindows 10で動作確認)
【ソフト種別】
フリーソフト(寄付歓迎)
【バージョン】
6.0.0(17/05/09)