NEWS（10/06/24　15:39）

　米Microsoft Corporationは23日（現地時間）、次世代Webブラウザー「Internet Explorer 9」プラットフォームプレビュー版（以下、IE9 PP版）の最新版となるv1.9.7.8.74.6000を公開した。IE9 PP版は8週間おきにアップデートされており、今回で3回目のバージョンアップとなる。

　本バージョンの主な変更点は、HTML5の“audio”“video”“canvas”タグに対応したこと。これらのタグの描画には、ほかの要素と同じくGPUによるハードウェアアクセラレーションが利用されており、他社製のWebブラウザーよりも高速に動作するという。現在ベータテスト中のHTML5版“YouTube”も視聴可能だ。

　また、ローカルPCにインストールされていないフォントでも、WebサーバーからダウンロードしてCSSで利用できる機能“Webフォント”では、新たに“WOFF（Web Open Font Format)”を利用可能になった。WOFFはWebでの利用を前提に設計されたフォントで、既存のフォントファイルに比べファイルサイズが圧縮されているほか、XML形式による著作権情報の付加などにも対応している。IE9 PP版では、DirectX技術1つ“DirectWrite”を用いてシャギーの少ないテキスト描画が可能だが、WOFFを利用したテキストも同様に美しく描画できる。

　そのほか、IE9のレンダリングエンジンやスクリプトエンジン“Chakra”の改善も進んでいる。たとえば、Web標準への準拠度を測る指標として知られる“The Acid3 Test”では、前回公開されたIE9 PP版の68点を超える83点を記録したほか、動作速度も前バージョンより向上している。

　本ソフトは、Windows Vista/7および同64bit版に対応しており、現在同社のWebサイトからダウンロードできる。ただし、本ソフトは開発者やテスター向けに最新技術を先行公開し、本ソフトの動作テストやWebサイトの開発に役立てる目的で提供されているもので、日常的な利用には適さないので注意。