NEWS(10/08/05 17:22)

“Google Earth”で原爆の惨禍と平和への祈りを表示する“Nagasaki Archive”

3D地形図上で被爆者の証言を閲覧できるほか、爆心地を平和への祈りが覆っている

“Nagasaki Archive”“Nagasaki Archive”

 “Google Earth”を使ってWebブラウザー上に表示した長崎の3D地形図上に、長崎へ投下された原爆の惨禍と平和への祈りを表示するWebアプリ“Nagasaki Archive”が、7月26日に公開された。利用には「Google Earth Plug-in」が必要で、編集部にてIE8および「Firefox」v3.6.8、「Google Chrome」v5.0.375.99で動作確認した。現在、本Webアプリの公式サイトから利用できる。

 “Nagasaki Archive”は、長崎出身の有志などからなるNagasaki Archive制作委員会と首都大学東京の学生および大学院生が、被爆地長崎に現存する原爆の貴重な資料をより有効に活用するために作成したWebアプリ。3D地形図上で被爆者の証言や被爆直後の写真、原爆投下直前と直後の航空写真などを閲覧できる。

被爆の証言を表示被爆の証言を表示

 本Webアプリを開くと、市街を海側から鳥瞰した状態の長崎の3D地形図が現れる。3D地形図上には、原爆の被害を証言した被爆者の顔写真が被爆した場所へ表示されており、クリックすることで証言とその人の願いを閲覧することが可能。また、原爆投下直後の貴重な写真と復興した現在の写真を表示することもできる。

 爆心地周辺では、原爆が投下された当時の地図が半透明で表示されるほか、原爆投下2日前と3日後に米軍が撮影した爆心地の航空写真を表示することが可能。さらに、Twitterで寄せられた平和を祈るメッセージが爆心地の上空を覆っている。また、3D地形図をズームアウトすると爆心地から線が延びており、日本全国などからケータイのメールで送られた平和へのメッセージが表示される。

爆心地周辺爆心地周辺

ケータイのメールで送られた平和へのメッセージケータイのメールで送られた平和へのメッセージ

 平和を祈るメッセージは現在も募集されており、Twitterではハッシュタグとして“#nagasaki0809”を付加してツイートすることでメッセージを送ることが可能。ケータイのメールでメッセージを送る際は、紙などに書いたメッセージをケータイのカメラで撮影し、撮影場所の市区町村や最寄り駅を本文に記載して指定アドレスへメールを送信することでメッセージを送れる。

 そのほか、長崎に原爆が投下された8月9日には3D仮想空間サービス“Second Life”内で“Nagasaki Archive”のオープニングイベント“Nagasaki Archive Opening Event in SL”が開催される。イベントでは、長崎の原爆と平和に関するコンテンツを展示する空間が“Second Life”上に設けられるほか、ライブ中継サービス“Ustream”でその空間を紹介するデモと長崎の原爆に関するイメージムービーが配信されるという。

(長谷川 正太郎)