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Microsoft、アプリ作成AI「App Builder」と業務自動化AI「Workflows」を発表

アプリ、フロー、カスタマイズエージェントの3つで業務を改革

「Microsoft 365 Copilot」の新しいAIエージェント「App Builder」と「Workflows」を発表

 米Microsoftは10月28日(現地時間)、「Microsoft 365 Copilot」の新しいAIエージェント「App Builder」と「Workflows」を発表した。まずはMicrosoftの最新AI機能を先行体験できる「Frontier」プログラムへ参加している「Microsoft 365 Copilot」ユーザーに提供される。

アプリ作成エージェント「App Builder」

 「App Builder」は、「Copilot」との対話を通じてダッシュボードアプリ、リストアプリ、計算アプリなどを構築できるAIエージェントだ。コーディングの知識がなくても、「Word」や「Excel」、「PowerPoint」、「OneNote」などでも扱える「Microsoft 365」コンテンツをベースとしたアプリを開発し、他のユーザーとリンクで簡単に共有できる。

「Copilot」との対話を通じてミニアプリを構築できるAIエージェント「App Builder」

 データベースをバックエンドにすることはできないようだが、社内データをリストとして整理・管理できる「Microsoft Lists」は利用できるので、小規模なアプリなら問題はないだろう。

 「App Builder」は今週中にリリースされる予定。

業務自動化エージェント「Workflows」

 一方の「Workflows」は、作業指示のメールが届いたらタスク管理ツールに登録するといった日頃行っている一連の定型作業(フロー)を自動化する。「Outlook」のメール・カレンダー管理、「Teams」のチャットやミーティング、「SharePoint」の共有コンテンツ、「Planner」によるタスク管理などを繋げられるだけでなく、上長による承認プロセスを組み込むことも可能で、定期的に実行するフローも構築できる。

一連の定型作業(フロー)を自動化する「Workflows」

 同社の自動化ツール「Power Automate」と同様、ノンコーディングで行えるのは同じだが、自然言語で「Copilot」と対話しながらフローを作成できるのはAIエージェントならではの魅力といえるだろう。アルゴリズムを組むことに慣れないユーザーでも扱える。

 「Workflows」は現在Agent Storeから利用可能だ。

アプリ、フロー、エージェント

 さらに、「Copilot」には軽量な「Copilot Studio」のライト エクスペリエンス(Copilot Studio Lite)が組み込まれており、自分の業務を肩代わりしてくれるエージェントも構築できる。

「Copilot Studio」のライト エクスペリエンスで自分の業務を肩代わりしてくれるエージェントをその場で構築

 つまり、今後「Microsoft 365 Copilot」ではアプリ、フロー、エージェントの3つが、ITの素養のないユーザーでも気軽に利用できるようになるわけだ。うまく使い分けて、業務改善に役立てたい。

  • Copilot Studio Lite(エージェント):チャットで依頼していた単発的なタスクをより深め、再利用できるようにするのに適する
  • Workflows:エージェントが行う作業が定型的であれば、フローに組みなおしたほうが確実性が向上。定期実行にも向いている
  • App Builder:人によるデータ入出力、データのビジュアル化に。他のアプリからの入力で蓄積されたデータをエージェントやフローが活用し、それをアプリでモニタリング

 もし素人の手に負えなくなれば、専門のエンジニアによる本格的なエージェント開発に引き継ぐこともできるだろう。

 また、「Microsoft 365 Copilot」は「Microsoft 365」で実績のあるセキュリティ基盤に準拠しており、個人の権限や役割に応じたアクセス制御が可能。専門性の低いユーザーがデータを扱う際に課題となりがちなセキュリティやコンプライアンスの問題にも対応できる。