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「Microsoft 365 Copilot」の調査AI「Researcher」、VMでブラウザーやターミナルを駆使するように

「Windows 365」にサンドボックスVMを一時構築

Microsoft、「Researcher with Computer Use」を発表

 米Microsoftは10月31日(現地時間)、「Researcher with Computer Use」を発表した。まずはMicrosoftの最新AI機能を先行体験できる「Frontier」プログラムへ参加している「Microsoft 365 Copilot」ユーザーに提供される。

 「Researcher」は、専門家のような徹底した調査を行ってくれる「Microsoft 365 Copilot」のAIエージェント。今年6月より一般提供されている。

 この「Researcher」にPCの操作能力(Computer Use)を与えて強化したのが「Researcher with Computer Use」だ。「Researcher」モデルが調査の過程でWebブラウザーやターミナルの操作が必要であると判断すると、「Windows 365」で仮想マシン(VM)が起動し、会話へ一時的に割り当てられる。このVMはシステムから隔離され(サンドボックス)、Webブラウザーやターミナルを安全に実行可能。モデルはその実行結果をテキストやスクリーンショットとして受け取り、さらなる調査プロセスを進める。つまり、今までより深い情報を収集できるようになる。

「Researcher with Computer Use」のアーキテクチャー

 「Computer Use」は強力だが、一方でセキュリティリスクをもたらす可能性も否定できない。それに対しては前述のサンドボックスに加え、ユーザーがモデルを操作する様子を確認できるようにしたり、重要な操作を行う前にユーザーの許可を求める仕組みを組み込むといった対策を行っているとのこと。また、「Computer Use」を有効にすると、企業データへのアクセスは既定で無効化される。「Computer Use」が使える「Researcher」に企業データを使わせるには、ユーザーが明示的にデータソースを許可しなければならない。

 さらに、Webデータと企業データを組み合わせて利用する際に、特定のWebサイトを許可・除外する管理者オプションも用意される。

「Computer Use」を制御する管理者オプションも追加