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「Excel」のエージェントモードでAnthropic社の「Claude」AIモデルが選べるように

MicrosoftクラウドにホストされたOpenAIモデル以外も選択可能

「Microsoft Excel」のエージェントモードでAnthropic社の「Claude」AIモデルが選べるように

 米Microsoftは11月18日(現地時間)、「Microsoft Excel」のエージェントモードでAnthropic社の「Claude」AIモデルが選べるようになったと発表した。

 「Excel」のエージェントモード(Agent Mode)は、言葉で「Excel」を操れるようにするAIアシスタント。ワークブックの内容を理解し、ユーザーの指示(プロンプト)をもとに必要なスプレッド操作を複数ステップにわたって計画し(マルチステップ推論)、実行に移すことが可能で、従来からあるマクロや関数では実現できない自動化を構築したり、ユーザーの意思決定を支援したりできる。

 「Excel」のエージェントモードで使われるのは通常、「Microsoft 365 Copilot」の既定モデルだ。これはMicrosoftが自社のクラウド環境(Azure)でホストしているOpenAI社のAIモデルで、現在は「GPT-5」が展開中。これに加えて、エージェントモードのサイドパネルにある[Try Claude]ボタンをクリックすると、これがAnthropic社の「Claude」に切り替わるようになった。

 この「Claude」モデルは「Microsoft 365 Copilot」既定モデルとは異なり、Microsoftのクラウド環境にはない。そのためエンタープライズ環境では、IT管理者側が専用のオプションを有効にして、Anthropicモデルへのアクセスを明示的に許可する必要がある。また、Anthropic社の利用規約に従う必要がある点には注意したい。

 「Claude」を利用しているかどうかは、前記のボタンが[Claude On]になっていることで確認できる。新しくチャットセッションを開始すると、自動で「Microsoft 365 Copilot」既定モデルに切り替わる。

[Claude On]になっていれば、Anthropic社の「Claude」モデルを利用している

 この機能へアクセスするには、エンタープライズ向けの「Microsoft 365 Copilot」ライセンスか、消費者向けの「Microsoft 365」ライセンス(Personal、Family、Premium)のサブスクリプションが必要。また、エージェントモードは、現在Windows版「Excel」(Insiders Betaチャネル)もしくはWeb版「Excel」(Frontier Program)で利用できるが、使用する言語は英語のみに限られる。

日本語環境の場合、Web版「Excel」で試験機能「Frontier」を有効化し、プロンプトの編集ボックスでエージェントモードを有効にするのが簡単だ

 そのほかにも、同社は「Microsoft 365 Copilot」および「Copilot Studio」の「Researcher」エージェントでもAnthropic社のAIモデルを選択できるようにしている。