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すべてのPCに「Xbox モード」を展開 ~「GDC 2026」に先駆けMicrosoftが発表

過去10年で最大のツール拡充、初回ロード時間の大幅短縮や「DirectStorage」の強化も

同社のアナウンス

 米Microsoftは3月11日(現地時間)、ゲーム開発者向けカンファレンス「GDC 2026」で、Windows PCゲーム開発者向けの新しいツールとプラットフォームアップデートを発表した。ゲームの読み込み時間を短縮する技術。よりスムーズなゲームプレイを実現する仕組み、機械学習(ML)を活用したグラフィックスといったトピックがアナウンスされている。

「Xbox モード」

 ゲームコントローラーに最適化された全画面UI「Xbox モード」が、4月にもノートPC、デスクトップPC、タブレットPCを含むすべてのフォームファクターに展開される。

 この「Xbox モード」は、これまで「Xbox」のフルスクリーンエクスペリエンス(Full Screen Experience:FSE)と呼ばれていた機能とおそらく同一だ。通常のデスクトップとゲーム専用のデスクトップ――「Nintendo Switch」のようなホーム画面、購入したゲームのライブラリなど――をシームレスに切り替えられるようになるほか、不要なバックグラウンドプロセスを削減して、多くのシステムリソース(CPUやメモリ)をゲームに割り当てることも可能で、ゲームに没入できるようになる。

「Advanced Shader Delivery」(ASD)の拡充

 「Advanced Shader Delivery」(ASD)は、ゲームをインストールする際にコンパイル済みのシェーダーを配信することで、ゲームを初めて起動する際の待ち時間やカクつきの大部分を減少させる技術。「Avowed」というゲームタイトルでは初回ロード時間が80%以上、「Call of Duty: Black Ops 7」にいたっては95%以上もの短縮が実現されており、効果は絶大だ。

 「ASD」はASUSがMicrosoft/AMDと協力して開発したポータブルゲーミングWindowsデバイス「ROG Xbox Ally X」「ROG Xbox Ally」で先行サポートされていたが、間もなくすべてのゲーム開発者に開放される。「ASD」対応のための仕組みも整備され、ゲーム開発者が「DirectX Agility SDK」の新しいAPIレベルに対応したゲームをストアで公開すれば、「Xbox Partner Center」でシェーダーパッケージが自動で取り込まれる。ゲームデバイスが「ASD」に対応していれば、ゲーム開発者は少ない労力で「ASD」の恩恵を受けることができるだろう。

「DirectStorage」の強化

 さらに、最新のNVMeストレージへ最適化することでゲームのデータ(アセット)読み込みを高速化する「DirectStorage」でも機能強化が図られる。

 新しい「DirectStorage」はZstandard圧縮をサポートし、より効率的にアセットを読み込めるようになる。また、新しいツール「Game Asset Conditioning Library」が導入され、本番のパイプライン全体でアセットの調整が簡素化される。大規模でありながら、レスポンスの高いゲームタイトルを開発できるようになる。

機械学習(ML)時代に向けた「DirectX」

 リアルタイムグラフィックスの中核となりつつある機械学習(ML)に対応するため、「DirectX」にもいくつかの改善が導入される。

  • HLSLに線形代数サポートを追加。シェーダー内で直接ハードウェアアクセラレーションされた機械学習演算を可能に
  • ゲーム開発者が独自のモデルを利用できるように。手作業のシェーダーロジックの必要性を削減

ツール群のアップデート

 PCゲームのデバッグをコンソール並みに引き上げるため、過去10年間で最大の規模でさまざまなツールが拡充される。

  • DirectX Dump Files:GPU クラッシュ解析を標準化
  • DebugBreak() in HLSL:シェーダー単位でブレークポイントを設定
  • Shader Explorer:コンパイル済みシェーダーの可視化・解析
  • PIX:「Tile Mapping Viewer」の追加、GPUカウンターの強化などを実施

 これらの機能の多くは、5月からプレビュー提供が開始。年内にも広く展開される予定だ。