NEWS(10/08/31 17:34)

トレンドマイクロ、クラウド技術を応用した「ウイルスバスター2011 クラウド」

ウイルス定義ファイルを一部クラウドに分散させ、高速なスキャンと安全性を両立

「ウイルスバスター2011 クラウド」v3.0.1303「ウイルスバスター2011 クラウド」v3.0.1303

 トレンドマイクロ(株)は31日、同社製の統合セキュリティソフト“ウイルスバスター”シリーズの最新版「ウイルスバスター2011 クラウド」を公開した。本バージョンの主な変更点は、クラウド技術を応用した“スマートスキャン”機能を搭載したこと。

 これまでウイルス対策ソフトでは、安全性を確保するためウイルスの定義ファイルを肥大化させてきたが、このことがPC全体の動作を低下させる原因になっていた。これに対して、従来の“ウイルスバスター”では細かなチューニングを重ねることで速度を確保してきたが、本バージョンではソフトを抜本的に再設計し、クラウド技術を応用することで高速化を果たしたという。

 具体的には、まずローカル上の定義ファイルをもとにしたスキャンを行い、それでもなお安全であると確認できなかった場合にのみ、クラウド上の定義ファイルを用いたスキャンを行う。このようにローカルとクラウドを組み合わせたハイブリッドなウイルススキャンを行えるのが“スマートスキャン”機能だ。これにより、ローカル上に保存される定義ファイルの約80%を削減して、クラウド上へ移行可能になった。

 同社によると、クラウドへ送信されるデータはファイルのハッシュ値のみとのことで、通信への負荷も極力抑えられている。また、クラウド上ではWebサイト・ファイル・メールの3つの評判(レピュテーション)情報をデータベース化しており、新しい攻撃に対していち早く対応可能になっている。

“データ消去ツール”などの新機能を搭載“データ消去ツール”などの新機能を搭載

 また、新機能として“ローカル相関分析”機能を搭載。これはマルウェアをダウンロードしたURLやダウンローダーの情報を同社へ送信して、マルウェアの感染経路を分析できる機能で、これにより効率的にマルウェア対策を行えるようになるという。

 そのほか、米国国防総省の“DOD 5220.22-M”方式でファイルを完全に削除する“データ消去ツール”や、悪意あるスクリプトからWebブラウザーを保護する“ブラウザガード”などのツールが追加された。

 「ウイルスバスター2011 クラウド」は、Windows XP/Vista/7および64bit版に対応するシェアウェアで、30日試用可能。現在、同社のWebサイトや窓の杜ライブラリからダウンロードできる。価格は、1年間利用可能な“1年版”が同社のダウンロード販売で4,980円(税込み)など。店頭でのパッケージ販売は9月の3日から開始される。また、“ウイルスバスター”シリーズのユーザーは無償でバージョンアップ可能。

 なお、本ソフトはMac版の「ウイルスバスター for Mac」と合わせて、1ライセンスで3台まで利用できる。ただし、Mac版は“スマートスキャン”など一部機能に対応していないので注意。

【著作権者】
トレンドマイクロ(株)
【対応OS】
Windows XP/Vista/7/Vista x64/7 x64
【ソフト種別】
シェアウェア 4,980円(税込み)など
【バージョン】
3.0.1303(10/08/31)

(柳 英俊)