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Google、プログラミング言語「Dart」初めてのベータ版をリリース

“dart2js”や“Dart VM”の動作速度が大幅に向上

「Dart Editor」M5

 米Google Inc.は19日(現地時間)、プログラミング言語「Dart」のベータ版を公開した。2011年の発表以来、ベータ版がリリースされるのは初めて。

 「Dart」は、Webアプリケーションのためのスクリプト言語。オープンソースで開発されており、大規模開発には必須のオブジェクト指向、静的型付け、構文スコープといったJavaScriptに欠けた機能が多数盛り込まれている。

 「Dart」で記述されたプログラムは“Dart VM”と呼ばれる仮想マシン上で動作する仕組みになっており、動作速度は比較的高速。もし仮想マシンがない場合であっても、ライブラリ“dart2js”でJavaScriptへ変換すれば、幅広いプラットフォームで動作させることができる。ただし、動作速度は多少犠牲になる。

 今回のアップデートは、“dart2js”や“Dart VM”の動作速度改善がメイン。たとえば“dart2js”の場合、“Richards”ベンチマークで20%、“DeltaBlue”ベンチマークで10%、“Tracer”ベンチマークで8%のパフォーマンス向上を達成している。一方、“Dart VM”は“DeltaBlue”で40%、“Tracer”で33%もの速度向上が見られる。

 「Dart」を利用した開発には、コードエディター「Dart Editor」や“Dart VM”を内蔵した“Chromium”ベースのWebブラウザー「Dartium」といった開発ツールが利用可能。これらの開発ツールはWindows/Mac OS X/Linuxに対応しており、現在「Dart」の公式サイトから無償でダウンロードできる。

「Dart Editor」
「Dartium」

 なお、動作には「Java 6」以降が必要。また、Windows XPはサポートされていないので注意。

 そのほかにも、「Eclipse」「IntelliJ IDEA」「WebStorm」「Sublime Text 2」「Vim」といった開発ツールやテキストエディター向けにプラグインが用意されている。

ソフトウェア情報

「Dart SDK」
【著作権者】
Google Inc.
【対応OS】
Windows 7/8など
【ソフト種別】
フリーソフト
【バージョン】
24160(13/06/19)

(柳 英俊)