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Mozilla、新しいセキュリティ向上策を盛り込んだ「Firefox 23」ベータ版を公開

20年近い歴史をもつ“blink”要素がサポート終了

「Firefox 23」v23.0b1

 Mozillaは27日、Webブラウザー「Firefox」の次期バージョン「Firefox 23」のベータ版を公開した。本バージョンから、“ミックスコンテンツ”が初期状態でブロックされるようになる。

 “ミックスコンテンツ”とは、SSLで暗号化されたWebページに含まれる暗号化されていないコンテンツのことで、「Internet Explorer」では“混在したコンテンツ”として知られる。“ミックスコンテンツ”をブロックすることで、中間者攻撃(man-in-the-middle attack)など、通信の盗聴やなりすましの防止が期待できる。

“ミックスコンテンツ”のブロック

 「Firefox 23」で“ミックスコンテンツ”が検知されると、読み込みがブロックされ、代わりにアドレスバー左端に盾アイコンが表示される。ここをクリックすればポップアップが現れ、ユーザー側で“ミックスコンテンツ”のブロックを解除できる仕組み。

 そのほかにも、セキュリティ向上の一環として“コンテントセキュリティポリシー(CSP)”が適用されるようになった。読み込み対象とする外部リソースを明示的に限定することで、“クロスサイトスクリプティング(XSS)”や“クロスサイトリクエストフォージェリ(CSRF)”といった攻撃を未然に防止できる。

“Social API”で閲覧中のページを共有

 ユーザーインターフェイスに関連する変更としては、アイコンが刷新されたことが目につく。パステル調の色遣いと凹凸や陰影を抑えたフラットなデザインが特徴で、最近の流行を取り入れたアイコンに仕上がっている。

 また、閲覧中のページを共有するためのボタンが追加されたのも大きな変更点。ブラウザーへ追加した“Social API”対応のサービスを介して、手軽にページを共有できる。そのほかにも、アドオンのインストール通知インタフェースの簡素化やオプション画面の整理が行われている。

 機能面における改善点としては、“DXVA2”を利用したH.264デコードに対応した点が挙げられる。Windows Vista以降に対応しており、GPUアクセラレーションを活用した動画の再生が可能。

 さらに、開発者ツールにもネットワークモニターの追加やWebコンソールが更新といった改善が加えられた。“about:memory”画面のインターフェイスも改良されており、従来よりも高機能になった。

ネットワークモニター
“about:memory”画面

 なお、本バージョンよりテキストを点滅させる“blink”要素のサポートが終了する。“blink”要素は、1995年にリリースされた「Netscape Navigator 2.0」に由来する「Firefox」独自の機能。現行の「Firefox 22」を最後に、18年の歴史に幕を下ろすこととなる。

ソフトウェア情報

「Firefox」Windows向けベータ版
【著作権者】
contributors to the Mozilla Project
【対応OS】
Windows XP/Server 2003/Vista/7/8(64bit版を含む)
【ソフト種別】
フリーソフト
【バージョン】
23.0b1(13/06/27)

(柳 英俊)