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筆記障害を抱える学生の受験機会を広げるツール「Lime」がアップデート

Windows 8に標準搭載されているIMEに対応

「Lime」v1.2.0

 DO-IT Japan 事務局は6日、筆記障害を抱える受験者の入試受験を支援するためのソフト「Lime」の最新版v1.2.0を公開した。現在、“DO-IT Japan”のWebサイトから無償でダウンロードできる。ダウンロードの際は、メールアドレスなどの入力が必要。

 “合理的配慮(Reasonable Accommodation)”という言葉をご存じだろうか。

 たとえば、十分な学力を有するにもかかわらず、筆記に障害を抱えるがゆえに試験を受験できないというケースを考えてみよう。これは障害者が教育を受ける権利を侵害しているし、機会均等の点でも問題がある。この場合、一般の受験者と不公平が生じない程度に、PCなどの入力手段を代替提供するなどといった配慮がなされるのが望ましい。こうした配慮を“合理的配慮”と呼ぶ。

 しかし、PCによる入力を一部の受験者に対してのみ認めることには困難を伴う。PCを使用した受験者が、IMEを入力以外の目的に不正利用する可能性を否定できないためだ。

 「Lime」は、こうした問題を解決するために開発された、“合理的配慮”を支援するためのツール。本ソフトはタスクトレイに常駐し、IMEで行った日本語変換作業を、表示された変換候補を含めてすべて記録する。あとでそのログを分析すれば、学校側が受験者に不正がなかったかどうかチェックできるというわけだ。

 最新版のv1.2.0ではWindows 8に対応し、OSに標準搭載されている「Microsoft IME」のログ取得がサポートされた。ただし、Windows ストアアプリでの入力などで利用される“オンスクリーンキーボード”には対応していないので注意(“Windows 簡単操作”に含まれるツール「スクリーン キーボード」の入力には対応)。

 また、かな漢字変換ログの取得を「メモ帳」「ワードパッド」「Microsoft Word」に限定することで、安定性を向上させている。

ソフトウェア情報

「Lime」
【著作権者】
東京大学 先端科学技術研究センター、DO-IT Japan 事務局、日本マイクロソフト(株)
【対応OS】
Windows XP/Vista/7/8
【ソフト種別】
フリーソフト
【バージョン】
1.2.0(13/10/06)

(柳 英俊)