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ネイティブ“Opus”デコーダーを搭載した「FFmpeg 2.3」が公開

内部的なオーバーホールとアセンブリの最適化も

 オープンソースのマルチメディアフレームワーク「FFmpeg」の最新安定版「FFmpeg 2.3」(コードネーム:Mandelbrot)が、17日に公開された。「FFmpeg 2.2」に代わる新しいメジャーバージョンとなる。

 「FFmpeg 2.3」では内部的なオーバーホールが行われ、新しい開発者がプロジェクトへアクセスしやすくなった。アセンブリの最適化も併せて進められており、たとえば既存のx86アセンブリがオーディオリサンプル部分を中心に「Visual Studio」との親和性の高いNASM/Yasmフォーマットへ変換された。また、メンテナーのいないBlackfin/SPARCアーキテクチャーへの最適化が中止され、コードが削除されている。

 さらに、これまで“libopus”ライブラリで提供されていた“Opus”デコーダーが「FFmpeg」へネイティブ統合された。“Opus”は主にインターネットのインタラクティブコンテンツ(ビデオなどのように視聴するだけでなく、ユーザーとの対話が可能なコンテンツ)向けに開発されたオープンソースの非可逆音声圧縮フォーマットで、ブラウザー間でビデオ・オーディオコミュニケーションを実現する“WebRTC”技術では重要となる。

 そのほかにも、米On2社のビデオフォーマット“On2 TrueMotion VP7”のデコーダー、HTML5ビデオに字幕を追加するオープン規格“WebVTT”のデコーダーなどが新たに追加されている。

 「FFmpeg」は、音声・動画ファイルのフォーマットを変換するツールやライブラリから構成されるオープンソースのマルチメディアフレームワークで、現在本ソフトの公式サイトから無償でダウンロード可能。Windows向けのバイナリは“Zeranoe FFmpeg”からダウンロードできる。

(樽井 秀人)