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推測変換・連想変換を強化した「ATOK 2015 for Windows」が公開

文中に使用されている正式名称をもとに略称を適切に変換する機能も

「ATOK 2015 for Windows」v28.0.1

 (株)ジャストシステムは6日、定番の日本語入力システム“ATOK”シリーズの最新版となる「ATOK 2015 for Windows」の正式版を発売した。また、30日間試用できる体験版が公開されている。本ソフトは64bit版を含むWindows Vista/7/8/8.1に対応しており、体験版は、月額286円(税抜き)でさまざまなデバイス向けの“ATOK”シリーズを利用できるサービス“ATOK Passport”に登録すれば、製品版として利用可能。現在、“ATOK”の公式サイトからダウンロードできる。

 「ATOK 2015 for Windows」の主な変更点は、推測変換機能が強化され、“推測フォロー変換”へと進化したこと。従来の“ATOK”シリーズでも推測変換は搭載されていたが、入力中の文字列が複数の文節にわたってしまうと推測変換を行えなかった。たとえば、“りそうてきn”まで入力した際に、“理想的な”か“理想的に”と推測することはできても、“りそうてきなえんじ”といった入力に対しては推測変換を行えなかった。

 最新版の「ATOK 2015 for Windows」では単語単位だけでなく、複数の文節が入力されても推測変換が働き続ける。たとえば、“りそうてきなえんじ”に対しては“理想的なエンジン”と推測候補が表示される。また、「ATOK」が提示した推測候補に当てはまらない入力が行われた場合でも、即座に推測が修正される。たとえば、“りそうてきなえんじ”に一文字加えて“りそうてきなえんじい”とすると、“理想的なえんじ色”へ推測候補が修正される仕組み。

複数の文節を途中まで入力中
予想と異なった文字の入力にも推測変換が柔軟に対応する
文字列の変換中に[Ctrl]+[Tab]キーを押すと“類語ファインダー”が類義語・関連語の検索を行う

 また、連想変換の機能が“類語ファインダー”として強化された。これは変換中の言葉から推測される言葉や言い換える表現を検索する機能。変換中の文字列上で[Ctrl]+[Tab]キーを押すと、検索が行われて候補が表示される。たとえば、“上がる”の類語を調べたい場合には、まず“あがる”を変換して“上がる”と変換中の状態にし、変換を確定する前に[Ctrl]+[Tab]キーを押す。すると、“召す”“召し上がる”“参る”などの類義語や、“愛飲”“満喫”などの関連語が表示される仕組み。

 さらに、ある単語の正式名称が用いられた後でその単語の略称が用いられた場合、適切に変換が可能になった。たとえば、“定期演奏会”の略語として“定演(ていえん)”が用いられるが、これまでは変換時に同音異義語の“庭園”と誤変換されてしまうことがあった。「ATOK 2015 for Windows」では“定期演奏会”が入力されると、その後に続く“ていえん”の変換時に“定演”を候補とするようになっている。

 加えて、理工学や人文科学、法律経済などの専門用語を約10万語変換辞書へ追加、専門性の高い入力の変換を従来以上に円滑に行えるようになった。

 そのほか、上位版の「ATOK 2015 for Windows[プレミアム]」には、“ATOK Passport”向けに先行して提供されていたサービス“ATOKナントカ変換”を1年間利用する権利が付属する。同サービスは、冒頭を思い出しきれない単語の頭に“なんとか”などあらかじめ設定した言葉を記した上で後につづく文字列を入力すると、可能性のある単語を「ATOK」が提示可能。

ソフトウェア情報

「ATOK 2015 for Windows」体験版
【著作権者】
(株)ジャストシステム
【対応OS】
64bit版を含むWindows Vista/7/8/8.1
【ソフト種別】
体験版(月額286円(税抜き)の“ATOK Passport”に登録することで製品版として利用可能)
【バージョン】
28.0.1

(市川 祐吉)