レビュー
クラウド連携やモバイル機器のバックアップにも対応する「Acronis True Image 2017」
上位版ではランサムウェア対策やデータが改竄されていないことを保証する機能も
2017年3月23日 06:00
「Acronis True Image」は、Windows/Macに対応した高機能なイメージバックアップツール。有償の製品ではあるが、機能性と操作性で高い評価を得ているこの分野の定番ソフトといえるだろう。「Acronis True Image 2017」はその最新版で、さまざまな新機能が搭載されている。
PCの環境を単一の“イメージファイル”へバックアップ、異なる環境への復元も可能
まずは「Acronis True Image 2017」の基本的な機能をみていこう。本ソフトの中核となるのは、OSやドライバー、アプリ、ユーザーデータなど、PCの環境を丸ごと単一の“イメージファイル”へバックアップする機能だ。この“イメージファイル”を書き戻せば、元の環境をそのまま復元することが可能。万が一ソフトウェアの更新に失敗してデータが破壊されたり、操作ミスでデータを失ってしまっても、簡単に元の状態へ戻すことができて安心だ。バックアップデータは軍事規格のアルゴリズムで暗号化されるため、万が一流出しても内容を覗き見られる恐れはない。
イメージバックアップの欠点は、ファイルサイズが大きくなりがちなこと、個別ファイルの復元が苦手なこと、環境を丸ごとバックアップするため、そのままでは他の環境へ復元するのが難しいことだ。
しかし「Acronis True Image 2017」ならば、初回バックアップからの変更分だけを保存する“増分”バックアップにも対応しているため、定期バックアップを行ってもディスクサイズを過剰に消費することはない。個別ファイルの復元も問題なく行えるほか、[ツール]画面から入手できる「Acronis Universal Restore」ツールを利用して、イメージファイルを異なる環境へ復元することも可能。つまり、環境の移行にも利用できるというわけだ。
最短3クリックでバックアップを開始可能
また、使い方が簡単なのも魅力。保存先を選択して[今すぐバックアップ]ボタンを押すだけの最短3クリックでバックアップを始めることができる。バックアップのスケジュールや方法、完了した際の通知、除外ファイルの指定など、オプションも豊富に用意されているので、上級者にとっても満足できるツールといえるだろう。
そのほかにも、システム内でサイズの大きなファイルをクラウドストレージなどに退避させてローカルストレージの空き容量を確保する“アーカイブ”機能や、クラウドストレージを経由して他のPCとデータを同期する“同期”機能などを備えている。
最新版でモバイルデバイスをWi-Fi経由で自動バックアップする機能などが追加
最新版の「Acronis True Image 2017」では、最近の社会的ニーズに応え、同社のクラウドストレージ“Acronis Cloud(アクロニス クラウド)”との連携が強化された。また、モバイルデバイスをWi-Fi経由でPCや“Acronis Cloud”へ自動バックアップする機能が追加されたほか、“Facebook”へ投稿したデータをバックアップする機能の強化などが施されている。特に“Acronis Cloud”はバックアップデータの保存先として利用できるだけでなく、バックアップをリモート管理することも可能。旅行先でもバックアップのコントロールが行える。
さらに、バックアップデータの検索も高速化。ローカルやクラウドのバックアップデータから必要なファイルを取り出せるようになっているという。
上位版ではランサムウェア対策やデータが改竄されていないことを保証する機能も
「Acronis True Image 2017」は“Standard”版と“Premium”版がラインナップされており、“Standard”版は買い切りの通常版(7,980円)と、50GBの“Acronis Cloud”利用権が付属した1年版(年額6,980円)が選択できる。“Premium”版は年額14,980円で、1TBの“Acronis Cloud”利用権が付属する。
さらに、“Premium”版のみの新機能として、ランサムウェアの攻撃を振る舞い検知によりブロックする“Acronis Active Protection”、暗号通貨に利用されるブロックチェーン技術でバックアップデータが改竄されていないことを保証する“Acronis Notary”、デジタル署名機能“Acronis ASign”なども利用できる。
ソフトウェア情報
- 「Acronis True Image 2017」体験版
- 【著作権者】
- Acronis International GmbH
- 【対応OS】
- Windows 7/8/8.1/10およびWindows Home Server 2011など
- 【ソフト種別】
- 体験版(30日間試用可能、製品版はダウンロード販売 7,980円など)
- 【バージョン】
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