REVIEW(09/11/26)

バーチャル本棚から作品を探せる青空文庫ビューワー「Aozora Bookshelf」

読書を五感で楽しめる仕掛けがいっぱい

「Aozora Bookshelf」v1.0.2「Aozora Bookshelf」v1.0.2

ページのめくりをリアルに再現するビューワー画面ページのめくりをリアルに再現するビューワー画面

 「Aozora Bookshelf」は、読書そのものを楽しめる青空文庫ビューワー。Windowsなどに対応するフリーソフトで、編集部にてWindows XPで動作を確認した。作者のWebサイトからダウンロードでき、動作にはAdobe AIR 1.5が必要。

 “読書”とは本を読むことを意味するが、はたして電子書籍を読むことも“読書”と言えるだろうか。本来の読書はただ単に活字を読むだけでなく、本屋や図書館で本を探し、本の質感や重さを手で感じたり、新しい紙の匂いを嗅いだりと、五感で楽しむものだ。一方の電子書籍はパソコン上ですべてが完結するため、便利ではあるがそのことで失うものも多いはずだ。

 電子書籍をバーチャルな本とするなら、バーチャルな読書があってもいい。そんな発想を実現したのが青空文庫ビューワーの「Aozora Bookshelf」で、電子図書館サイト“青空文庫”の文学作品をバーチャル本棚に並べて表示してくれる。本棚には作家名が書かれた仕切り板があいうえお順に並んでおり、作家を選択すれば本があいうえお順に現れる仕組みだ。リストから作品を選ぶのと違い、本を選ぶという楽しみを味わえるだろう。

 本をクリックするとビューワー画面へ切り替わるが、ここにも読書を楽しむための仕掛けが用意されている。ビューワー画面に表示された本のページは、マウスドラッグでめくることが可能。このとき、ページをめくる様子がリアルに再現されるだけでなく、めくっている途中でページ裏側の文字が見えたり、マウスドラッグを開始した場所でページのめくれ方が違ったりと、手で実際に本のページをめくってるような感覚を提供してくれる。

 そのほか、一度読んだ本は自分専用の本棚にコレクションされていくので、お気に入りの本をいつでも読み直せるが、残念ながら“しおり”機能は用意されていない。

【著作権者】
ポイント・アット(株)
【対応OS】
(編集部にてWindows XPで動作確認)
【ソフト種別】
フリーソフト
【バージョン】
1.0.2(09/11/19)

(中井 浩晶)