REVIEW(11/05/24)

Flashバナーなどの制作に使えるFlashムービー作成ソフト「Vectorian Giotto」

タイムライン管理や多彩なエフェクトで効率よく作成

「Vectorian Giotto」v3.0.0「Vectorian Giotto」v3.0.0

多彩なエフェクトを選ぶだけで、短いフレームのアニメーションを作成可能多彩なエフェクトを選ぶだけで、短いフレームのアニメーションを作成可能

 「Vectorian Giotto」は、Flashムービーを作成できるソフト。Windows 2000/XP/Vista/7に対応するフリーソフトで、作者のWebサイトからダウンロードできる。

 本ソフトは、レイヤー構造をもったタイムラインで動画を作成できるのが特長。このタイムラインの操作は、アドビのFlash制作環境「Adobe Flash」によく似ているため、同ソフトに慣れているユーザーには使いやすい。また、ペンで描いた線に沿って図形や画像などの“シェイプ”を動かすガイドレイヤーを作成することも可能。このため、直線的な動きだけでなく、複雑な動きを設定することができる。

 画面は、上部にタイムラインのレイヤー、左に各種ツール類が表示されている。また、右側はシェイプの設定やレイヤー内でのシェイプの表示順番などが並んでいる。下部には、さらに細かな設定を入力するためのツール類が配されている。

 タイムラインに配置するシェイプは、基本図形から選んだり、ペンで直接描くことができる。また、BMP/JPEG/GIF/PNG/TIFF/ICO形式の画像ファイルを読み込んで利用することが可能。シェイプを複数まとめて“シンボル”として統合することもできるので、複雑なシェイプはシンボルにして、スタンプのように配置するとよいだろう。

 画面に配置したシェイプを右クリックして[Effect]メニューを選ぶと、簡単なアニメーションによるエフェクトを適用することが可能。エフェクトは55種類収録されており、複数のエフェクトを適用することもできる。エフェクトは回転や点滅といったシンプルなものから、葉っぱが落ちるような動き、横からスライディングしてくるような動きなど、凝ったものも多い。また、影をつけたり、足元に鏡写しの表示をしたりといった動きのないエフェクトもある。エフェクトは、選んだあとにパラメーターを設定し、動作や表示を調整することで見栄えを整えられる。

 作業中のファイルの保存は独自形式。また、出力は[File]メニューの[Export Flash Movie]項目から行え、作成したムービーをSWFファイルとして書き出すことが可能。

 本ソフトには、サンプルとして多くのFlashバナーが収録されているので、参考にするとよいだろう。ただし、日本語の扱いに問題があるようで、テキスト入力ツールでは日本語を入力することができず、また日本語名のフォルダ内にファイルが保存できなかった。そのため、本ソフトを利用する際は、日本語を使わないようにしたほうが無難だろう。

 また、筆者の環境(CPUはCore 2 Duo 3.2GHz、メモリ4GB)では、レイヤーが増えてくるとCPU負荷が高くなり、作業のたびに2~3秒ほど反応が待たされる現象がみられた。さらに、本ソフトではサウンドも扱えるが、筆者の環境ではWAVEファイルが鳴らなかったり、MP3ファイルを読み込もうとすると応答不能になる現象が発生したので、音声は利用しないほうが無難かもしれない。そういった意味で、現状では複雑なアニメーション作品ではなく、バナー用途などに使うのが、本ソフトのうまい使い方ではないかと感じた。

本ソフトで制作したFlashバナー

【著作権者】
Vectorian Inc.
【対応OS】
Windows 2000/XP/Vista/7
【ソフト種別】
フリーソフト
【バージョン】
3.0.0(11/04/14)

(クロノス・クラウン:柳井 政和)