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「Microsoft 365」(Office)アプリの数式対応が改善 ~LaTeX、MathML Core、PDF 2.0
入力・編集からWebとの相互運用、アクセシビリティまでを強化
2026年6月5日 16:46
米Microsoftは6月2日(現地時間)、「Microsoft 365」(Office)アプリにおける数式サポートの改善を発表した。「LaTeX」サポートの刷新、「MathML Core」互換性の向上、「PDF 2.0」準拠によるアクセシビリティの強化が大きな目玉となる。
「LaTeX」サポートを根本から作り直し
まず、「Word」「PowerPoint」「OneNote」「Excel」における「LaTeX」サポートがゼロから再構築された。これまで未対応だった複雑な書式も利用可能で、『newcommand』、『renewcommand』、『def』といったユーザー定義マクロも利用できるようになる。化学式を記述するユーザーの便宜を図り、「mhchem」パッケージの「ce」コマンドもサポートされる。
使い方は簡単で、TeX/MarkdownドキュメントにあるLaTeX数式の部分をデリミター(「begin{environment}……」や「$$……」など)ごと「Office」アプリにコピー&ペーストするだけだ。ネイティブの「Office Math」へ自動変換される。「Excel」であれば、図形や「SmartArt」にペーストすることも可能だ。
なお、デリミターを含まないLaTeX式を「Office」ドキュメントに挿入したい場合は、[挿入]-[数式]コマンドを利用すればよい。「Office Math」へ変換して挿入することが可能だ。逆に、「Office Math」数式をLaTeXへ変換して編集することもできる。
「MathML Core」との互換性向上
次に、Web標準である「MathML Core」との互換性が改善された。「Word」「PowerPoint」「OneNote」「Excel」の場合、クリップボード、支援技術(アクセシビリティツリー)、PDF、ODF(Open Document Format)のいずれにおいても「MathML Core」が利用できる。
なお、従来の「MathML 3」数式のインポートも引き続き可能だが、エクスポートする際は「MathML Core」で削除された要素や属性が含まれない点には注意(基本的に「MathML Core」数式としてエクスポートされる)。
「PDF 2.0」準拠で数式もアクセシブルに
「Word」「PowerPoint」からPDFを書き出す際に、数式情報を「PDF 2.0」標準に従って関連ファイルとして埋め込めるようになった。これにより、対応するPDFビューアーとスクリーンリーダーの組み合わせ(「Firefox」+「JAWS」、「NVDA」+「MathCAT」、「VoiceOver」など)でスクリーンリーダーから数式を読み上げたり、ナビゲートしたりできる。
数式データを含む「PDF 2.0」ファイルとしてドキュメントをエクスポートするには、[ファイル]-[保存]または[コピーを保存]から[その他のオプション]を選び、ファイル形式として「PDF(*.pdf)」を選択するだけでよい。[ファイル]-[エクスポート]-[PDF/XPSドキュメントの作成]からも可能だ。
この機能は執筆時現在、Windows版の「Word」「PowerPoint」と、「PowerPoint Web版」で利用可能。Mac、iOS、Android版の「Word」、「PowerPoint」やWeb版の「Word」にも順次提供される予定だ。
対応バージョン
これらのアップデートはまず、パイロットプログラム「Microsoft 365 Insider」でテストされている。大きな問題がなければ、近いうちに製品版にも導入されるだろう。
- LaTeX/MathML Coreサポート:Windows版「Word」「PowerPoint」「OneNote」「Excel」のバージョン2606(ビルド20105.20000)以降、Mac版のバージョン16.110(ビルド26050500)以降のBetaチャネル
- PDF 2.0数式アクセシビリティ:Windows版「Word」「PowerPoint」のバージョン2605(ビルド20018.20000)以降のBetaチャネル、および「PowerPoint Web版」























