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オフィス文書のオープンフォーマット「ODF 1.4」がOASIS標準として承認

「Microsoft 365」(Office)や「LibreOffice」はすでに対応

オフィス文書のオープンフォーマット「ODF 1.4」がOASIS標準として承認

 非営利で運営されている構造化情報の標準化団体OASIS Openは12月3日(米国時間)、「ODF 1.4」をOASIS標準として承認したと発表した。

  「ODF」(Open Document Format) はベンダー中立、ロイヤリティフリーのオフィス文書フォーマット。どのプラットフォーム(OS、デバイス)でも読みやすく、編集しやすく、相互運用が可能なフォーマットとして標準化されており、NATO(北大西洋条約機構)やEC(欧州委員会)、さまざまな国・国際機関で文書を交換する際に用いられている。ちなみに、今年は「ODF」がOASIS標準となって20年という節目の年にあたるとのこと。

 「ODF 1.4」ではアクセシビリティが強化されたほか、文書の視覚デザイン機能が拡充。データ分析や技術文書向けの機能も追加された。開発者向けドキュメントも改善されているという。もちろん、既存の「ODF 1.3」との後方互換性も維持されている。

 おもな改善は以下の通り。

  • Open Document Text(*.odt)
     ►シェイプ内のテーブル:シェイプ内でテーブルを利用。従来はテキストボックスでしか利用できなかった
     ►ゼロからのリスト:0から始まる番号付きリストがサポート
     ►画像と図形の重なり防止:ODTファイルでも画像や図形が他の画像や図形と重ならないようにするオプションが導入
     ►番号リストのフォーマット:従来は「Word」で利用可能な数値リスト形式の一部しか利用できなかったが、ODT 1.4ではすべてが利用できる
     ►奇数と偶数の改ページ:セクション区切りを追加し、偶数ページまたは奇数ページを指定すると、それがODTファイルに記録されるように
     ►書き込みモードの追加:新しい書き込みモードがODT仕様に追加。特定の言語を有効にすると、.docxファイルでサポートされている表や段落で利用できる
     ►装飾オブジェクト:オブジェクトがただの装飾であり、アクセシビリティツールは無視してよいことを示す属性が追加
  • OpenDocument Spreadsheet(*.ods)
     ►エラー値:エラー値をODSファイルに永続化するための微調整
     ►色によるフィルター:カラーフィルター設定を、制限付きながらODSファイルへ保存できる
     ►テキストの方向:時計回りまたは反時計回りに90°回転したテキストを読み込むためのマイナーな改良
     ►装飾オブジェクト:オブジェクトがただの装飾であり、アクセシビリティツールは無視してよいことを示す属性が追加
  • OpenDocument Presentation(*.odp)
     ►ページ番号:ODPファイルで0から始まるスライド番号がサポート。従来はかならず1から始まっていた
     ►テーブル・セルのテキスト方向:テーブルセル内で90°および270°回転したテキスト方向が利用可能に
     ►装飾オブジェクト:オブジェクトがただの装飾であり、アクセシビリティツールは無視してよいことを示す属性が追加

 「ODF 1.4」はすでに「Microsoft 365」(Office)「LibreOffice」でサポートされており、実際に利用することも可能だ。