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「Microsoft 365」(Office)アプリが「LibreOffice」でも扱える「ODF 1.4」に対応へ

オープンなファイル形式の最新仕様をテスト

「Microsoft 365」アプリのファイル保存時に「OpenDocument」フォーマットを選択

 米Microsoftは7月2日(現地時間)、「Microsoft 365」アプリを「OpenDocument」フォーマットの最新版「ODF 1.4」へ対応させる方針を明らかにした。まず、プレビュー版の「Word」、「Excel」、「PowerPoint」でテストされる。

 「Microsoft 365」(Office)アプリはファイルの保存に「Open Office XML」フォーマット(.docx、.xlsx、.pptx)を利用しているが、このファイル形式は事実上「Office」専用だ。「LibreOffice」をはじめとするサードパーティー製オフィススイートも互換性・再現性の向上に注力しているが、「Office」とまったく同じように表示できるとは限らない。

 一方の「ODF」(OpenDocument Format)は特定のベンダーに依存せず、どのオフィスアプリでも扱えるよう策定されている。「LibreOffice」などでも扱う可能性のあるドキュメントであれば、「ODF」形式で保存するのがよいだろう。

 「ODF 1.4」では、以下の改良が施されているとのこと。

Word(*.odt)

  • シェイプ内のテーブル:シェイプ内でテーブルを利用。従来はテキストボックスでしか利用できなかった
  • ゼロからのリスト:0から始まる番号付きリストがサポート
  • 画像と図形の重なり防止:ODTファイルでも画像や図形が他の画像や図形と重ならないようにするオプションが導入
  • 番号リストのフォーマット:従来は「Word」で利用可能な数値リスト形式の一部しか利用できなかったが、ODT 1.4ではすべてが利用できる
  • 奇数と偶数の改ページ:セクション区切りを追加し、偶数ページまたは奇数ページを指定すると、それがODTファイルに記録されるように
  • 書き込みモードの追加:新しい書き込みモードがODT仕様に追加。特定の言語を有効にすると、.docxファイルでサポートされている表や段落で利用できる
  • 装飾オブジェクト:オブジェクトがただの装飾であり、アクセシビリティツールは無視してよいことを示す属性が追加

Excel(*.ods)

  • エラー値:エラー値をODSファイルに永続化するための微調整
  • 色によるフィルター:カラーフィルター設定を、制限付きながらODSファイルへ保存できる
  • テキストの方向:時計回りまたは反時計回りに90°回転したテキストを読み込むためのマイナーな改良
  • 装飾オブジェクト:オブジェクトがただの装飾であり、アクセシビリティツールは無視してよいことを示す属性が追加

PowerPoint(*.odp)

  • ページ番号:ODPファイルで0から始まるスライド番号がサポート。従来はかならず1から始まっていた
  • テーブル・セルのテキスト方向:テーブルセル内で90°および270°回転したテキスト方向が利用可能に
  • 装飾オブジェクト:オブジェクトがただの装飾であり、アクセシビリティツールは無視してよいことを示す属性が追加

 なお、「Microsoft 365」アプリはすでに「ODF 1.3」をサポートしているが、今回の改善が製品版へ投入されれば、ODFファイルの保存は「ODF 1.4」で行われることになる。既存の「ODF 1.3」ドキュメントを開くことはできるが、「ODF 1.3」で保存することはできない。また、「ODF 1.4」未対応のバージョンでも「ODF 1.4」ドキュメントは開けるが、上に挙げた「ODF 1.4」の新機能はサポートされない。

 この改善は現在、「Word」、「Excel」、「PowerPoint」のベータチャンネルへ展開中。一部環境から段階的に導入されるため、プレビュー版に切り替えてもすぐに利用できるとは限らない点には注意したい。

  • Windows:バージョン 2404(Build 17531.20078)以降
  • Mac:バージョン16.84(ビルド24041420)以降