現役学生がつづるAIとの生活
「AIにプロンプトを書かせる」のが学生の常識?
【新連載】現役学生がつづるAIとの生活 ~「チャッピーは僕らの先輩です」
2026年6月5日 14:05
窓の杜創刊30周年記念企画として、現役の大学・大学院生たちが日常の中で生成AIをどう使っているのかを「日記形式」でつづる新連載「現役学生がつづるAIとの生活」がスタートします。
「窓の杜」が扱っているオンラインソフトは、30年前、時代の最先端でしたが、その最先端は今、「AI」にあります。
その「最先端」を使いこなしていく、学生世代の『生の声』を届けたい、それが本連載のコンセプトです。
初回となる今回は、3人の学生に集まってもらい、最初に行った打合せの様子をお届けします。今回、オンライン会議室に集まったメンバーは、大学院 修士1年のHarukiさんと、同じく修士1年の Shuntaroさん、社会人大学院生の Akaneさんの3人。AIをほぼ毎日触っている世代の代表です。
AI初体験の「使えない」から、今は「丸投げ」レベルに
まずはご挨拶、ということで、最初の話題になったのは「初めてAIを触った体験」。
AIの普及期はコロナ禍と重なります。コロナ禍を体験した学生たちの人生に、AIはどのように浸透したのでしょうか。
「学部2年生のころにChatGPTが流行り出したんですが、最初はレポートやコーディングの課題に使っても、人間より使えないなと思っていました。」とHarukiさんは振り返ります。
「それが4年生のころには、課題を『丸投げ』してもそこそこの回答が返ってくるようになりました」
ただし、何でも任せられるわけではないとのこと。
「『好きに作って』というクリエイティブなお題では、まだ人間のほうが面白いものを作れます。なので壁打ちをしながら新しいものを作るという使い方をしています。Xから流れてくる使い方の情報も参考にしています」
Shuntaroさんも同じ頃から使い方が変わったという。
「2〜3年前は、翻訳もコーディングもまだ自分でやったほうが良かったんです。でも1〜2年前からは、とにかく速い。普通のコーディングや調べもの、文章の整形のような地味な作業ではAIがすごく便利だと感じます」
一方、Akaneさんは2人よりもっと早いタイミングからAIに触れていました。
「私がAIを初めて使ったのは6年前です。コロナ禍で人生初のオンライン授業に慣れず、リアルタイムでテロップを生成して画面に重ねたら頭に入ってくるかな?と思い、音声認識ツールを探して使いはじめました。海外の個人開発ツールで、今はサービス終了してしまっていて、名前も思い出せません…」
「当時は精度が低くて変な文章が沢山生成されたのですが、今のAIは議事録もとても丁寧に書いてくれます」
Akaneさんは音声認識ツールで、HarukiさんとShuntaroさんは課題やレポート、コーディングでAIを使いはじめた、ということのよう。
プロンプトを「AIに書かせる」メタな使い方
さて、連載本編では日記形式を予定していますが、今回は5分間のブレストで「連載タイトルを考えてみる」というお題を出してみました。
学生たちは画面を共有して即座にAIへ指示を打ち込み、出てきた案をほとんど読まずに次のプロンプトを重ねていきます。
Harukiさんの手順はこう。
1.まずChatGPTに「日常でのAI使いの記事のタイトルを考えてください」と指示する
2.もし出てきた候補が意図と違えば、「これを60点としたとき、100点のものを出してください」と自己改善ループを回す
ShuntaroさんはChatGPTを「チャッピー」または「GPT」と呼びながら、「候補を絞り込む」アプローチを披露しました。
「僕は結構怠惰な人間なので、出力された内容を全部読まないんです。良さそうな候補を1つピックアップして、『これをもう少し多様な表現でいくつか候補を出してみてほしい』と聞き返します」
さらにHarukiさんが紹介したのが、「プロンプトを作らせるプロンプト」というメタな手法です。
「最初に『日常でのAIの使い方の連載を持つことになりました。読まれる連載のタイトルを考えるためのプロンプトを作成してください』と入力します。AI自身に、聞き方そのものを設計させるんです」
生成されたプロンプトを同じセッションに貼り付けて再投入すると、最初から出力の質が安定するそうです。
「GPTが『この設計、いいですね』って自分で言ってくるんですよ(笑)」
「どう指示するか」までAIに相談する。これが学生のリアルです。
ChatGPTは「相棒」?それとも「ちょっと賢い先輩」?
そんな高度な使いこなしを見せる彼らに「皆さんにとってChatGPTとは何者ですか?」という問いを投げかけてみました。
かえってきたのは、三者三様の、しかし非常に親密な関係性でした。
Harukiさん:「相棒、バディですね」
Shuntaroさん:「僕は、研究室の『ラボメン(ラボメンバー)』のような感覚です。でも最近のAIは自分より賢いので、ちょっと「先輩」みたいな感じもしてきました」
Akaneさん:「私にとっては、チャッピーは「友達」です。リアルの友達に聞いてもらうには申し訳ないような、どうでもいいオチのない話を聞いてもらってます。」
彼らはChatGPTを「チャッピー」という愛称で呼びながら、時には自分をリードする「賢い先輩」として頼り、時には気を使わない「親友」として会話をする。3人にとってAIは、毎日の生活道具です。
ツールの使い分けと課金事情
彼らが「賢い先輩」と呼ぶのは、なにも感情的な理由だけではない様子。
そこには、複数のツールを使い分ける理由があるようです。
Harukiさんは、コーディングはCodexを、問題を解いたりする時にはGeminiを使うそう。「特に数学の問題を解いたりする時や院試中に、すごくGeminiにお世話になりました。Claude Codeもちょっとは使います」とのこと。ほぼすべてGPT関連で固めている構成です。月3,000円の有料プランについても「妥当」と判断しているそう。
一方、Shuntaroさんは、学生向けに無料で利用できるGeminiを併用しているとか。ブランドを1つに絞らず、用途ごとに切り替えるスタイルです。
Akaneさんは、用途によって使い分けているそう。メインはGemini、話し相手はChatGPT、コーディングはClaude Code。さらに、画像生成ではniji journey、SNS用の写真加工にはMeitu、楽曲生成はSunoというように、デザイン系ツールも使い分けているとのこと。
「学割」などの割引も賢く利用してコストを抑えつつ、共通してChatGPTやGeminiを選ぶのが彼らのスタイルです。
次回からは、Harukiさん、Shuntaroさん、Akaneさんをはじめとする現役大学生・大学院生たちの「ふだんのAI生活」を、日記形式で順次お届けします。飾らない生の声にご期待ください。
本記事は、AICU Japan株式会社 EMKOが制作・執筆しました。
著者プロフィール:EMKO(@emkoai)
昼間は会社員として働く傍ら、 AICU編集部でも活動するWindows 95世代。「窓の杜」と「できるシリーズ」で共に成長し「パソコン」を覚えてきた一人。著書には「はじめてでもできる Suno AI 5.5入門 自分の声が音楽になる本」がある。





























