REVIEW(12/01/16)

何かインパクトのある主張をしたいときに活用できるフォント「ゲバ文字フォント」

特定の政治的主張を行うビラや立て看板でよく利用される“ゲバ文字”を再現

「ゲバ文字フォント」b1.500「ゲバ文字フォント」b1.500

 「ゲバ文字フォント」は、“ゲバ文字”を再現したTrueTypeフォント。編集部にてWindows 7で動作を確認した。再配布サイト“moyu at himote.org”から無償でダウンロードできる。

 “ゲバ文字”とは、特定の政治的主張を行うためのビラや立て看板でよく利用される文字。カドを強調した骨太な字形が特長で、何かを力強く主張したい場合に最適だ。とくに1960年代を中心に利用されたため、いわゆる“全共闘世代”の人たちにとっては懐かしい字体なのではないだろうか。今でも一部の大学や政治組織で利用されている。

 本フォントに収録されている文字は、ひらがな・カタカナ・全角数字、“a”から“h”の半角アルファベット、および政治的主張で頻繁に利用されるものを中心とした漢字。全角の感嘆符(!)が“!!”と印字されてしまうので、否応なく気分が高揚した、革命的な雰囲気を帯びたテキストになってしまうのも、本フォントの特長と言えるだろう。

 しかし、なかには“萌”などといったあまり政治的主張と関係のない字も含まれている。好みのキャラクターに対する愛情を強烈に表現したい場合にも転用できそうだ。

 なお、本フォントには原作者によるオリジナルバージョン(b1.500)と、再配布者が改変を施したバージョン(b1.500+m0.003)が用意されているが、どちらの著作権も原作者が保持しており、商用サイトや商業誌での利用の際には原作者への連絡が必要。ただし、原作者はインターネットからは姿を消してしまったため、連絡をとる手段がないとのこと。実質的には商用での利用は不可能となっているので注意してほしい。

【著作権者】
政治結社エコノミスト
【対応OS】
(編集部にてWindows 7で動作確認)
【ソフト種別】
フリーソフト
【バージョン】
b1.500/b1.500+m0.003

(柳 英俊)