レビュー

右クリックメニューから手軽にファイルを“VirusTotal”でチェック「VT Hash Check」

単体ファイルのマルウェアチェックに便利。スキャン結果のエクスポート機能なども搭載

「VT Hash Check」v1.41

 「VT Hash Check」は、ファイルの安全性を“VirusTotal”で手軽にチェックできるツール。Windows XP以降に対応するフリーソフトで、編集部にてWindows 8で動作を確認した。作者のWebサイトからダウンロードできる。

 ダウンロードしたファイルがマルウェアかどうか手軽にチェックできるWebサービスが“VirusTotal”だ。アップロードされたファイルを40以上ものウイルス対策エンジンでスキャンし、その結果を知らせてくれる。一度スキャンされたファイルは、ハッシュ値とスキャン結果がセットで“VirusTotal”のデータベースに登録される。そのため、すでにデータベースに登録済みのファイルであれば、ハッシュ値でスキャン結果を問い合わせることも可能。

 「VT Hash Check」は、ローカルファイルのハッシュ値を取得し、それをもとにスキャン結果を“VirusTotal”に問い合わせることができるツール。ファイルの右クリックメニューから簡単に利用できるのが便利だ。複数ファイルの一括チェックには向いていない点と、“VirusTotal”のデータベースに登録されていないファイルに対しては無力なのが欠点だが、そこは以前紹介した「Phrozen VirusTotal Uploader」などでカバーできるだろう。

 本ソフトを利用するには、“VirusTotal”コミュニティのアカウントを作成し、APIキーを取得する必要がある。初回起動時にAPIキーの入力が求められるので、あらかじめ準備しておきたい。基本的な使い方は、前述した通りファイルの右クリックメニューから[Check File Hash]項目を選択するだけ。しばらく待つとスキャン結果の画面が表示される。

とりあえずファイルの右クリックメニューから[Check File Hash]項目を選択。初回起動時にAPIキーの入力が求められる
設定画面が開くので、APIキーを入力
APIキーは“VirusTotal”コミュニティのプロファイル画面にある[API]タブで取得可能。“VirusTotal”コミュニティのアカウントがない場合は作成する必要がある
本ソフトでは“VirusTotal”のデータベースにハッシュ値が登録されていないファイルのスキャン結果は取得できない。“VirusTotal”のアップロードページが表示されるので、そこから手動によるファイルのアップロードが必要

 スキャン結果の画面では、マルウェアであると判定したウイルス対策エンジンが赤背景でハイライトされる。ハイライトされた行を右クリックすれば、メニューからマルウェアの名前をクリップボードへコピーすることが可能。ブラウザーなどへ貼り付けて、検索エンジンでマルウェアの名前を検索すれば、より詳細な情報が得られるだろう。本来であれば検索サービスを登録して、右クリックメニューから直接検索することもできるのだが、編集部で試用したところ正常に動作しなかった。

 そのほかにも、バイナリからファイルタイプを識別するユーティリティ「TrID」との連携機能や、スキャン結果をCSV/JSON形式などでエクスポートする機能、ファイルに対するコメントを“VirusTotal”コミュニティへ投稿する機能などを備える。

スキャン結果の画面。ファイルをマルウェアであると判定したウイルス対策エンジンが赤背景でハイライトされるが、誤検知の場合もある
マルウェアの名前をクリップボードへコピー。検索機能は動作しなかった
「TrID」でファイルタイプを識別
スキャン結果をCSV/JSON形式などでエクスポート

ソフトウェア情報

「VT Hash Check」
【著作権者】
Andrew Lambert 氏
【対応OS】
Windows XP以降(編集部にてWindows 8で動作確認)
【ソフト種別】
フリーソフト
【バージョン】
1.41

(柳 英俊)